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28.朝ごはん!

お久しぶりです。生きてます。


ちょいと、仕事が忙しくて、忙しくて…社畜手前な感じで忙しくて…

そして、某イラスト投稿サイトのファンタジー企画を全力で駆け抜けていたら、時間がめっちゃ時が経ってました…すみません(´・ω・`)


またぼちぼちゆるゆると更新してく予定なので

宜しければまた気長にお付き合いくださまし〜

 ソーンから教えてもらったお店は、中央の噴水広場から少し脇道に逸れた場所にあった。

 これは街中をちゃんと散策していないと確実に見落とすってか気がつけなさそう。

 他に教えてもらっているお店の場所をマップで確認してみたらなんか、ソーンから教えてもらったお店全部こんな感じっぽい。


 あ、よく読んだらメールの最後に「ユズリハはその他大勢が知ってる店よりこういった穴場的な店の方が好きだろ?」って書いてあった。

 うん流石、幼馴染。私の好みをよく分かってらっしゃる。

 ちなみにジンの店は、家賃の問題であの場所らしい。お金が貯まったらお店の移転を考えてるって言ってたっけ。


 さて、たどり着いたお店の外観はこじんまりとしたレンガ造りの可愛らしいお店だった。

 店の前には色とりどりの花が飾られていてとても華やかだ。

 花のリースと妖精のシルエットが描かれた看板には『Fairy Tale(フェアリーテイル)』の文字。

 ソーン曰くカフェもやってる雑貨屋らしいが、お店の前に飾られている植物の数がすごいので、お花屋さんに見える。

 うーん、見れば見るほどカフェをやってるようには見えないなぁ。

 とりあえず、お腹が空いてつらいので、入るだけ入ってみよう。


 扉を開けると、来客を告げる、リィーンと不思議な音色の鐘…というよりは鈴の音色みたいな音が鳴った。

 ふと扉を見れば上の方に半透明のベルがつけられていたので、それっぽい。不思議だけど心地良い響きの良い音だ。


「あらあら!!お客様なのです! わーい♪ いらっしゃいませ〜♪」


 その音で来客に気がついた店員さんがこちらに向かって……あれ、どこ?? 声はするけど姿が見当たらない。その姿を探して、キョロキョロと辺りを見渡した。


「あらあら、上なのですよ〜上を見てくださいまし〜」


「えっ…」


 クスクスっと鈴を転がしたような可愛らしい声が上の方から聞こえた。

 その声につられるように、上を見るとそこには、小さい羽根の生えた妖精さんが1人。

 おぉ…キラキラ、めっちゃ可愛らしい子だ。思わずマジマジと見つめてしまう。

 若草色の髪に、スミレ色の瞳。頭には小さな白い花の花冠を付けている。羽根は淡く薄紫色にキラキラと半透明に光っていた。

 これぞ妖精!って感じで、あの、めっちゃこの子、可愛いんですけど、え、可愛い。

 スクショ撮りたい衝動に駆られたけど、初対面なのでぐっと我慢した。


「ふふっ♪ やぁっと気がついてくれたの! 改めまして、『Fairy Tale』ようこそなのです! お姉さんは薬屋とカフェどちらのご利用なのです?」

 

「えっと、カフェの方なんですけど……薬も売ってるんですか?」


「はい!売ってるのです!ご主人(マスター)の本職は調合師さんなのですよ〜。カフェはご主人の趣味って感じなのです。まぁ、最近はカフェの料理に力を入れてるようなので、そっちがメインみたいな感じになっちゃってるのですけど……」


 そう説明されつつ、奥の席に案内される。

 薬屋とな……ソーンからは雑貨屋って聞いてたけど違うのかな?そう思っていたら、ふわりふわりと淡い光に包まれたメニューらしきボードと水が入ったグラス

 が飛んできた。


「こちらが、メニューなのです! 決まったらお声を掛けてくださいなのでーす!」


 お礼を言ってからそのメニューボードを受け取る。

 まぁ、あの身体の大きさじゃ自力で運べないから魔法だよなぁ。重量操作系のスキルか魔法だろう。

 あれが、あったら重いもの楽に運べそうでいいなぁなんて思った。


 さて、肝心のメニューは何があるのかな?

 メニューボードに書かれてたお品書きは三種類。




■気まぐれカフェプレート(日替わり)…1000G

 ※3種類のおかずと、パンのセット。ドリンク付き。


■野菜スープとたまごサンド…800G

 ※ドリンク付き。+100〜200Gでサンドの具材変更可能(内容についてはスタッフにお聞き下さい)


■花蜂蜜のホットケーキ 〜生クリームを添えて〜…600G

 ※ドリンク付き。+100Gでアイス追加できます。




 全部ドリンク付きで、お値段もお手頃。それにどれも美味しそうで、ちょっと悩む。

 うーん、また来ればいいよね、って事でパッと見た瞬間に気になった料理を頼むことにした。


「注文決まりましたのです??」


 注文としようと顔を上げたら、目の前にニコニコと可愛らしい笑顔の妖精さんの顔があって驚いた。

 あの、君いつからそこに居たのってか、もしかしてずっと見られてたのかしら…ほんとびっくりした、少ししどろもどろになりながら、注文する。


「っ?! えっと、ホットケーキでお願いします」


「ホットケーキなのですね!了解しましたのー!」


 注文したら、ニコニコと楽しげにそう答えながらお店の奥に飛んでいく。そして、その方角からぼそぼそと話し声が聞こえてくる、あの奥が厨房なのか。


 さてと、注文もしたし料理が運ばれてくるまでメールでも送るかな。

 内容としては先程商業ギルドで聞いた収穫祭の話をソーンに投げておく。

 きっとソーンなら、この情報を良いように活用してくれるだろう、うん。

 あとは、ジンにハーブラビットからドロップした「うさぎのしっぽ」のことを送っておこう。ジンが欲しいって言うなら譲れるからね、っと。



「お待たせしましたのー!ご注文の花蜂蜜のパンケーキなのです〜!」


 ちょうど2人にメールを送り終えた頃、ふわりと甘い香りとともに妖精さんの声がした。

 目の前に置かれたのは可愛らしいお皿に、ふんわりホイップされた生クリーム、ベリー系の果物が添えられた厚みのある、良い焼き色のとても美味しそうな2枚のホットケーキ。かなりボリュームがあるし、とても良い匂いで、その匂いに刺激され、ぐぅ〜とお腹が鳴った気がした。


「わぁ…美味しそう…!」


「ありがとうなのです!えへへ、これはご主人(マスター)自慢の一品なの!すっごくふわふわで美味しいから、味わって食べてくださいなのです!! そしてこれが花蜂蜜なのです!好きなだけ掛けて食べてください〜♪」


 そう言って、テーブルに1つの瓶が置かれる。大きさは現実で売ってる一般的な市販のジャムの瓶サイズかな。

 琥珀色の液体の中に鮮やかな花びらが入っており、ふわりと優しい花の香りと甘い香りがする蜂蜜だった。

 気になるから《鑑定》してみよっと。



『花蜂蜜』

品質:R(レア)

説明:フラワービーが集めた花びらが混ざった蜂蜜。優しい花の香りと甘さが特徴。MP回復を早める効果がある。フラワービーの集めた蜜は妖精のみ採取が可能な為、なかなか市場に出回らない。 売却価格:2000G




「お姉さん、どうしたのです?食べないのですか??」


「あ、いえ、ありがとうございます、いただきます!」


「いえいえ〜ごゆっくり〜♪」



 《鑑定》の結果に思わず固まった私を不思議に思ったのか、妖精さんが声を掛ける。

 慌てて返事をすればニコニコと笑ってから奥へと引っ込んで行った。

 とりあえず、びっくりした……この蜂蜜お高いやつなのね…それをこんな大きめの瓶で出されてお好きに〜って言われるとは……。


 とりあえず好きなだけ掛けてOKと言われたので遠慮なく、たっぷりとかける。うん、美味しそう。

 とろぉりとホットケーキに花蜂蜜がかかる、見た目的にもさらに美味しそうで、あぁ余計にお腹が空く。


 一口サイズに切り分けて、まずは花蜂蜜をかけただけの状態でいただきます!


「〜〜〜っ!!!!」


 なにこれ?!ナニコレ?! やばいよ、ほんとやばいよ、美味しすぎて、言葉が出ない。

 ふわふわの生地に、甘い花の香りがする蜂蜜が絡まって絶妙なハーモニーを奏でてる。


 次は生クリームをつけて、一口。

 これもやばい、美味しい。この添えられた生クリームは甘くないので、花蜂蜜だけの時よりさっぱりと食べられる。めちゃくちゃ美味い、ほんと美味しい。

 口の中が甘くなりすぎたら、添えられたベリー系の果物を食べればリセットされるので、また食べられる。

 最初はこの量多くないか??って思ったけど、余裕余裕。ペロリと食べれちゃう、むしろ足りない、追加を頼みたいぐらいだ。


「お姉さん、美味しいです? すごく良いお顔で食べてくれるから、私も嬉しいのです♪」


 そう言ってから、セットの飲み物なのですよ〜と妖精さんが、テーブルに飲み物を置いてくれる。

 お礼を言ってから、カップを持つ。真っ白い小さい薔薇が浮かんだ紅茶。一口飲めば、ふわりと薫る花の香りが心地よい。この紅茶もホットケーキとの相性抜群だ。


「すごく、美味しいです…!生地がふわふわで、花蜂蜜との相性バッチリだし、添えてある生クリームも果物も美味しくて、いくらでも食べれちゃいそう」


「えへへ〜♪ ありがとうなのです!お姉さんの感想 ご主人(マスター)にちゃんと伝えとくのです!」



 ニコニコと嬉しそう笑う妖精さんがほんと可愛くて、可愛いくて、スクショ撮りたい衝動に駆られたけど、ちゃんと我慢。

 それにしても、彼女が言うご主人(マスター)はどんな人なのか気になりつつ、人嫌いなのかしら? まぁ、出てくるご飯は美味いし、私の相手してくれる妖精さんが可愛いから、まぁ、別に会えなくてもいいやと思った。

 ほんと妖精さんが可愛いくてね!!!可愛いは正義です、はい。


 そのあとまったりとご飯を堪能しつつ、妖精さんとお喋りして楽しい時間を過ごしましたとさ。




「また来てくださいなのです〜!待ってるのですよ〜♪」



 そう言って見送ってくれる妖精さんに、軽く手を振ってからお店を後にした。

 うん、すごくいい時間を過ごした、満足満足♪



 時計を見れば11:30。

 お店に入ったのは10:30頃だったから、1時間ほどあのお店にいたことになる。うーん、予定してた時間よりも長居をしてしまったわ…いや、楽しかったからいいんだけど。

 お店で送ったメールも、2人からは何も返信はない。フレンド欄の2人の名前を見ればログインはしているようだけど、きっと忙しいのだろう。

 まぁ、こっちに関しては返事を急いでるわけじゃないからそのうち返ってくるだろ、うん。



 さてさて、お腹も満たされたことだし、また引き継ぎ金策用に狩りを続けますかな!



 と言うわけで、私はまた『始まりの草原』へと向かうのだった。


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