少し似ている者
家に帰るとソファで寄り添うように眠っている雪と真夏実がいた。
「まだ帰ってなかったのか。」
「なんか疲れて眠っちゃったみたいで。」
「なるほど。今日はなんかよくみんな寝るなぁ。」
茜と真夏実は春樹と一緒三人で食後UNOをした後に眠りに、そして今も眠っている。
茜に関しては帰り道でも眠っていたためその睡眠時間はとても長い。
「んじゃ俺は送ってくるよ。」
「え?春樹真夏実ちゃんの家に入れるの?」
「うん。合鍵貰ってるよ。」
「そっか。せっかく泊まってもらおうと思ったのに。」
「何を言っているんだよ母さん...。行ってくるね。」
「はーい。行っらっしゃい。」
茜と同様に真夏実を背負い歩く。
茜と違い一分程でつく距離にあるため疲れなくて済む。
流石に中学生の筋力では女子とはいえ背負って四十分も歩くのは苦だ。
「おんぶしながらドア開けるのってなかなか難しいんだな...。」
独り言を呟きながら鍵を開ける。
当たり前だが家の中は暗い。
電気をつけるのが面倒のため電気をつけずに真夏実の部屋へと向かう。
ゆっくりと起こさないように真夏実をベッドに寝かせた。
「ん、」
「?」
ゆっくりと寝かしたつもりだったのだが真夏実を起こしてしまったらしい。
「真夏実起きちゃったのか?」
「春樹?」
「うん。またゆっくり寝な。」
真夏実元から離れようとしたがそれは止められた。
真夏実が春樹の服の裾を掴んだのだ。
「どうしたの?」
「もうちょっと一緒にいて。」
「いいよ。」
暗闇に目が慣れて来たのか真夏実の表情がわかった。
少し頬を赤らめている。
「一緒に何かあったの真夏実?」
「春樹は常に他の女の子と一緒にいて二人きりっていう状況がないからもうちょっとこの時間を大切にしたいの。」
「確かに真夏実と二人きりの時間はあんまりなかったね。」
雰囲気が駄目だ。
そう気づいている春樹は早く逃げ出したいのだが人の頼みは断れたい性格が邪魔をしてこの雰囲気を有効に使おうとする。
「...春樹ってさ好きな女の子っているの?」
「なっ!?いきなりなんだよ!」
「いいから答えて!」
「分かったよ...俺が好きなのは真夏実や茜、ゆり、雪辺りだよ。」
「そうじゃなくて!」
「じゃあどういうこと?」
顔を羞恥心で真っ赤にした真夏実が聞いたのだかそれの真の意図を春樹は分かっていない。
女子が男子にノリ以外で好きな人を聞くということはあれしかないのに。
「もう!聞いた私が損したわよ!」
「お、怒るなよぉ。でどういうことなの?」
「それくらい自分で考えなさい!」
布団を被って顔を隠す真夏実に対してなだめるように春樹は真夏実の頭を撫でる。
春樹に対して怒っているものの真夏実は春樹の手をどけようとはしない。
「春樹ずるい...。」
真夏実の頭を撫でる春樹に対して真夏実はちゃんと答えてくれないのにこんな事をするのについてずるさを感じる。
だが、嫌ではない。
むしろもっと撫でて貰いたいほどだ。
「私の答えは決まっているのに...。」
「ん?何か言った?」
「何も無い!」
真夏実の言葉に対して声を聞こうと真夏実の顔まで上がっていた布団顔が見えるように下げる。
ただそれに対してはじめより赤くした顔を隠すように春樹がいる方向と逆の方向を向いた。
「もう寝る!」
「ああ、おやすみ。」
そうは言いつつも春樹は真夏実を撫でる手を止めようとはしない。
そして完全に真夏実が寝息をたてはじめたころに手を止めて真夏実の部屋を出た。
「それにしても真夏実はよく眠るな。」
ショートスリーパーとまでは言わないが春樹は少しの睡眠でよく動ける。
だからそこまでねむたくないのだ。
「さあ、俺は家に帰って雪のの子守でもしようかな。」
もはや人間のレベルを超えて雪の気配察知能力はすごい。
だが春樹に限るが。
春樹が家を出ていった辺りで起きたであろう。
「だだいまー。」
「おかえり春兄〜。」
「相変わらず雪は俺が帰ってきたら抱きつくよな。」
「春兄が大好きだから!」
「はいはい。」
雪に抱きつかれたままリビングへと移動する。
「あら、春樹女の子にモテモテね。」
「母さん...。ほんとからかうのはやめてよ...。」
「そうね。ごめんなさい。」
全く反省していない母親。
だが、ここ最近春樹も女子が周りに多くいる気がする。
行っている高校が元女子校だから当たり前と言えばそうなのだが。
「雪、小学生は寝る時間だぞ。」
「は〜い!」
雪は元気に返事をする。
そして自分の部屋がある二階へと上がっていった。
春樹もその後ろに続き雪が先に待っている部屋へと向かう。
「春兄早く!」
「はいはい俺は逃げないから。」
そう言いながら先程あったような状況にまたなる。
そして直ぐに雪が春樹の腕を掴んだ。
「む、春兄他の女性の匂いがする。」
「雪よく分かったな。真夏実だよ。」
「頭撫でてきたの?」
「うん。」
「そう。春兄お風呂入ってきて!」
「なんで?」
「いいから!」
雪に押されて部屋を追い出される春樹。
雪が言うように風呂に入りに行くことにする。
「茜と真夏実が入った後か...。」
春樹の頭の中を巡る思考。
「なー!何を考えているんだ!」
壁に頭を何度も打ち付ける。
「春樹〜?大丈夫?」
「大、丈、夫だから気にし、ないで!」
「あらあら、春樹もしかしてエッチなこと考えていた?」
「ぬぉぉ!」
「あら、図星なのね。」
春樹の思考を読んだような母親の言葉にトドメを刺され叫ぶ春樹。
湯船に浸からずシャワーだけではいり雪の部屋に入る。
「雪入るぞ。」
「うん...いいよ春兄なら...。」
なんだこの雰囲気雪の声といいこの感じ!
部屋に入る前でその異様さを感じる。
「分かった...入るぞ。」
春樹は異様な空気の部屋に入った。
エッチな描写は絶対に書きません!
そしてこの子達はまだ中学生なので駄目です!
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