入国も出国も難しいようです。
「東国の国王陛下、並び王妃殿下遠いところをよくお出でくださいました。」
「中ノ国の国王陛下ご即位、ご結婚、おめでとうございます。」
「ありがとうございます、先代陛下と側妃様の急死でバタバタしてしまいご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ありません。」
「…フフ、立派になったわね。三ノ姫」
「お姉様…」
「ごめんなさいね、私達しか居ないのだから多目にみて?」
「妻が申し訳ないね」
「お義兄様…構いませんわ、一のお姉様は昔からこうですわ。」
「あら、だって小さい頃は昼間でも一人でお手洗いも行けない子だったし、二の姫が怖い話をすると眠れなくてよく涙目で「お姉様一緒に寝て上げます」って言って私の部屋へ枕を持ってくる子だったのよ?四ノ姫が産まれてからは無くなってしまったけれど、凄く可愛かったのだから!」
「小さい頃の話ですわ、今は大丈夫です」
「今も…。姫様はあまり変わってませんよ?」
「あら、そうなの?」
「はい、義姉上。婚約者だった頃に…。」
「お姉様には、言わない約束ですわ!」
「二人は仲が良いようで、この国は安心ね」
「…私が、まさか中継ぎとはいえ即位する日が来るなんて」
「私も姫様との結婚が早まったのは嬉しいのですが、まさか王配となるなんて思いませんでした。」
「おばあ様が、残した予言書だったわね…」
「三年後の会議で…一つ目は私と東国の国王陛下の義兄上が…先代陛下と側妃様との素性がわからぬ養女に心奪われ、私は婚約破棄をして東国では…。」
「婚約者の私を側妃にし、素性のわからない王と側妃の養女…この場合は義妹?を王妃に迎えると…。」
「お母様が頑張って下さって、予言が実現しないよう手を回していてくれたお陰で…」
「私達は無事に結婚し、悪事を働いていた者達は退場していますが…まだ、義妹となる少女は見つかって居ないわ…。」
「いいえ、我が国の役人が既に見つけております。」
「何?「あら!」」
「我が国の国民ではなく、隣国…北国の民で呪い師の血を引く移民の娘だそうですわ」
「呪い師ですの?」
「はい」
「なら、先代のお父様がいた所で中ノ国に入国は難しいわね。呪い師では中ノ国処か、我が東国でも奴隷の入国審査は通りませんわ…密入国は別ですが警備兵は見逃す筈がありませんわね」
「北国でも、出国は出来ないでしょう国賊として呪い師達は奴隷の身分に落とされ仲間内で逃亡者が出た場合は道連れて
皆直ぐ事切れる呪いを自身で掛けさせていると報告を受けてます。」
「あら、じゃあその方はもう大丈夫じゃないかしら?」
「報告書を読む限りでは、大丈夫そうですが警戒は怠らないようにと…お母様から伺っていますわ」
「そうだな、警戒するに越したことはない。」
「ええ、そうですわね…では…私は可愛い弟の顔を見に行きたいわ、二ノ姫にも会いたいし…」
「お姉様…問題の方は後二人も居るんですよ」
「わかってるわ、でも話に上がらなかったしまだ裏はとれて無いのでしょ?」
「はい…」
「この国の役人達は優秀な者達ばかりですもの、連絡を待ってるわね」
「お任せください、義姉上。」