29.またか、まじか…
今回は他に比べて短めです
はい、『始まりの草原』に戻ってきました!
それにしても時間的に、日が高くなった影響でめちゃくちゃ眩しい…!!!
朝よりキツイぃ……被っているフードを目深に被っても、だめだ、あんまり変わらない…うぅ、これは集中できないわ。無理。
戦闘は満足にできなさそうだから…兎とスライム狩りは日が落ち始めてからにしよう。
まだまだ《日光脆弱性》のスキルレベルが低いから、しょうがないけど、やっぱりこれを上げるのを最優先かな。
とりあえず10ぐらいまで上げればマシになるかなぁと思いつつ、朝のあの感じだと5までならすぐに上がりそうかなとも思った。
さてさて、この状態での戦闘は難しいから、採取をガンガンやっていこう。えーっと、採取系のクエストは何を受けていたっけ?って事で確認。
『毒消し草の納品』
説明:毒消し草を10個集め、納品する
報酬:800G
ランク:F
『ルピナスの花の納品』
説明:ルピナスの花を10個集め、納品する
報酬:500G(花の状態により増減あり)
ランク:F
軽く辺りを見渡せば、ちらほらとお目当のものを見つけられたので、さっそく採取していく。
クエストに必要な数は各10個だけど、《調合》の練習用に多めに集める。あ、薬草もあるからそれもついでに集めておこうっと。
【《日光脆弱性・小:Lv2》→《日光脆弱性・小:Lv3》になりました】
【『毒消し草』×20をに入れました】
【『ルピナスの花』×20をに入れました】
【クエスト『毒消し草の納品』『ルピナスの花の納品』の達成条件をクリアしました】
おっ、《日光脆弱性》のスキルが上がったから少しだけ眩しさがマシになった気がする……よし、この調子でどんどん上げてこうっと。
さて、採取したアイテムは一度《鑑定》した方があるけど、その時よりレベルが上がってるのでもう一度見ておこうかな。
『薬草』
品質:C
説明:一般的なポーションの元となる、まっすぐな草。どこにでも生えてる。そのまま食べても微弱に回復するが激苦なのでオススメしない。料理・調合・錬金術の素材となる。料理で使用する際は、ちゃんとした処理をしないと悲惨なことになるので注意。売却価格:50G
『毒消し草』
品質:C
説明:解毒効果があるギザギザした草。どこにでも生えている。そのまま食べても解毒効果があるが渋いので、オススメしない。料理・調合・錬金術の素材となる。料理で使用する際は、ちゃんとした処理をしないと悲惨なことになるので注意。売却価格:80G
『ルピナスの花』
品質:C
説明:《エリシュオン》全域に一年中咲いているピンク色の小さな花。その香りは精神を落ち着かせる効果がある。料理・調合に使用する際は花の加工が必要。売却価格:50G
薬草はそういえば前に《鑑定》してなかったことを思い出したので、ついでに。
薬草も毒消し草も最後の方の文…えぇ…これ薬膳料理〜♪とか言って下手に使うと地獄の料理が出来上がるやつじゃないですか…うわぁ…。
でも、その下処理方法をちょっと知りたいかも。いろいろ処理済みのは使い道ありそうだよね。
それに、その処理をした薬草でポーションを作ったら味がましになるのでは…??って思った。
あ、でも、それについては誰かすでに気がついてるかな……説明文にも書いてあるし、同じこと思いつく人はいるはず。
うーん、これはあとで掲示板覗いてみるか、アンリエッタあたりに聞いてみようっと。
さてと、とりあえず納品のクエストは報告出来るから、一回街にでも戻ろうかしら。
それに今だと、昼間の間はなかなか集中出来ないし、そろそろ《調合》も試してみたいし…うん、そうしよう。
――― リィンリィン♪
【フレンド:ソーンテイルよりcallが届きました。callに出ますか? はい/いいえ】
そう思ったタイミングでソーンからcallが。
きっとメールで送った内容のことだろうなと思いつつ、片手を耳に当てcallに出る。
「もしもし? どーしたの?」
『さっきもらったメールの件、詳しく聞きたくて、今大丈夫?』
「うん、今から街に戻ろうって思ってたところだから」
『あ、そうなのか。それならジンの店に来れるか? そこでいろいろ聞きたいって思っててさ、あとジンもお前に用事があるらしいぞ』
「いいよ。だだちょっとギルドにクエストの報告したいから1時間後ぐらいでもいいならって感じ」
『あぁ、お前の用事が終わってからでいいよ。あ、ジンが店は閉まってるけどフレンドは入ってこれる設定になってるから気にせず入ってきてくれってさ』
「りょーかい。用事終わって向かう時にこっちから連絡するね」
『急に悪いな、よろしく』
ということなので、さっさと戻りましょうかね。
そんなに門から離れた場所で採取をしてたわけじゃないから街にはすぐに戻れた。
その足でそのまま、冒険者ギルドに入ってクエスト報告。報酬の1300Gを受け取ったら、向かいの商業ギルドへ。
ソーンたちのところに行く前に、私が聞いた件をもう少し詳しく聞いてみようと思った。情報は多い方が良い方がいろいろ判断しやすいからね。
というわけで、こちらは商業ギルド。
「収穫祭の事ですか?」
「はい、朝に買取をお願いした時にトムルさんから収穫祭の準備でハーブラビットの肉が大量に必要って聞いたので」
誰に聞けばいいかわからなかったので、どう見ても上役だけど、入り口で何故か案内係をしてるジーヴスさんに聞いてみた。
私がそう聞くと、ふむ…と一瞬考え込んでから、近くにいた他のギルド職員(メガネで黒髪の若い青年で、この人も執事‼︎って感じ)に声を掛ける。
「少々、この場を離れます。その間はお任せしますよ」
「かしこまりました、お任せください」
それ聞いてから、ジーヴスさんがユズリハ様はこちらへ、と窓際にある商談スペースらしき場所に案内される。ジーヴスさんに勧められるまま、席に座れはスッとお茶が出された。驚いてその方を見れば、メイドさん…あ、この人は私がギルドの受付をした時に対応してくれたサーシャさんじゃないですか。
お茶のお礼を言えば、ニッコリと微笑まれてからサーシャさんは持ち場(最初に会ったあの場所)に戻っていく。
「さて、まずはこちらですね」
そう私の向かいに座ったジーヴスさんが言った瞬間あの音が聞こえた
――― ポンッ♪
【特殊チェーンクエストが発生しました。『収穫祭準備 その1』を受けますか? はい/いいえ】
特殊チェーンクエスト『収穫祭準備 その1』
説明:始まりの街・モノの商業ギルドに「ハーブラビットの肉」「ハーブラビットの上質肉」を納品or売却する。
達成条件:上記の商品を各5000個ずつ納品or売却する(納品or売却数は個人のではなく、クエストを受けた人すべての納品&売却数合計が5000個以上で達成。納品&売却数によりこの後の特殊チェーンクエストの内容が変化)
期限:1ヶ月
報酬:20%買取up券×3 又は 2時間フリースペース&素材使用無料券×2
……………はっ????
……………えっ????
まって、ちょっとまって、ねぇ、まって、ええぇーーーー??!!
なんかデジャヴなんですけど、え、ほんと待って、まってえ、え、えー!!!!
特殊って、え、2つ目ですけど、??? ってか、チェーンクエストって……ほんとあの、まってください、突然すぎて頭が追いつかない。
驚きすぎて呆然とした顔でジーヴスさんを見つめたら、ジーヴスさんはニッコリと微笑んで、
「あぁ、そういえばちゃんとした自己紹介はまだでしたね。私、ジーヴスと申します。そして、この始まりの街・モノの商業ギルドマスターでございます。以後お見知り置きを」
お前もかよっ!!!と心の中で盛大につっこんでしまったのは不可抗力だと思う。




