あるいは死神のような恰好
歩を進めると、集落に住まう人々の姿が視界に映り込んだ。
村の人々はチュニックを着ており、農作業用と思しきズボンを穿いている。肌には奇妙な文様が刻まれており、異国めいた雰囲気を醸し出していた。
岩陰に隠れて村人を観察するサキは、観察すればするほどに、自身の装いを再確認させられる羽目になった。
(……この格好は目立つし、マントの一つでも欲しいなぁ)
マントが欲しい。SFチックなマントではなく、ファンタジーチックなマントだ。
ファンタジー系マントは布で出来ているに違いない。この世界ではどうやってマントを作るのだろう。布を調達すればよいのだろうか? 布を作るために糸を調達する……? 糸はどこで手に入れるのだろう?
サキは段々と不安になってきた。頭の中の予定表では、このまま村に直行して情報収集をするつもりだったのだが、本当にそれで大丈夫か。今の恰好で良いのだろうか。下手をしたら、またしても魔族的な何かとして扱われるのではないだろうか?
(うう……これも全部、女神Xが悪い……)
人知れず悶えているサキに救いの手が差し伸べられた。
なんと、サキにマントを差し出す奇特な者が現れたのだ。
「さあ、このマントを着るのですッ! 女神エェーックスッ!!」
「うわぁ!?」
――そういえば、奴隷騎士を名乗る男という人物もいた。
そんなことを思いながら、サキは奴隷騎士からマントをひったくった。
内心では「くっ」だの「ううっ」だの、羞恥にまみれた言葉しか浮かんでこない。
とにかくもマントを手に取ったサキは、さっさとそれを羽織った。
てれれってれーん。
サキは マントを 装備した!
「じゃ、そういうことで」
「おお、女神エェーックス!! わたくしめには感謝の言葉も無しかァ!?」
奴隷騎士を自称する人物を無視して、サキは集落に向かった。
このマントは良いものだ。全身をすっぽりと覆ってしまう代物であり、これを着用していれば、少なくとも奇怪な恰好をした人間としては見做されないだろう。
フードを被ったサキは、いかにも旅人らしい振る舞いを以て村に立ち入った。
●ステータス
名前:サキ
性別:女性
年齢:16歳
ガーディアンランク:E
アイテム:ヴァリアブルスーツ、セーフティデバイス01D、マント
カード化済みのアイテム:機獣ハイレシア・ドラゴン(遺体)、チンピラ(人間)
マイホーム:機獣オーバード・ネメアTYPE2(アイテム【街灯(中世風)】を設置)




