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3.種族って悩むよね

今回はちょっと長めかも。

キャラメイクはまだ続くぅ

 

 《ランダム》2回目。


 結果は《獣人族・鷲》《ダークエルフ》《幻影種・夢魔》。


 うーん、しっくりくる種族が来ない。これで最後だけど3回目の引き直ししよう。


「これでラストぉ〜だよ!えっと、出てきたのはぁ………おぉ、すごぉーい♪《幻影種・吸血鬼》《幻影種・鬼人》《人間×幻影種・吸血鬼》だよぉ!レアが3つ!」


「なんか、ごっそり運を持ってかれた気がする……《人間×幻影種・吸血鬼》ってハーフのこと?」


 3つ目の見慣れない表記について、チェシャに聞くと、コクンと頷いた。


「そーだよぉ、さっき幻影種は種族特性が強いって言ったでしょ?ハーフになるとそれぞれの良いところを引き継ぎつつ、種族特性が緩和されるから結構オススメだよぉ。あと初期ステータスも人間よりは高めだしねぇ」


 例を聞くと、先ほどの《幻影種・人魚》で説明してくれた。


 《幻影種・人魚》は海に住む種族なので、水中では自在に動けるし呼吸もできるが、基本、足が尾鰭になっているので、水中以外では自力で歩くことはできない。また定期的に水を被らないとダメージを食らうようになる。

 なので、地上で生活するには、移動用の水槽(考えるとすごくシュール…)を用意するか、スキル《部分変化》を覚えて、尾鰭から人の足に変化させなければ無理だと言う。

 そのメリット・デメリットは種族特性《水中適応》《陸地不適応》というのが自動で付くためつくだそうだ。


 そして、種族が《人間×幻影種・人魚》だった場合、ハーフは×の左側の種族が見た目のベースになるので、足は人型になる。人魚要素は?となるといろいろパターンはあるが部分的に鱗が生えたりするらしい。

 デメリットである種族特性《陸地不適応》がハーフの場合《陸地弱性・小》に変わるため、多少は影響を受けるが、地上の移動や生活は問題ないそうだ。メリットである《水中適応》も変化し《水中行動》と変わり、一定間隔で呼吸をしなければならないが、水中で動きを阻害されることはなく活動可能となるそうだ。


「これだけ聞くと良い事づくしのように思えるけどぉ、一点注意なのが種族特性のスキルはハーフだとレベルが一定までしか上がらなかったり、デメリットなスキルだとそれ以上緩和出来なかったりするんだぁ」


「つまりハーフだから、種族的なデメリットは緩和されるけどその分、種族的なメリットは純血な人魚より劣るから、何かしらで突き抜けたかったら純血の方がいいって感じ?」


「その解釈で大丈夫だよぉ。普通の種族あきちゃった〜けど縛りプレイは無理ぃ〜な人にオススメって感じぃの種族がハーフだねぇ。ちなみにこれもランダムでしかでないやつだよぉ〜」


 チェシャからの説明を聞いて悩む。うーん…この中で気になるのは吸血鬼なんだよねぇ…。


「それぞれのステータスとかって見れる??」


「うん、見れるよぉ〜ちょっと待ってねぇ……んしょ、はい、どーぞぉー」



《幻影種・鬼人》

説明:額に角を持つ。東の国に住まう鬼の一族。全体的に身長は高めで攻撃的、戦闘が得意な種族。


 HP:300/300

 MP:50/50 

 腕力:30

 体力:30

 敏捷:10

 器用:10

 知力:10

 精神:5

 幸運:5


 BP:100


*種族特性*

《狂戦士》

説明:戦闘時に自動で発動し、腕力・体力・俊敏の値が2倍に。好戦的になる。ただし、戦闘終了後、しばらく動けなくなる。戦闘時間に応じてクールタイムが必要(戦闘時間÷精神値)。スキル《狂戦士》《身体強化》自動取得。


《武人の魂》

説明:生まれながらして戦いの才能がある者。ありとあらゆる武器を巧みに使いこなすことができる。武器スキルに+3。スキル《武人の魂》自動取得。


《馬鹿力》

説明:一定の高確率で、力の加減が上手くできなくなる。違う種族の街だと器物破損やら己の腕力で迷惑をかけるかもしれない。一部から恐れられる。スキル《馬鹿力》自動取得。



 あっ、うん、これは無しだ。ガンガンいこうぜ!な戦闘系だ。生産関係もやりたいなって思ってたから《馬鹿力》なんてものが発動しちゃった時には悲惨な事になる…ので、これは無しと。

 速攻で選択肢から外して、次は《幻影種・吸血鬼》を見る。



《幻影種・吸血鬼》

説明:闇夜に生きる常闇の眷属。他者の血を糧とし生きる。見目麗しい者が多い。


 HP:100/100

 MP:300/300 

 腕力:10

 体力:5

 敏捷:15 

 器用:15

 知力:30

 精神:10

 幸運:5


 BP:100


*種族特性*

《闇夜の住人》

説明:闇夜に生きる者。日没中は全能力・回復率が、2倍。スキル《暗視》《影操作》《変幻・狼》or《変幻・霧》自動取得。太陽の陽射しの下では生きることは厳しい。日中は弱体化。陽射しによる定期ダメージ有り。《聖属性脆弱性・強》《日光脆弱性・強》自動取得。


《吸血》

説明:糧は他者の血、空腹はそれでしか癒せない。血液以外の食べ物による空腹値の回復不可。吸血の際、痛みはなく対象者は快楽を覚えるらしい。スキル《吸血・全般》自動取得。


《魅惑の瞳》

説明:その瞳を見た者を意のままに操れる真紅の魔眼。異性に効果大。ただし相手の精神値が高いと効きにくい。吸血の際に使用するとことが多い。スキル《魅惑の瞳》自動取得。



 すごく、強い、魔法特化って感じ。日没後の種族特性によるバフがすごいけど、日中は行動がかなり制限されるのがなぁ…夜型の人はいいかもしれないけど。うぬぬぬ。

 心惹かれつつも、最後のものも確認する。



《人間×幻影種・吸血鬼》

説明:人間と吸血鬼の混血。比較的見目麗しい者が多い。身体的特徴は人間寄り。定期的に血を摂取する必要がある。


 HP:100/100

 MP:200/200

 腕力:10

 体力:5

 敏捷:15 

 器用:15

 知力:20

 精神:20

 幸運:15


 BP:100


*種族特性*

《日光脆弱性・小》

説明:日中は日差しが眩しく疲れやすくなる。逆に日没後は視界が広がり、月の光で傷が癒える。スキル《日光脆弱性・小》《暗視》《月光回復・小》自動取得。


《吸血・人間》

説明:時々襲う喉の渇きは人間の血でしか癒せない。拒絶された相手又は同性への吸血不可。過剰に摂取した血はHPやMPの回復に利用できる。スキル《吸血・人間》自動取得。


《魅了の瞳》

説明:その瞳を見た者を魅了する真紅の魔眼。異性に効果大。成功率は知力と精神値に依存する。吸血の際に使用することが多い。スキル《魅了の瞳》自動取得。




 なるほど、たしかにデメリットが緩和されてる。定期的に《吸血》しなきゃダメだけど、まぁ、なんとかなるでしょ。色々と面白そうな気がするし、これにしよう。


「チェシャ、《人間×幻影種・吸血鬼》にする」


「あ、そうそう《魅了の瞳》持ってると必ず片方は、瞳の色固定になるけどぉ平気ぃ? この場合だと真紅になるよぉ」


「うん、問題ないよ。それでお願い」


「りぉ〜かぁい♪じゃあ、種族を反映させてぇ〜さっきのユズリハのステータスをさらに反映させるとぉ〜……今の段階でぇこんな感じぃ♪」



 名前:ユズリハ Lv.1

 種族:人間×幻影種・吸血鬼 種族Lv.1

 職業:ノービス 職業Lv.1


 HP:100/100

 MP:300/300

 腕力:10

 体力:5

 敏捷:20

 器用:20

 知力:30

 精神:20

 幸運:17


 BP:150


*スキル*

《日光脆弱性・小:Lv1》《暗視:Lv1》《月光回復・小:Lv1》《吸血・人間:Lv1》《魅了の瞳:Lv1》

 

 データ読込み特典と合わさって、これはなかなか、初期ステータスとしてはいいんじゃないだろうか。


「あ、そうそうBPは今振っちゃう?ゲーム始めてからでも大丈夫だよぉ。これで問題なければ確定しちゃうよぉ〜?」


「始めてみて様子見てから振り分けたいからBPは後にする。それ以外は大丈夫。お願い」


「りょうかぁーい♪ さぁて、種族が決まったから次はぁ、見た目を決めよぉ〜。種族特性を反映させたキミのアバターを表示させるねぇ」


 ポンっとチェシャが手(前足?)を叩くと、私の目の前に大きな鏡が現れた。なんかシンデレラに出てくる魔法の鏡っぽいデザインだ。

 そこに映し出された自分は、髪の色はリアルの私だが瞳の色は真紅で、少し耳が尖ってる気がする。あと若干、こう綺麗系な感じに調整されてる気がする……なるほど、テキストにあった“比較的見目麗しい”ってこういうことが……。

 まじまじと自分の姿を見ていたらチェシャがふふふっと笑った。


「えっと制作時の注意点としてはぁ、アバターだけど、せめて髪の色ぐらいはいじることをオススメするよぉ。瞳はさっき言った通り固定だから、変更できて片目だけだよぉ。他にも身長とか体型もある程度ならいじれるけど、どぉする?」


「うーん……それなら……」


 少しで悩んでから私は、髪色を青みがかった灰色にして、長さは肩にかかるぐらいのセミロング。瞳は両方とも固定の真紅。

 体格は……150㎝ぐらいだから少し背を高するのも楽しそうと思いつつ、慣れずに上手く動かせないかも知れないので特にいじらなかった。

 ちなみに胸は極一般な普通のサイズです。はい。ちょっとした出来心で、試しに大きくして見たけど重たくてやめた……。私に、これはハードルが高い、ある意味凶器になるわ、この大きさは…扱える気がしない。無理無理。本当に世の中の大きい人は大変だなぁ…と。普通でよかった、うん。


 はっ…!いけない。思考が逸れてしまった。

 とりあえず、見た目はこれでいいか。チェシャに声をかける。


「チェシャ、こんな感じでお願い。問題ない?」


「えっとぉ…どぉれどれぇ? ……うん、うん、これなら大丈夫だよぉ〜。じゃあこの見た目を反映させるねぇ」


 チェシャは私を見て満足そうに頷くと、手を二回ポンポンっと叩いた。

 ふわりと体が光に包まれ、瞬く間に私の姿が変わる。


「はぁーい、反映しゅーりょー♪ ねぇ、ユズリハ、新しい自分はどんな感じぃかなぁ〜? 動かして見て体の調子は平気そう?」


 ニンマリと笑ってチェシャが私に問う。

 鏡で自分の姿を確認。うん、さっき作ったアバターと一緒だ。


「うん、大丈夫だよ。あ、1つだけ…」


「ん?どぉーしたのぉ?」


 チェシャが小首を傾げる。

 体の動き方とか違和感はない…んだけど……



「陽射しが眩しくて、めっちゃ目がチカチカする」



 新しい姿になったら、世界がいつも以上に輝いて見えました……スキル《日光脆弱性・小》のせいで。


7/25修正:ステータスにレベル追加。

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