表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/44

38.やっと検証はじめました

今回ちょいと長め。


毎回こうなったら面白いかな?って行き当たりばったりで書いてるのでぐだぐだしてます…( ˘ω˘ )

無理だと思ったら回れ右してくださいね。

そして、評価とブクマありがとうございます!

やる気が上がる(✿´ ꒳ ` )

 

 とても真剣な顔でご飯をこちらに運んでくるスゥリちゃん。

 ああっ、なんだか転びそうな気配……ちょっと心配だ。


 ブラールもそう思ったのか、スクッと立ち上がり、スゥリちゃんのそばに寄ると、転ばないように自分の体でガードしながら一緒にこちらに来た。


 ブラール、もう!ほんと君はっ…!!良い子で賢い子っ!!!

 あとで思いっきり褒めて撫で撫でしてあげよう、そして何かしらご褒美におやつあげたいな……よし、あとでアンリエッタのクッキーあげてみようかな。


 ふと、白妙さんを見てみると彼女も2人を見ていて「ぅっ、可愛いと可愛いが、可愛くてさらに可愛い…」と身悶えていた。

 語彙力が何処か飛んでちゃってますよ、白妙さん……でも気持ちはめちゃくちゃよくわかります、はい。



「んっ、しょっ……はい!おねーちゃん!!どうぞ!!」



 笑顔でご飯が乗ったお盆を渡されたので、お礼を言って受け取りテーブルに置く。

 スゥリちゃんを見れば、やりきった!すごいでしょ!えらいでしょ!褒めて!褒めて!って感じにキラキラと目を輝かせてこちらをじっと見つめている。

 その様子が可愛くて、思わずくすっと笑ってしまった。


「ありがとう、スゥリちゃん」


「えっへへ〜♪」


 スゥリちゃんの頭を褒めながら撫でつつ、運んできてもらったご飯を見る。

 あっ、そうだ《鑑定》しよう。

 いつもすぐ食べちゃうから忘れるんだよねってことで《鑑定》!




『キノコと魚のミルクシチュー』

 品質:C

 説明:始まりの街・モノ周辺で採れたキノコと魚を使って作られたクリームシチュー。作り手により味付けは異なり、この辺りではよく作られる定番料理。食べると空腹が回復する。素朴で優しい味がする。


『丸パン』

 品質:C

 説明:シンプルな丸い形のパン。料理の際よく添えられ、よく食べられる一般的なパン。食べると空腹が回復する。作り手によりパンの食感や味は異なる。素朴で優しい味がする。




 料理自体はとてもシンプルだ。

 美味しそうな匂いのシチューとパン。お腹がぐぅぅっと軽く鳴った気がした。お願いだから、落ち着け私の腹よ。


「ワフッ!ワウッ!!」


 くいっくいっと服の袖を引っ張られる感覚がして、そちらを見ればブラールが、早く食べたい!と自分の足元の食事と私を交互に見つめてくる。

 その様子が可愛くて、ふふっと笑ってからブラールの頭を撫でた。


「美味しそうだもんね、早く食べたいよね。ふふっ、ブラール、食べていいよ」


「ワフッ!!」


 そう言えば、嬉しそうに一声吠えるとご飯を食べ始める。

 尻尾がブンブンとまるではち切れんばかりに振ってるから、きっと気に入ったんだろう。

 顔を上げて、カシスさんと白妙さんさんを見れば「さて、アタシたちも食べましょ」と言われたので頷いた。

 手を合わせて、いただきますっと呟いてからシチューを一口。



「っ!!! 美味しい…!!」



 本当に簡単でシンプルな料理なんだけど、めちゃくちゃ美味しい…!!

 ふんわりと香る優しいミルクの優しい味。

 魚が入ってるから生臭なりそうなのにそんなことはなくて、一緒に入ってるキノコが風味より引き出してほんと美味しい。

 丸パンも一口。外はカリッと中はふんわり。うん、めちゃくちゃ美味しい…!!!

 このミルクシチューとの相性も抜群で、これは、何個でも食べてしまえる……ふふっ、幸せ。

 美味しさに、思わず顔がにやけそうになるってか、確実ににやけてる気がする。


「あらぁあらぁ、ユズちゃんすごく美味しそうに食べるのねぇ」


「ユズリハちゃん、食べるの好きなの?」


「うん、好き。だから、ゲーム内だと思わず食べちゃうんだよね。リアルだとあまり量を食べられないから」


 そう答えれば、白妙さんがわかるー!と同意してくれた。ゲームだと何を食べても太らないし、いっぱい食べられるか楽しいよねって。


「クゥー!ワフッ!ワフッ!!」


 ブラールが鳴くのでそちらを見たら、自分のご飯は食べきったみたいだ。

 そして、期待する目で空のお皿と私を交互に見る。


「ん、おかわり欲しいの?」


「ガゥっ!!」


 肯定する様に元気よく鳴くので、笑ってしまった。

 ユーフィリアさんを見れば、クスクス笑いながら「今お持ち致しますね」とブラールのお皿を持って厨房に消えてゆく。

 その後ろ姿を、じっと期待した目で見つめているブラールにさらに笑ってしまったのは仕方ないと思う。

 最終的にブラールはシチューを3回ほどおかわりしたので、とても気に入ったみたいだった。




 ***********




 ご飯を食べ終わり、食後にお茶を頂いて、一息つく。

 私のご飯はカシスさんが奢ってくれたけど、流石にブラールの分は申し訳なかったので自分で出した。

 ちなみに代金は一食500Gでした。安いのに美味しいとかって最高だなって思いました、はい。


「そういえば、スゥリちゃん以外の子どもってどうしたんですか?」


 ふと、疑問に思ってたことをユーフィリアさんに聞く。

 ここは、孤児院のはずだ。それなのにスゥリちゃん以外の子どもを見かけないから不思議に思っていた。


「あぁ、それですか。この時間、ほかの子たちは近くの林に食材集めや近くの牧場や畑などにお手伝いに行っているのですよ」


「スゥリね、お日さま、まぶしくて、ダメだから、お家でお留守番なの……」


 なるほど、お手伝いか。

 じゃあこのシチューの具材とかはそのお手伝いした報酬って感じなのかな?

 ユーフィリアさんの後にスゥリちゃんがしょぼんとした感じで呟く。

 少しだけならお外出られるけど、眩しくて身動きできなくなるからお手伝い出来ないって少し寂しそうだ。

 まぁ、スゥリちゃんは私と同じだもんね……太陽眩しいもんな……わかるよ……。

 ほかの子と同じことができないって、子どもにしては辛いことだ思うんだよね…。


「なので、ユズリハ様。よろしければまた都合の良い時にでも来ていただけませんでしょうか? スゥリも喜びますので、是非」


「はい、是非! ねぇ、スゥリちゃん、また遊びに来てもいい?」


「……うん!!まってる!!」


 しょんぼりしちゃったスゥリちゃんに確認する様にそう聞けば、とても嬉しそうにぱぁぁっと明るい笑顔に変わりギュッと抱きついてきた。

 よし、ユーフィリアさんの許可も貰っし、今度からちょくちょく遊びにこよっと!


 そして、私たちは孤児院を後にしたのだった。





 ***********





「さぁて、と……予定外のことが多くて、ちょぉっと時間時間かかっちゃったけどぉ、そろそろ草原に行きましょうしらね?」



 にっこにこ笑顔でカシスさんがそう言い、私たちはやっと当初の目的である『始まりの草原』に到着したのでした。

 うん、なんか、その、すみませんって思ったのは仕方ないことですよね、うん。


 ただいまの時刻は16:00ぐらい。

 日差しは大分落ちてきてるから、私としては活動しやすい。

 草原の入り口周辺はやはり、初心者っぽいプレイヤーが多くいるので、ここだと検証は落ち着いてできなさそうって事で私が午前中に狩りをしていた場所まで行くことになった。




 さて、ハーブラビットはどこかなぁーあーいたいた。

 相変わらず呑気に、はむはむと薬草を食べてる。



「じゃあ、ユズリハちゃんの戦い方見せてもらってもいいかしら?」


「うん、いいよ」



 そう答えてから、ゆっくりとハーブラビットに近づく。

 呑気に薬草をはむはむしてるハーブラビットに狙いを定めて、抜刀!素早く斬りつける!


「キゥッ……!!」


 《居合・攻》が発動。ハーブラビットは小さな声を上げて、光の粒子となり消えていく。

 うん、やっぱり当たればクリティカル扱いになるこのスキルは強いな…と思いつつ、さてさて、お目当のものは……



【『ハーブラビットの上質肉』を手に入れました】



 おっ、やったね。1発でお目当てGET。

 振り向いて、お目当てが出たことを伝えた。


「上質肉でたよー」


「うそっ、早っ!!」


 驚いた顔の白妙さんと、面白そうに笑ってるカシスさん。

 参考になった?って聞いたら、分からんって言われてしまった。

 とりあえず、どう戦ったのか聞かれたので《居合・攻》のスキルを使って倒したことを伝える。



「《居合・攻》? 聞いたことないスキルねぇ〜」



 二人もいろいろ調べてるけれども聞いたことがなく、スキル掲示板でも報告されていないそうだ。

 まぁ、それなりに使い勝手がいいスキルだからなぁ、これ……手の内晒したくない人は報告しないだろうなきっと。

 それに刀系使ってる人なら憶えてそうな気がするんだけど…うーん。



「刀使ってれば覚えそうスキルなんだけどね、これ。βテスターで刀使ってる人いなかったの?」


「うーん、そうねぇ……数名いたかしら? あぁ、そうねぇ一人はソロの人だったからあまりそういった報告とかなんやらしない人だったのかもしれないわぁ、報告も義務じゃないからねぇ」



 とりあえず二人には《居合・攻》の詳細をスクショして渡しておいた。

 報酬については、保留にしてもらいました、はい。もう本当いろいろしてもらってるから、これ以上(特にお金)は要らない……。

 そういえば《居合・護》もあるけど、これは……今はやめとこ、うん。いろいろ二人から言われそうな気がするし、当初の目的から大いに脱線しそうだ。



「とりあえず、一撃で倒したら出るんじゃないかな、上質肉」


「あぁ、その可能性はありそうね」



 今度はカシスさんが試してみるそうだ。

 話してる間に再びしたポップしたハーブラビットに軽くスキップしながら向かってく。

 足音に反応したのか、はむはむしてる薬草から顔を上げ、カシスさんを見つめるハーブラビット。

 片やにっこにこ微笑みながらハーブラビットを見つめるカシスさん。

 そして、その長い足を高らかに上げてーーーーー



 ーーーーガンッ!!!!!!!



 ハーブラビットの頭に踵落としをお見舞いする。

 鳴く暇もなく、ハーブラビットは光の粒子となり消えていった……ってか、どうみても、オーバーキルですね、あれ。

 まぁ、二人のレベルを考えたら、普通にそうなんですけど、でも、その…ひぇぇっ……。


「うーん、上質肉は出なかったわねぇ……」


 ログを確認しながらカシスさんがそう言う。

 一撃で倒してるけど出なかった……私との違いはなんだろ、うーん。

 スキルの有無ではないと思うんだよね……あ、もしかして。


「クリティカルで倒すか、の違い…?」


 ぼそっと呟けば、二人が勢いよくこちらを見てきたので説明する。

 《居合・攻》は発動すれば攻撃が全部クリティカル扱いになるから、それではないか?と。



「確かにその可能性はありそうねぇ……じゃぁ、次は、それぞれクリティカル有無で試してみましょ〜♪」


 あれ、カシスさんもクリティカル扱いになる攻撃スキル持ってるのかな?

 疑問に思って聞いてみたら、《奇襲》というスキルを覚えていてるから大丈夫よん♪って教えてもらった。



 《奇襲》

 説明:相手に気がつかれず攻撃することが出来れば、その一撃はクリティカル又は即死攻撃となる。自動発動。攻撃を外すとしばらく使用不可。相手に認識又は警戒されている間は使用不可となる。クールタイム:3min



 スキル内容はこんな感じだ。

 このスキルは《忍び足》と《不意打ち》のスキルをMAXまで上げると覚えることができる上位スキルだと教えてもらった。

 へぇ、これはこれで使えそう……《居合・攻》あるけどあとで《不意打ち》覚えようかなぁ。


 白妙さんは特にそう言ったスキルは持ってないそうなので、氷以外の魔法で倒して試してみるとのこと。

 とりあえず30分ほど各自で狩りをしてから、再度集まって検証しようということになった。



「じゃぁ、みんな、頑張りましょー♪」


「「おー!」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ