真夏実と茜
場所は真夏実宅。
帰りにスーパーに寄っていきその流れで真夏実の家に来たということだ。
「食材にまな板、包丁、ピーラー...よし!ちゃんと買えているな。」
「悪かったわよ何もなくて!」
ただ買ったものの確認のつもりが真夏実には嫌味に聞こえたらしい。
「別に悪いって言っているわけじゃないよ。ただ少し必要な場合物が無いかなって思っただけだよ。」
正論に何も言い返せない真夏実は唇を尖らせ不機嫌な顔をしている。
そんな春樹と真夏実のやり取りを見ていた人物が吹き出した。
「ぷぷっ!真夏実生活力無さすぎだぞ!それで春樹のお母さん力すごいぞ!」
「うるさいわね!」
「なんでみんな揃って俺のことお母さんって言うの!?」
茜が笑った理由もよくわかる。
普通は逆だ。
真夏実が春樹に生活力の無さを指摘されているのだ。
春樹の家事能力が高いのもあるがカップラーメンで生きていこうとしていた真夏実だ。
その生活力の無さは普通とは違う。
茜はこのカップラーメンの話を帰り道で聞いてめちゃくちゃ笑っていた。
「どんどん茜の生活力の無さがバレるな。」
「本当にやめて欲しい...。」
「じゃあ真夏実も頑張って家事覚えなきゃいけないぞ?」
「うっ、それは...。」
「めんどくさいんだろ?分かってるよ手伝ってやるからしっかり覚えろよ?」
「春樹〜!」
春樹の優しさが身に染みたのか泣きつく子供のように真夏実は春樹にくっつく。
その頭を子供を可愛がるように春樹は撫でる。
「茜は今日はここでご飯食べていくの?」
「そうだぞ。あ、おばさんに連絡しなきゃ心配されるぞ。」
茜はおばに持たされたのかスマホを取り出し少し操作してポケットにしまった。
「これで大丈夫だぞ。」
「そうか。まだ昼ご飯も食べてないし昨日のカレーが残っている事だからカレーうどんでいい?」
「いいわよ。」
「カレーうどん!早く食べたいぞ!」
「りょーかい。」
カレーうどんを作るためにうどんは買っておいた。
その他準備を済ませてすぐに作り始めた。
「春樹〜まだ〜?」
「早いよ!まだ5分も経ってないよ!うどんってラーメンと違って茹でるのに少し時間がかかるんだよ?」
「早く作ってねー。」
「わかってるよ!」
春樹がご飯の準備をしているのに対して真夏実と茜はババ抜き中だ。
圧倒的に真夏実が強いのは茜の声を聞くだけでわかる。
悶えているのだ。
一瞬にして勝負が決まるババ抜きはあるだろうか?
茜がジョーカーを持っていれば真夏実は一回もジョーカーを引かない。
そして真夏実が持っているならば茜が初ターンに引いてそのまま持ち続けるのだ。
「もう一回!もう一回だぞ!」
「何度やっても勝てないわよ〜?」
「うう、悔しいぞ!」
二人がババ抜きをしている間に春樹は慣れた手つきでカレーうどんを作り終えた。
「はい、お待たせ。」
「ありがとうだぞ。」
「ありがとう。」
春樹が器に入れそれを二人の前に持っていく。
そして春樹も自分の分も置いた。
「いただきます。」
「いただきますだぞ。」
「いただきます。」
春樹が言いそれを待っていたように二人も言いそしてカレーうどんを口に運ぶ。
「うまっ!」
「うまいぞ!」
口に入れた瞬間にそう言葉する二人。
それをニコニコとみて春樹もカレーうどんを口に運んだ。
「うん。我ながらなかなか上出来だな。」
「春樹はいいな。こんなに料理が上手くて。」
「そうか?結構簡単なんだけどな、慣れさえすれば。」
「その回数を重ねる上で私は指が何本あっても足りなそうだから料理に挑戦するのはやめておくわ。」
「その方がいいぞ。真夏実謎に不器用だからな。」
ババ抜きで負けた茜はこういう時に真夏実に攻撃をする。
そしてそれは真夏実の心に深く刺さる。
「正論だから言い返せないけど、茜は料理できるの!」
「真夏実やめた方がいいよ。」
「なんで?」
「茜は火がつくと止められないから。あと、茜は家事基本出来るよ。」
「嘘でしょ...。」
自分の平らな胸を張るように自慢げな茜。
春樹にそう言われるほどだから茜が家事が出来るは本当なのだろう。
少し悔しげな顔をする真夏実に対して春樹は苦笑いだ。
「まあまあ、それは後にして今は食べようよ?」
「そうね。温かいうちに食べる方が美味しいしね。」
「そうだな。春樹が作ってくれたご飯が冷めるのは勿体ないぞ。」
そう言い二人はカレーうどんを食べ進める。
春樹も美味しそうに食べてもらうのが嬉しくてカレーうどんをすぐに食べ終えた。
「さあ、腹ごしらえも終わったしどうする?」
「ババ抜きするぞ!」
「ババ抜きは飽きたわ。」
「それじゃあUNOでもする?」
「いいね!そうしよう。」
UNOはトランプと一緒に今日買ってきた物だ。
三人で遊べる物だったらそのへんがいいと春樹の判断によって買ったのだ。
「UNOってトランプと違って枚数が多いのね。」
「うん。UNOは手札が無くならなくてめちゃくちゃ時間がかかることがあるからそれのためだと思うよ。」
「なるほどね。それでどんなルールなの?」
「え?」
UNOのルールを知らないのだ真夏実は。
ババ抜きは知っていたから知っているものだと思っていたがそんなこと無かった。
でもよく考えたらわかる話ではある。
小学校の頃にいじめられていたのだからUNOをやる相手がいないのだ。
「そっか。じゃあ説明するね。」
次回にUNOはします。
UNOは地域によって異なるルールがあるので、自分がよくやっているルールで書きますのでご了承ください。
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