Side:古き時守り
その場に残された古き時守りは、転生者に視線を向けた。
サキと呼ばれる人間に対して思うことは多々ある。
古き時守りは若干の感慨を込めて、呟いた。
「異界の接合点か……」
サキの肉体は異界の接合点だ。
人の形をしてはいるが、それは見せかけに過ぎない。
「16もの回数を経て世界を救えど、未だ邪神が仕掛けた遊戯は終わらず。ドレイファンは此度で遊戯を終わらせようと躍起になっているのか」
異界の接合点がいる限り、異世界は接合されていく。
幻想に満ちた世界も、未来技術で栄えた世界も、ゲームを彷彿とさせる世界も、全ては異界の接合点に引きずり込まれて、吸収されて、一つの世界に統合されていく。
いわば時羽咲子とは、異界の接合点に宿った魂であり、異界の接合点を制御する鍵と言える。
世界を接合していく異界の接合点は脅威と言う他ない。
だが、逆に言えば……
理想郷を作るための礎にも成り得る。適切な方法を用いて時羽咲子を正しく導けば、望む世界を作り出せる。
そのために各陣営が動いている。古き時守りはそれを見守っている。
「……気づけ、異界の接合点よ。お主の行動が世界を分解するのだと」
古き時守りは、この世界に迫る異変を捉えた。
時空の裂け目より現れた異形。
世界を侵食する汚濁と触手。太古より現れし支配者の群れ。
「AaaaaaaaaaaAhaaaaaaaaaa」
世界が黒く塗り潰されていく。
時食いは時を食う。色に彩られた世界を黒に塗り替える。
故に、人は言う。それは『時食い』だと。
現れる無数の時食いを前にして、古き時守りは角に稲妻を迸らせた。
「今は見届けるとしよう。この角に誓って」
●解説
主人公が転生したこの世界は、ファンタジー系異世界とSF系異世界とクトゥルフ系異世界とホラー系異世界とカードゲーム系異世界とVRMMO系異世界が一体化して、ごちゃ混ぜになっている……という設定です。




