元国王天職をえたようです。
「一ノ姫様、ニノ姫様お待ちしていました。」
「あら、久しぶりね」
「一ノ姫様おかえりなさいませ。」
「ただいま、貴女の顔をみれて嬉しいわ」
「ありがとうございます。」
「姉様、早く出発しないと…。」
「そうね、急がないと日が暮れるわね」
「馬車はこちらに…申し訳ありません、我々が使う馬車になります。」
「構わないわ、王家や公爵家の馬車は目立ちますもの。」
「意外と乗り心地が良いわね」
「本当ね、私が乗ってきた東国の馬車より良いわね」
「ありがとうございます、職人も喜びます。試験車両として我々が外回りの時に使わせていただいております。3ヶ月後には一般車両として予約販売が始まります。」
「ニノ姫、予約お願いね?」
「…わかりました、公爵家のついでに予約しておきますわ。」
「ありがとう!ニノ姫」
「姫様方、此方の申込用紙をお渡ししておきます。」
「ありがとう、あら?この開発責任者の名前…。」
「前国王陛下の、新しいお名前です。」
「造花を作っていたんではないの?」
「あの人は造花を作るより、技術開発の才能が有ったみたいね。」
「お気に入りの椅子が壊れた時に、ご自分で修理されその時この馬車で使うための物を思い付かれて研究から商品化までをお一人でなさいました。」
「お父様って、凄かったのね。」
「まぁ、国王より向いていると思いますわ。」
「研究に没頭するため、アトリエを作り一人でこもっていらっしゃいます。」
「あら、せっかく愛しい側妃殿と一緒にしてあげたのに…。」
「元側妃様が居られては、研究の邪魔しかしませんから我々も一人で研究されるのを推奨しております。」
「貴女方は、お父様が物を作るのを止めないのね?」
「はい、元陛下が良いものを作っているのは、姫様方が証明してくださったので…国の為には良いことです。」
「姉様…為になる事なのだとしたら、造花作りより役に立ちますわ」
「姫様方、北の離宮が見えてきました。」
「会った時は誉めて差し上げましょうね、ニノ姫?」
「はい」