37.そういえば、知らなかったと思って
あけてました、おめでとうございました(遅い)
まさかの年明けから今まで仕事激務になってしまい…他にもいろいろあって…かなり間が空いてしまいました、すみません…
まぁ、また、ゆるゆるのんびりと投稿していくので、ゆるゆるお付き合いただけたら幸いです(✿´ ꒳ ` )
そして今回のは書いてなかったなって思い出したので、ちょっと説明回の様なものになってますす
「ところで、皆様。本日はどのようなご用件でしょうか?」
思い出したように、頬に手を当てながらユーフィリアさんがそう呟く。
あ…!!そうだよ!!当初の目的を忘れてた!!
そうそう、ご飯食べに来たんだよ私達。
ハッとして白妙さんとカシスさんを見れば、二人も忘れてたって顔をしてた。
「あらぁ、ごめんなさい! アタシたち、ランチを頂こうと思って、看板は出てたからまだやってると思ったんだけどぉ…大丈夫かしら?」
「えぇ、大丈夫ですよ。すぐにお持ち致しますね。さぁ、スゥリ、私のお手伝いをしてくれますか?」
「うん、シスター!スゥリもお手伝いするー!」
そうカシスさんが聞けば、ユーフィリアさんが微笑みながら頷き、スゥリちゃんと一緒に厨房に向かう。
その姿が可愛らしくて、思わずくすりと笑ってしまった。
とりあえず今までの情報を整理させて欲しいとカシスさんに言われたので、私たちは近くの椅子に座って料理が来るまで情報整理をすることにした。
うん、その、なんかごめんなさいと思ってしまったのは、うん、しかたないよね、ごめんなさい。
「えっと、問題なければ教えて欲しいのだけど、ユズちゃんの種族は『幻影種・吸血鬼』と『人間』ハーフで間違えないって事で良いのかしら?」
「うん、そうだよ」
即答でそう答えれば、二人は軽く頭を抱えつつ「…これはソーンが心配するのもわかるわぁ」「一度自分の内側に入れると無条件に信頼するタイプよ…これ…しかも無自覚……」とかボヤいてる。
え、なんか、ひどくない??んん??
「あっ、そうそう、話を聞く前に渡しておくわね」
そう言って白妙さんから、ポンとトレード申請が届く。
なんだろうと、その画面を見れば、ひぇっ…金額……見なかったことにしたいというか、今まで良くしてもらってるし、もうこれ以上は受け取れない。なので拒否のボタンをポチッとな。
「ユズリハちゃん?? なんで拒否るの ?」
「いや、流石にこれ以上お金は貰えないよ。私としては別に喋っても問題ないことだから報酬とかいらないし……どうしてもってことなら、いろいろ教えて欲しいかなって。そっちの方が私は嬉しいよ」
それに自分でもいろいろやって稼ぎたいし、最初からこんなに持ってたらいろいろダメになりそう、そう伝えれば二人とも納得したようだった。
「うぅーん、ユズちゃんがそう言うなら……それで、何が知りたいのかしらん?」
「えっと……現段階のレベル上限とか、職業は何段階まで解禁されてるのとか、初期職につく条件とか…βテストの時との違いとか聞かせてもらえたら嬉しいなぁ」
「ユズちぁゃん、レベル上限とかぁそれ、初歩なことじゃない……なんでそれを知らないのかしらん?」
とても不思議そうに驚いた顔でカシスさんにそう聞かれたので、このゲームをやるきっかけを話した。
名前は知ってたけど、今で情報を何も収集してなかったかつ、ゲーム開始3日前に突然ソーンに土下座される勢いで招待コード渡されて誘われてやったので、何も知らないですよ、実は。
「それは…また…なんというか……公式サイトは見なかったのぉ?」
「うん、前作やってたから、まぁある程度は一緒だろうし大丈夫だろうって思って。いっさい見てないや、そういえばチェシャにも聞かなかったなぁ」
「ユズちゃんは、あれね、ゲームの説明書は困った時に読むタイプね」
あ、白妙さんあったりー。ゲームやる前に説明書は読まないタイプです、私。
だってゲーム内で操作説明あるじゃん? 二度手間じゃん? だから困ったら読めば良いかなって思って毎回読んでない。
閑話休題
この短時間でユズちゃんがどんな子なのか大分理解したわ、と妙に納得してるカシスさんが説明してくれた。
今、このゲームでのレベル上限は45まで、ちなみにβテストの時は30までだったそうだ。
βテスターはみんな上限まで上げてる人が多かったから、引き継ぎをしてる最前線の人ならば今は40あたりじゃないかしら、とは白妙さん。
それを聞いて、ソーンのことを思い出した。
なるほど、じゃあソーンは私を招待した影響でレベル半減してる状態って言ってたからスタート時はLv.15かってことかぁ。
まぁソーンのことだから半減した分は、もうすでに取り戻してそうな気がするけどね。
それでも前線組よりレベルが低くても、前線に呼ばれるってことは、相変わらず馬鹿みたいにプレイヤースキルが高いんだな…あいつ……流石ゲーマー。
レベル的にこの始まりの街モノ周辺でLv.2〜10、第二の街ジトリ周辺がLv.10〜20、それ以上は第3の街テトラって感じだそうだ。
ちなみに開放されてるのは第3の街テトラまでで、その先は王都だろうと言われているが、一切開放条件がわからないらしい。
次は、職業について。
順番的には、ノービス→初級職→中級職→上級職→最上級職があるが今転職できるのは中級職まで。
もしかしたら上級職も開放された可能性があるが、まだ条件など見つかっていないので調査中とのこと。
ノービスはLv.5でレベルがMAXで習得となり、さらにプレイヤーレベルがLv.10以上あれば、第二の街ジトリの教会で初級職業に転職することができるそうだ。
また、一定の条件を満たせば初期からでも特殊職にもつけることができ、今確認されてる職業としては『司祭』や『貴族』などがあるらしい。
なるほどなぁ、その様子だと種族由来の特殊職もありそうな気がする……いろいろ探してみようかな、うん。
初級職はステータスにより選べるものが変わるそうで、出てきたその中から選ぶらしい。一択しか出ないものもいれば数十個と出る人もいたり様々だそうだ。
ちなみ、王道な職業から絶対これは運営の悪ふざけだろう職業までいろいろありすぎてらしい。
また転職し直すことも可能だが、2回目以降は多額の金額が必要なのと、現在選んでいる職業のレベルは初期化されるそうなので、よく考えてから転職はしたほうがいいそうだ。
「……って感じね、今だと中級職についてるのはβテスターぐらいじゃないかしらん? ノービスから初級、中級までは条件さえ揃ってればすぐ転職できるわよぉ」
「職業レベルを上げる条件って、やっぱりギルドの依頼回数?」
「えぇ、ノービスはそれが条件よぉ〜。あと、一定のレベルになれば最低でも一つは上がるわぁ。初級職以上からは、スキルとか名声なんかも関係してくるわよぉ」
なるほど、とりあえず今はどんどんギルドの依頼は受けてなくちゃかな。そして、そろそろ一つぐらいは上がって欲しい。
でも、ノービスの恩恵(スキルを覚えやすい、上がりやすい)もものすごく魅力的なので、もしMAXになっても、しばらくは転職はしなくてもいいかもしれない。
「へぇ、そうなんだ。あ!あとスキルレベルの上限ってどんな感じなんです?」
「スキルレベルは基本Lv.30がMAXで、上限になるとほとんどのものが自動的に上位スキルに変化したり、持ってるスキルと統合されてまた違う上位スキルになったりするわ。また上位スキルになるにつれレベルは上がりにくくなるわねぇ」
「なるほど、なるほど。じゃあどんどん基本スキルは上げておいた方が良さそうだね、ありがとうカシスさん」
「……本当にユズリハちゃん、なにも事前情報を収集してないのね」
白妙さんの言葉には、えへへっと笑って誤魔化して置いた。
「ユズちゃん、他に聞きたいことはあるかしらん?」
「うーん、今のところ思いつかないかなぁ」
「報酬としてはまだぜんぜん足りないから、何かしら聞きたいこと思い出したら言って頂戴ねぇ〜」
「うん、わかった。ありがとう」
***********
「さて、ユズちゃん、どうしてスゥちゃんが同族って気が付いたのか聞いても大丈夫かしらん?」
「あぁ、えっとそれはね……」
そうカシスさんに聞かれたので、自分のステータス画面を開いて2人に見えるようしてから、ポイっとな。
一瞬、2人がギョッとした顔をしたけど、すぐに何かしら諦めた顔をしてその画面を覗き込む。
「……一応言っても無理だと思うし、再三言われてそうだけど、ほんと、そう簡単に見せちゃダメよ? ユズリハちゃん? 特に私たちは“情報”を扱ってるのよ?」
「うーん、でも白妙さんとカシスさんは大丈夫だった思ったからいいよ。それに悪いこと考えてるならそうやって私に注意しないでしょ? だから大丈夫大丈夫」
にっこり笑ってそういえば、2人が頭を抱えて「これは…ソーンとジンが心配するのよくわかるわぁ…」「ほんと、それ、わかる」と言いっていたけど、ブラールを撫でてた私は呟かれてた内容までは気が付かなかった。
「んで、えっとスキルのところの『魅了の瞳』ってあるでしょ? それ持ってると瞳の色が固定になるんだって。スゥリちゃんの瞳見てたら私と一緒っぽいって思って聞いてみたらビンゴだった」
「へぇ……瞳の色固定かぁ。そうなるとこのスキルだと、真紅の瞳が固定って感じかしら?」
「えっとキャラメイクの時に、吸血鬼も出ててそっちは『魅惑の瞳』ってなってたけど、それも真紅の瞳固定だったから、魅了系はその色なのかも」
「なるほど、それだと他の『〜の瞳』系スキルも瞳の色固定になりそうね。まぁ、私たちプレイヤーだと見た目は好きに弄れるから、それで判断するのは難しいけど……幻影種のNPCとか敵には有効かもしれないわ」
私が2人のたりの目の前に投げたステータス画面を白妙さんが消しながらそう呟く。
あ、確かに!それを覚えておけば、出てきた敵の瞳の色で使ってくるかも?って事前にある程度身構える事ができるから、いろいろと対応できそうだ。
そうなると他のスキルの瞳の色、気になるなぁ……まぁ、その辺りは2人も気になってるから調べてるっていっていた、そして何かしら分かったら教えてくれるって、ありがたやありがたや。
私も調べてみようかな… ちょっと気になるし……図書館行って、神話とか昔の物語系調べたら出てきそうな気がするし、よし、これがひと段落ついたら、先に図書館に行こうっと。
「おねぇーちゃーん! ごはーん!できたよーー!!」
元気なスゥリちゃんの声がしてそちらを見れば、両手で料理を持ち、とても良い笑顔のスゥリちゃんがこちらに向かってくるところだった。
(相変わらずら、ご飯まだ食べてない)
(兎狩りにはいつ行くんだこの3人)
(次あたりには、食べて行かせられたら、いい、な…)




