24.森の中のセーフティエリア
すみません、リアルがばたばたしてたので更新遅れました…(´・ω・`)
そろそろ頑張って更新速度少しずつでも戻していく予定…
森の中に突然、ぽっかりと現れた広場。
セーフティエリアとなってるその中心には、暖かな炎で周囲を照す大きな焚き火……というより、あれはキャンプファイヤーだな、がどどーんと鎮座している。
へぇ、エリア内なら、あのキャンプファイヤーから、火種を貰って周囲に小さい焚き火を作れるのか…なるほど。
火種は外には持ち出せない仕様だが、料理とかのスキルにも使用可能らしい。ちなみに薪も近くに用意されいて同じようにエリア内なら自由に使えるそうだ。
たしかに、明るいのがあの周りだけってなると人が密集しちゃうもんね。
「セーフティエリアー!!やった!!着いたー!」
私たちの中で一番乗りで到着したライラが、嬉しそうにはしゃぐ。
ため息をつきつつ、呆れた顔でその後を追いかけたアルスが2番手。はしゃぐライラを嗜めるように軽く頭を小突いていた。
あ、呼び方だけど、2人をちゃん付け&くん付けで呼んだら、なんか落ち着かないから呼び捨てでって言われたので、呼び捨てにしました。
ちなみに私も呼び捨てでいいよって言ったらそこは断固拒否され、最終的にアルスは「ユズリハさん」で、ライラが「ユズお姉ちゃん」って形に収まった。
お姉ちゃんって呼ばれるのなんだか、むず痒いなって思いつつ、妹とかいないから新鮮で嬉しかったりする。
「おい、ライラ、気持ちはわかるけど、勝手に走り出すなよ」
「お兄ちゃん、ごめんって!だって、早く安全なところで落ち着きたくて…」
「まぁまぁ、無事に着いたからいいんじゃないかな。それに、2人ともさっきの戦闘でレベルとかいろいろと上がってるでしょ? とりあえずログ確認やアイテム整理をしよう」
私がそう声をかければ2人は頷いた。
さっそく、キャンプファイヤーから火種を貰って少し離れた位置に小さい焚き火を起こす。
周りに私たち以外のプレイヤーは居ないんだけど、この後来るかもしれないから、キャンプファイヤーの周囲は空けておいた方がいいだろう。
準備が出来てから、その焚き火を囲むように座り、やっと一息。
さてさて、どんな感じになったかなぁ〜。
【レベルアップしました。Lv.5→ Lv.6】
【知力+1、BP+5、SP+3を取得しました】
【《剣術・刀:Lv4》→ 《剣術・刀:Lv5》になりました】
【剣技『連続斬り』を習得しました】
【《氷魔法:Lv4》→ 《氷魔法:Lv5》になりました】
【氷魔法『アイスバレット』の熟練度が上がりました】
【『レッサーウルフの爪』『レッサーウルフの牙』『レッサーウルフの毛皮』を手に入れました】
おっ、レベルが上がってる。あと、新しい技を覚えたみたい。それに熟練度……?なんだろう、これ。
とりあえず気になったので、新しい覚えた技とともに最優先で確認する。
剣技《連続斬り》
説明:素早い剣撃で相手を斬りつける技。一回攻撃する毎に3〜6hitするが、1hitの攻撃力は0.5倍となる。消費MP:10、クールタイム:30s
あぁ、これは1匹目のレッサーウルフの倒し方から覚えたのかな。
手数が欲しい時に使えるから相手の動きを止めるとかヘイトをこっちに向けさせる時には使えそう。
ただ、一撃の攻撃力は下がるから決定打にはならない。うーん、そこは武器の性能でカバーする感じがいいのかなぁ……。
まぁ、これも後で色々と試して一番いい方法探してみよう。
そして、次は熟練度が上がった《アイスバレット》だ。
氷魔法『アイスバレット』
説明:氷の塊を敵に打つける攻撃魔法。《氷魔法:Lv.2》で習得。威力は「知力」、命中率は「器用」の値により変動。消費MP:10、クールタイム:30s
熟練度:☆「1回の攻撃のhit数増加」
あ、新しく『熟練度』っていう項目が増えてる。
えっと、なになに……☆が3つ集まるとその技や術を完璧にマスターしたことになり、熟練度が上がるにつれ様々な恩恵がある、と…なるほどなぁー。
これも、後で試してみないとね。色々と検証しなきゃいけないこと、多そうだけどこれはこれで楽しみだ。
ドロップしたアイテムも、うん、妥当な感じですね。それぞれ1個ずつ手に入っていた。一応《鑑定》しておきますか。
『レッサーウルフの爪』
品質:C
説明:レッサーウルフの爪。大きさは10㎝前後。武器・アクセサリーの材料や調合・錬金術の素材になる。売却価格:200G
『レッサーウルフの牙』
品質:C
説明:レッサーウルフの牙。大きさは15㎝前後。武器・アクセサリーの材料や調合・錬金術の素材になる。売却価格:300G
『レッサーウルフの毛皮』
品質:C
説明:レッサーウルフの毛皮。少しゴワゴワしている。防寒効果がある。装備やアクセサリー、錬金術の素材になる。売却価格:300G
まぁ、内容も予想通りですね。
調合に使えるアイテムは助かるけど余剰な毛皮系はどうしようかな……。ギルドに売ってもいいし、ジンが欲しがればあげちゃってもいいや。
とりあえず私の方で確認することは以上だ。
顔を上げ2人を見れば、丁度2人とも確認を終えたらしい。
「ユズお姉ちゃん、私、スキルとレベルがめっちゃ上がってた……びっくりした……」
「俺も一気に2レベル上がってました……他にも上がってて正直ついていけてないです……」
「まぁ、戦ってた相手のレベルが戦闘前の2人のレベルの倍あったから。ある意味パワーレベリングだよね」
ドロップしたアイテムは3人とも量も種類も一緒だったので、とりあえずそのままドロップした人が貰うという事にした。
ふと、空を見れば遠くの方が白んで来たので、夜明けが近そうだ。
ゲーム内時間を確認すれば4:30ってことは、リアルだと結構いい時間だから、私はそろそろログアウトしなきゃ。
「さて、私は街に戻って、ログアウトしようと思うんだけど2人は?」
「うーん、まだ遊びたい気もするけど、流石に私、疲れちゃったよ……お兄ちゃんは?」
「そうだな……あ、もうこんな時間なのか、俺たちも流石にログアウトしないと、お母さんに怒られそうだし、街に戻ってログアウトすることにします」
同じく時間を確認したアルスがそう答える。
なら街まで一緒に戻ろうか、と言えば嬉しそうにライラが抱きついてきた。何故にここまで懐かれたのだろうか……いや、可愛いからいいんだけどさ。
「じゃあ、戻りますか」
さて、確かセーフティエリアは一方通行だけど、ポータル機能があって街に戻ることができるってことだけど、なおPT全員で戻る場合はそこのリーダーがポータルを操作さなきゃいけないらしい。
一応私がリーダーなので、メニュー画面を開く。
『ポータル』の項目が増えてたのでタップすると、ログが現れて「始まりの街・モノに戻りますか? はい/いいえ」と出てきたので「はい」を選んだ。
ふわりと3人の身体を淡い光が包み込む。
一瞬の浮遊感の後、次の瞬間には「始まりの街・モノ」のあのスタート地点、中央の噴水広場に立っていた。
辺りを見渡せば昼間に比べれば人はかなり疎らになっていた。まぁ、時間が時間だもんね。
「あー!!戻ってきたぁ〜私生きてる!」
「ユズリハさん、ありがとうございます。本当に助かりました、本当にどうお礼をしたらいいのか……」
ライラ、そんな大声出したら目立つよってか、めっちゃ微笑ましそうな目で周りのベテランらしきプレイヤーさんに見られてるよ。
そして、アルスからは改めてお礼を言われる。
「うーん、成り行きだったから、別にお礼はいらないんだけど……あ、それならお礼は2人がフレンドになってくれればいいよ」
「えっ!!それは、むしろこっちがお願いしたかったことだし、すごく嬉しいですけど、特にお礼にはならないかというか、こっちがさらにお世話になってるというか……」
「わーい!!!やったあ!!!よろしく、ユズお姉ちゃん!!」
恐縮してるアルスを尻目に、速攻でライラからフレンド申請が飛んできた。自分の妹の行動にぎょっとしつつ、アルスからもフレンド申請が来る。
2人の申請を許可しながら、私はそんな2人の様子に小さく微笑んだ。ほんと、この兄妹可愛いなぁ。
「アルス、お礼が足りないって思うなら、今度素材集めとか手伝ってくれればいいし、ライラは良ければだけど、精霊魔法について話を聞かせてくれたら嬉しいな」
「わかりました、お役に立てるかはわからないですけど、手伝いが必要な時は声をかけてください!」
「うん!いいよー!今度また一緒に遊んでね、ユズお姉ちゃん!」
「うん、またね」
軽く手を振り、私は2人に別れを告げて、ログアウトした。
そして、私のゲーム1日目は終了したのだった。
1201修正:ユズリハのレベルを間違えたので正しいものに修正




