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ブラコン

嫌な予感がした。

そしてその予感の通りに事が進み罰ゲームを受ける人物は...


「なんでこういう時に限って手札弱いんだよ...!」

「はい、春樹罰ゲームね。何をやってもらいたい茜?」

「そうだな...。膝枕とかやってもらいたいぞ!」

「膝枕...?それって普通女子が男子にするもんじゃ...。」

「すべこべ言わずそこに座る!」

「...分かったよ...。」


真夏実が指差したのはあまり物がない中で一番存在感の大きい真夏実一人が使うには大きすぎるソファだ。

身長170cmの人が余裕で寝転がれるくらに。


「はい、いいよ。」


春樹が自分の太ももをポンポンと叩きまるで子供に「おいで」と言っているような仕草をする。

そんな春樹の太ももに飛びつくように真夏実と茜は頭を乗せ二人とも春樹の顔を見上げる。


「なんだよ。」

「春樹って嫌って言いながらもなんでもしてくれるなって思ってさ。」

「なんでもはしない。できるだけ期待には応えられるようにしてるけど。」

「春樹は昔から茜を甘やかしてくれていてそんな春樹が茜はは大好きだぞ。」


少し頬を朱色に染めながらそんな事を茜は言うがそれは春樹は告白とは思わない。

ただそれを告白だと分かった真夏実は驚くように大きく目を開いたが。


「はいはい、そんなことを言っても何も出てこないよ。」

「別にそんなつもりで言ったつもりはないぞ...。」

「ん?なんか言ったか?」

「何も言ってないぞ!」


茜が何故怒っているのか春樹には分からないが、真夏実は春樹の反応に安心したように、そして疲れが溜まっていたのか徐々に瞼が下がっていく。


「真夏実、眠たかったら寝ていいよ。」

「ん、ありがと...。」


そう言っているのもほとんど無意識ではないかと思うほど真夏実は完全に寝ている。

そして茜の方はと言うとふてくされたように春樹の太ももに頭を乗せ直した。


「痛っ。茜が何に怒っているかはよく分からないが茜も今日は少し疲れが溜まっているみたいだし寝ていいよ。」

「恩に着るぞ...。」


そう言い茜も寝た。

そんな二人の頭をなでていると春樹も睡魔に襲われ徐々に意識が薄れていった。


そして最初に意識が覚醒したのは春樹だった。

それは何か自分を...いや、春樹の太ももを枕にして寝ている二人への妬みの感情の強さにより起きたのだ。

黒いオーラが背後に見えるように錯覚するほど二人を妬みの感情を宿した瞳で眺めていたのは


「雪...。どうしてここに?」

「春兄、今はそんなことは関係ない。なんで知らない人の家で茜姉と知らない女の人を膝枕しているの?」

「そ、それは...。」


雪の目が怖い。

これは昔によくあったことだ。

茜と春樹がまだ近くに住んでいた頃の話だ。

茜はが春樹に甘えてそれを春樹が許して甘やかせる。

そしてそれに雪が気づき妬みの感情を宿した瞳で眺めているのだ。

こうなった雪はそう簡単には機嫌を戻さない。


「おい、二人とも起きろ。殺されるぞ!」


眠たい目を擦りながら最初に目を覚ましたのは茜だ。


「春樹まで眠たい...雪...!」


視線に気づきそちらをみた瞬間に茜はが固まった。

そして硬直がとけた瞬間に春樹の太ももから頭をあげソファに正座した。

そして遅れて真夏実の意識も覚醒し始める。


「なんか茜の声が聞こえたけど...この子誰?」


茜の恐怖の声で起きた真夏実も雪の存在に気づいた。

そして真夏実と雪は初対面のため当然相手が誰か分からない。


「し、紹介するよ。こっちは俺の妹の雪。

そしてこっちが俺の同級生でこの家に住んでいる吉中真夏実。」

「よろしくお願いします。」

「よ、よろしく...。」


真夏実も春樹の表情と声そして茜が謎に正座していることに気づいた。

そして直感的に感じたのだ「この妹はやばい」と。


「とりあえずなんで雪がここにいるのか聞いても?」

「それは後でいい。春兄なんで膝枕なんてしていたの?」


小学校四年生にしてつい最近まで小学生だったとしても今は中学生である三人を怖がらさせる雪のこの変化の仕方は異常だ。


「えっと、俺たち三人でUNOをしていたんだよ。そして罰ゲームってなって俺が負けて膝枕させられてそれで眠たくなって寝てしまったって感じ...。」

「なるほど。それで雪専用の太ももを盗ったということ?」

「べ、別に盗ってなんかないんだぞ?」

「茜姉、それで私に言うことはないの?」

「ひ、春樹!助けてくれだぞ!」


茜は恐怖のあまりに春樹の背中へと隠れた。


「雪ちょっとクールダウンしてくれ。ちょっとここへ来い。」


怒っていても雪は春樹の指示に従いさっきまで茜がいた所へと腰を下ろした。

そして春樹は雪の頭を無理やり掴んで自分の太ももへと持っていき頭を撫でてた。

すると雪は目に見えるほど表情を一転させて普段のゆるゆるしている顔へと戻った。


「はあ、雪には困らせられてばっかりだよ。」

「流石、兄だね。あんなに怒っていたのにこんな簡単に元に戻させるなんて。」

「いや、これもそのうち効かなくなってくるんだよ。だけど、二年間このような事がなかったおかげで効くようになったみたい。」


何度も薬を飲んでいると徐々に効き目が無くなっていくように雪にも耐性が徐々につきこんなに簡単には元に戻せなくなるのだ。

ただ二年間の春樹が雪にずっと構っていたせいで雪の耐性は無くなっていた。


「はあ、とりあえず雪を交えて話をしようか。」

「そうねそれがいいわ。」

「茜を賛成だぞ。」


思い出されても困るため今回のことなどを簡単に説明し、雪には納得してもらった。

しかし、少し不服そうではあったが。


「状況はわかったから私も春兄のご飯食べる!」

「家は母さんだけになっちゃうよ?」

「じゃあみんなで家に来たらいいと思う。」

「そうだな。それがいいか。じゃあ真夏実、茜俺は先に準備しに帰るからゆっくり来てくれ。」

「わかったわ。」

「わかったぞ。」


春樹の家でご飯を食べる事になった。

そして母の反応が少し怖くもある。

久々の雪登場です。

これからもメインの登場人物として沢山登場する予定です。


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