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少女対面

「もう!うるさいな!!居留守使っていることくらい分かってよ!」


そう勢いよく出てきた少女こそが今日休んだ者である。


「なんだ。いるじゃん。これ今日君休んだから先生が渡しとけって言ってたし。重要な書類も入っているからちゃんと見とけよ。」


春樹が差し出した封筒を奪うようにして受け取る少女。

その態度は知らないが春樹は何か見たことあるようなモヤモヤを抱えた。


「なあ、君ってさ俺と会ったことある?」

「ないよ!用事はこれだけ?」


即答。

知らないなら仕方がない。


「まあそうだけど。」

「んじゃ早く帰ってよ!」


言いまた勢いよく扉を閉め春樹との会話を嫌がるような態度だ。

そんな少女に言い忘れていた事を思い出し再度インターフォンを鳴らす。


「今度はなによ!」

「あ、俺さそこに住んでるから困ったことあればなんでもいいから言ってくれよな。」

「あーあー分かった!それじゃあ帰って!」

「ちょっと待って。」

「なによ...。」


春樹の心配の言葉をまるでいらないお節介のように跳ね除ける少女にまた春樹は声をかける。


「ちょっと家入れさせろ。」

「いやよ、なんでお前なんか...」

「いいから!」


少女の言葉を遮り何を思ったのか怒声を浴びせる。

そんな春樹に気圧され少女は春樹の侵入を許した。

春樹が向かったのは玄関から入ってすぐ右の部屋。

リビングだ。

刹那春樹の鼻を悪臭が支配した。


「やっぱりな。玄関にいてもちょっと匂いが届いた程だぞ。ちゃんと掃除しなきゃ。」


そこには荒れたカップラーメンのゴミ。

そして散乱する生ゴミ。

乱暴に脱ぎ捨てられた衣類。


「おいおいおい、この前引っ越して来たばっかだろ...。」

「だから入れたくなかったんだよ。」

「君親は?」

「父は単身赴任。母の転勤でこっちに来たけど、不倫しててその男とほとんど一緒にいる状態。」

「は?意味わかんね!悪いけど言わせてもらうわ。君の母親クソだな!」

「それは私も同意見。」


即答。

そして二人の今までは笑みなどなかった顔から笑みがこぼれた。


「ははは、少しは親の肩持ってやれよ。」

「ふふふ、いやよ、あんな親の肩持つのなんて。」

「まあ、そうなってもおかしくないか。あのさ、ちょっと時間ちょうだい。」

「え、いや。」

「なんで?」

「だって私の下着とか見て欲しくないし。」

「!?俺の心よんだ?」

「どーせ、掃除させてくれって感じでしょ?」

「そーだけども...。」


自分の心を読まれ驚く。

ありがちな流れ出し読まれても不思議ではないか。

春樹は少しかんがえ、


「やっぱだめだ。片付けさせてくれ。多少はマシになると思うし。」

「私の下着とか見ない?」

「見ない。というか下着とか脱いでそのまんまにすんなよ...。」

「うるさいな!」


春樹はすぐに作業に入り始めた。

まだ少女は何か言いたげだか。


「まずは衣類からだな。洗濯機ある?」

「当たり前じゃんないとでも思ったの?」

「いや、あるなら洗濯くらいしろよ...。」

「いやよ、めんどくさい。」


少女と言葉を交わしながら春樹のさ行は淡々と進んでいく。

とりあえず見える衣類は回収した。


「洗濯機どこ?」

「こっち。」


少女が先導しそれに春樹がついて行く。


「ここは綺麗かと思ったけど、ホコリめっちゃ溜まってるね。」

「うるさい!掃除嫌いなんだよ...。」


語尾が弱くなるあたり図星なんであろう。

衣類は洗濯機に入れて開封されていなかった洗剤を入れて洗濯。

リビングに戻り今度はカップラーメンの片付けをし始めた。


「カップラーメンだけだとさ栄養偏って良くないよ?ちゃんと野菜も食べてるの?」

「食べてるよ。カップラーメンに入ってるネギとか...。」

「なんか今聞いてはいけないことを聞いた気がする。」

「気にしないで!手を動かして!」

「人使いがあらいなぁ。」


文句を言いながらも片付けをするあたり春樹の性格がよく分かる。

そんな性格に少女は少し関心した顔をした。

もちろん春樹に見えないようにだが。


「ゴミ袋ある?」

「それくらいあるわよ。はい!」


どこから取り出したのか少女の手にはゴミ袋が握られていた。

春樹はそれを受け取るとポンポンとカップラーメンのからを入れた。


「あのさ、文句ばっかりで悪いんだけどさ、生ゴミくらい処理してくれる?」

「あーもう!なんか正論過ぎて腹が立つ!」


怒り模様の少女だが、春樹の言っていることはちゃんと理解しているらしい。

ささっと生ゴミも片付けて足場のなかったリビングが見違えるように綺麗になった。


「おお、やるじゃん。」

「これからは君がやるんだよ。」

「ぐえ。」


そしてまた春樹の正論に潰されそうになる少女。

正論に潰されてはひとたまりもないと察した少女は話題を変えるため必死に頭を使う。


「そう言えばさ、私のこと君って呼ぶのやめてくんない?」

「え、でも名前知らないし。」

「なんでよ!今日紹介とかなかったの?」

「あー君の事を先生が言ってた気がするけど、自己紹介は明日やるみたいだよ。」

「そうなんだ...。」


春樹の記憶の悪さに呆れつつ「明日」という単語に引っかかる少女。


「私の名前は吉中真夏実。真夏実でいいわよ。あなたは?」

「俺の名前は渡辺春樹。春樹って呼んでくれ。そのなんだ、よろしくな。」

「うん。よろしく。」

書きたいことがあってそれで舞台が京都だったら書きやすいので舞台を京都に設定していたんですが、皆さんはお気づきでしょうか?

そうです。

登場人物達が喋るのは標準語。

つまり関西弁ではありません。

これは皆さんがわかりやすいようにと思ってこうしています。

もしも、関西弁がいいって方が沢山いましたら関西弁に変えようと思います。

感想でおくってくださったら読みますので。

以上報告でした。



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