驚いて、疑います。
「…コレが、あのゴーストハウスと言われていた北の離宮?」
「今はすべて取り壊し、元陛下の年金でアトリエを建て直しております。」
「庭の隅の小屋はなんですの?」
「あちらは側妃殿の住まいです…。半年を過ぎましたが造花作りが上手くいかず、かと言って元陛下のように新な才能が開く事も無く…」
「お父様の邪魔をしないように、北の離宮の敷地内で監禁中ですのね?」
「はい、大陸会議が終わり次第…眠りについて頂く運びとなりました。」
「あら、三ノ姫…陛下も決断なさったのね」
「素晴らしい決断ですわ!」
「姫様方こちらへ…」
「あら、扉はこちらでしょう?」
「そちらは、業者用の搬入口で側妃殿へのダミーとなります。設定された魔力量を順番通りに注がないと扉は開けられません、そして我々役人が管理する魔力情報で個人が特定できるようになっております、試作段階ですので、まだ業者の担当者と我々役人のみの情報しか登録されておりません。」
「…この扉の仕掛けも、お父様が?」
「まぁ、お父様たら人が変わったみたいに仕事熱心ね?貴女の持っているカードは何?」
「こちらは、設定された魔力量を閉じ込めたカードで扉の穴に指すだけで自動で魔力を流し鍵が開くよう設定されている上、こちらも誰の魔力で扉が開かれたかわかるように設定されています。親方が待っていますので扉を開けますね」
「親方?」
「此方の部屋へ、お入り下さい。親方!姫様方をお連れしました」
「おぉ!一ノ姫、ニノ姫、待っていたぞ!」
「…ホントにお父様ですの?」
「一ノ姫!父がわからんか?」
「えぇ、別人にしか見えません…。」
「親方、姫様方は昔の親方しか知りません。」
「そうだな…愚かな私しか知らぬのか…。」