4.やっとスキル選び
「あ、ごめぇ〜ん!ごめぇん!アバターを反映するとぉ、種族特性のスキルも反映されるって先にぃ言っておくの忘れちゃってたぁ☆」
テヘペロ☆って感じにチェシャが謝る。
うん、そのポーズは君に似合ってて、とても可愛いから許す。可愛いは正義です、はい。
思わずスクリーンショットを取ってしまったのは不可抗力だ。ちなみにスクリーンショットを撮ったら、チェシャにバレてて「勝手に撮っちゃ、いやぁん❤︎」って言われて思わず吹いたのは仕方ない。不意打ちだったし。
そのあと勝手に撮るといろいろあるから、ちゃんと相手には断りを入れてね!と言われてしまった…ごめんね、チェシャ。あ、ちゃんとチェシャからは、これからもスクショ撮っていいかって聞いてます。
そうしたら、いいよぉ〜♪って許可貰ったので、これからは遠慮なくスクショします、はい。
閑話休題。
「我慢できないわけではない…けど、気になってあまり集中できないかなって…」
例えるなら、映画館とかの暗い部屋から明るい場所に出た時の目が慣れるまでの、あの眩しさがずっと続いてる感じかなぁ…。うーん、説明が難しい。
とにかく、今いる場所の太陽の位置が丁度お昼ぐらいの高さで、雲ひとつない晴天だから、明るすぎて目がチカチカする。せめて日傘か帽子が欲しい。
「この後スキル決めとかチュートリアルとかあるんだけどぉ、やりにくいよねぇ…ちょっと待ってねぇ〜…ここをぉーこぉーして…ポチッとなぁ♪」
うぬぬぅと唸ってから、チェシャはなにかを操作する。そして、それが終わると同時に、周囲の景色が変化した。雲ひとつない青空から、茜色の空に。
「あ、夕方になった」
「うん、ちょっと時間の設定を変更してみたよぉ〜。これでどぉう?さっきよりは大丈夫?」
そう言われてから周囲を見渡す。
……問題なさそう、さっきよりはだいぶいい。
「ついでだから説明しちゃうとぉ、フロントの空の様子はゲーム内の時間を反映してるんだぁ、あと、設定すれば天気も反映させられるよぉ。設定したいときは僕に言ってねぇ〜」
「うん、わかった。チェシャありがとう」
「んーん、どーいたしましてぇ、というか、僕が説明し忘れてただけだからねぇ。さて、次はスキル決めようかぁ」
そうチェシャが呟くと、私の目の前に半透明のパネルが現れる。『取得可能スキル一覧』と書かれたパネルだ。
「最初から持ってるSP…スキルポイントは100だよぉ。覚えるために消費するSPの値は内容により変わるからねぇ。ちなみにSPはレベルアップ時に3貰えるのとぉ、特定のクエストやイベントをクリアしても貰えるよぉ〜」
説明中、何気なくスクロールバーに触れ下げていったら………待って、ちょい待て。
一番下まで行くのに2〜3分間ぐらいかかったんですけど?? スキルめちゃくちゃ多くないか??
あまりのスキルの多さに驚いている私を見たチェシャは君もかぁ〜などと呟きつつふふふっ♪笑った。
「みんな驚くんだよねぇ。スキルはねぇ、他のゲームとかでもお馴染みのものからぁ、開発者の遊び心&悪ふざけまでぇ、いろいろ作れそうなのはいっぱい作ったからぁ、この量らしぃーよぉ?少しは自重しなよぉって話だよねぇ〜」
おい、今この子、笑いながら開発者をさり気なくdisったぞ。というか、AIにそう言われるほどって……。面白そうって理由で増やしてったらこんな感じになってた…ってありそうだわ、これ…。
「これだけ多いと選ぶの大変……」
「うん、だからねぇ、やりたい事とか方向性が決まってるなら、それを教えてくれる?そうすれば僕がオススメのスキルを選んであげるよぉ。もちろん自分で選ぶのもありだしぃ、特になければ僕に全てお任せぇーでも大丈夫♪」
1つずつ確認してスキルを選ぶのもいいけど…一応、戦闘スタイルとかやってみたいこととか、なんとなく頭にあるから、チェシャにオススメ選んでもらおうかな……あ、でもその前に一つ確認しなきゃ
「ねぇ、チェシャ。新しいスキルを覚える条件は? それにはプレイヤースキルが関係してたり、あと現実の方で体感したことある経験とかは未経験の人より早く覚えるってことはあったりする?」
「えっとねぇ、詳しい条件は教えられないんだけどぉ、ある行動やら体感やらを一定数こなしたり受けたりするとスキルとして新しく覚えるって感じかなぁ。あとはクエストやイベントをクリアすると覚える場合やアイテムを使用して覚える場合もあるよぉ。新しいスキルとして発生する確率は…うん、ものによるかなぁって感じぃ。まぁ、メタいこと言えば、システム的には確率はどのプレイヤーに対してもみんな同じだから、一番重要なのはリアルラックなんじゃない?」
そして、うーんと腕を組みそう、チェシャは一瞬さらに考えてから
「あと、最後の方の質問だけどぉ……例えば剣道経験者が剣術を覚えるってなるとぉ、未経験者よりはスキルレベルが他より上がりやすいかもしれないかなぁ…ってぐらいなので、発生率に関しては大差ない…としか言えないので、その辺りはゲームやってから色々試してみてぇ〜」
なるほど、そうなると、すぐにでも使いたければ、ここで先に覚えておいた方が楽っぽい。ますます、どうしようか悩むなぁ…。
「ちなみに、スキルを持ってなくても武器を扱ったり、調合したりとかの行動は出来るよぉ。ただそれ相応のスキルを持ってないと、武器なら命中率とか攻撃力が安定しないとか、調合なら作った物の品質とか効果が下がったりするから、スキルはあった方がいいよぉ」
「ねぇ、今この場でSPは全て使わなきゃダメなの?」
「そこはご自由にだよぉ♪ 必要最低限だけでも、ギリギリまでスキルを取るのも好きに選んでねぇ。僕のオススメを選ぶ場合は、どの程度までSPを使っていいのかも一緒に教えてくれると助かるなぁ」
そして私は、やりたいことや戦闘スタイルを伝え、50P使用して、チェシャにオススメを選んでもらった。
それで選んでもらったスキルがこれだ。
《剣術・刀:Lv1》使用SP:5
説明:東の国の特有武器・刀を使用するためのスキル
レベルが上がるごとにその武器使用時にボーナスあり
《弓術:Lv1》使用SP:10
説明:弓やクロスボウ全般を扱う為のスキル
《氷魔法:Lv1》使用SP:10
説明:氷を生成・操るための魔法スキル
魔法Lv1:マジックアイス(氷の塊を生成する)
《調合:Lv1》使用SP:5
説明:回復薬や毒薬などを生成するためのスキル
《警戒:Lv1》使用SP:10
説明:敵の位置を感知し、敵からの不意打ちを軽減する。
《忍び足:Lv1》使用SP:5
説明:静かに歩くことができる。敵に見つかりにくくなる。
《鷹の目:Lv1》使用SP:5
説明:遠くのものがよく見える様になる。レベルが上がるごとにさらに細かく見える。
と、いった具合だ。
初期スキルは一律で使用SPは5で覚えられる。全般的なものを扱うスキルや一段階上の上位スキル・特殊なスキルになると覚えるために10以上掛かるようだ。
《空間魔法》というスキルなんかは使用SP:30で、すごく気になったけど流石に手は出せなかった…。SPに余裕ができたらそのうち取ろうかな…かなり先の話になるけど。
残りの50ポイント分は、ゲームやりつつ、必要に応じて欲しくなったらすぐ取れるように残しておいた。
ちなみに《鑑定》と《採取》を取ろうとしたらチェシャが、チュートリアルを受けるなら取らない方がいいと言ったので選んではいない。
そして、スキルを選んだ段階の私のステータスがこんな感じだ。
名前:ユズリハ Lv.1
種族:人間×幻影種・吸血鬼 種族Lv.1
職業:ノービス 職業Lv.1
HP:100/100
MP:300/300
腕力:10
体力:5
敏捷:20
器用:20
知力:30
精神:20
幸運:17
BP:150
*スキル*
《剣術・刀:Lv1》《弓術:Lv1》《氷魔法:Lv1》
《魅了の瞳:Lv1》《吸血・人間:Lv1》
《日光脆弱性・小:Lv1》《月光回復・小:Lv1》
《暗視:Lv1》《警戒:Lv1》《忍び足:Lv1》《鷹の目:Lv1》
《調合:Lv1》
「さぁて、これで君のキャラメイクは一通り終了になるよぉ〜。これで大丈夫ぅ? ここで決めちゃったら、もう変更出来ないよぉ」
「うん、平気。これで大丈夫」
「りょーかぁーい♪ さぁ、これで《エリシュオン》で生きる君は決まったよぉ。次はチュートリアルになるけどぉ…このまま続ける? 一度休憩してからとかでも大丈夫だよぉ」
そう言われて時計を見る。結構いい時間が過ぎていた。決めること多かったもんな、うん。
一度切り上げることにして、その旨をチェシャに伝える。そして私は一度、休憩するためにログアウトしのだった。
やっとキャラメイク終了〜。
次はチュートリアルになりますぅ。
ゲーム開始まで道は長い…
そして、書き溜めのストック切れたので更新速度落ちます_(:3 」∠)_
7/22修正:スキルの部分に説明追加。体裁も少し修正。
7/25修正:ステータスにレベル追加。