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19.《エリシュオン》での初戦闘

更新遅くなりました、すみません。

お仕事の忙しさが倒せなくて…_:(´ཀ`」 ∠):_


 冒険者ギルドからさらに南に向かうと、大きな門が見える。あれがこの街の入り口だ。

 夜なので、その扉は閉まっているが、その大きさはかなり迫力がある。開いてる状態の門も見てみたいから、今度は昼間でも見にこようかな。

 さて、夜間の出入りだが、それにはその脇についている小さめの門を利用するらしい。少し大きめの荷台や馬車が1台ほど通り抜けられるぐらいの幅と高さの小さい門だ。その前には門番が二人一組で立っている。

 

 先に念のためマスターに夜間の出入りについて聞いておいた。夜間の外出はその門番にお願いすればいいらしい。ただ、身分証明がしっかりしてないと夜の外出はできないそうなので、注意とのこと。

 私は冒険者ギルドで、すでにギルドカードを作っているから問題ないそうだ。通る時にはドッグタグを門番に見せれば通れるとも教えてもらった。ちょっとドキドキしながら、門番に近づく。


「こんばんは、嬢ちゃん。こんな時間にどうしたんだい?」


「こんばんは、えっと、外に出たいので、門を開けてもらえますか…?」


 私から見て右側にいた、愛想の良い門番のお兄さんに話しかけられたので、こちらも挨拶しつつお願いをする。ちゃんと門番にドックタグを見せるのを忘れずに、だ。

 門番のお兄さんは、私のドッグタグを見ると「なるほど、嬢ちゃん、冒険者か!」と驚いた顔の後、快く扉を開けてくれた。

 お礼を言ってから、街の外に出る。その時に「気をつけて行けよ〜頑張れよ!」と声をかけてくれたので、軽く会釈だけ返して私は外に向かったのだった。


 さぁ、頑張るか…!!!





 さて、まずはマップで今自分がいる場所を確認する。今いる場所は『始まりの草原』だ。

 その名の通り、周囲は草原が広がっており、南に向かってレンガで舗装された道が続いている。この道を進んでいけば第2の街・ジトリまで行けるらしい。まぁ、今の私にはまだ先のことだけどね。

 『始まりの草原』は初心者向けの探索&狩場なのだが、夜だからなのか私以外の人影は見当たらない。

 ここより東には森林が広がっており、街に近い部分を『始まりの森』と呼ぶらしい。

 『始まりの森』の中腹あたりにセーフティエリアがあり、それより先ははまた違うエリアとなるそうだ。

 

 あたりを見渡す。夜の空気は、ひんやりとしており、聞こえる音は吹き抜ける風が草原を揺らす音だけで、かなり静かだ。周囲を警戒しながら、ゆっくりと草原を歩く。確かここで出てくる魔物は『マメダ』だったけ。

 ふと、スキル《警戒》が何かを感知する。その感覚が知らせる方を見てみると、100m先の草陰に何かいる。じっと草陰を凝視してみたが、距離があるのでよくわからない。ゆっくりと近づいていく。

 うん、スキル《忍び足》のおかげで、音を立たずに歩けるから楽だ。


 草陰の何かまで、あと50mぐらいの距離まで近づいた。ここまで近づくとその姿が見えてくる。

 中型犬ぐらいの紺色の毛並みの生き物が目を細め、のんびりと月光浴をしていた。……思っていたよりも可愛いぞ。こちらに気がつく様子がないので、《鑑定》。



『マメダ』Lv.4

HP:??? MP:???

説明:始まりの街周辺の始まりの草原に生息するタヌキの一種。動きはさほど早くはないが、体力はある。のんびり屋で食欲旺盛。昼間は日向ぼっこ、夜間は月光浴をしている姿をよく見かける。品質が良い毛皮は高額で取引される。


※《鑑定》のレベル不足の為、これ以上の情報公開は不可※




 うーんと、今《鑑定:Lv.3》なんだけど、まだこれだけかぁ。もう少し詳しくわかるようになるにはレベルを5ぐらいまで上げないとだめかな?

 とりあえず、今、目の前にいるあの魔物がマメダだ。たしかマスターは、魔法か遠距離攻撃で戦うといいって言ってたけど……。ここはさっき覚えたばかりの《アイスバレット》を使ってみよう。

 ただ《アイスバレット》のクールタイムは30sだから連発はできない。そう考えてから、装備を刀から弓に変更。今回は遠距離攻撃中心に戦ってみよう。ちなみに弓はチュートリアルで貰った武器で、武器のステータスはこんな感じだ。



『初級弓』

攻撃力:6 耐久値:∞

説明:初心者用の弓。壊れることはないが、強化することは出来ない。Lv.10まで装備可能。


『初級の矢』

攻撃力:2  耐久値:∞

説明:初心者用の矢。減ることはなく自動補給される、強化&属性追加は出来ない。物理属性。Lv.10まで装備可能。



 ちなみに弓の場合は、弓と矢の攻撃力の合計が威力となる。矢の数=耐久値なので、一回攻撃する毎に耐久値は1減っていく。矢の種類は属性付きのものがあるので、状況に応じて攻撃パターンを増やせるのが強みだ。ただ、矢の消耗が激しいので、弓矢を主力武器に使うプレイヤーは少ないそうだ。

 


 じっとマメダを見据えて、深呼吸。マメダに狙いを定め、呪文を唱える。


「《アイスバレット》!!」


 呪文を唱えると直径10cmぐらいの氷の塊が現れ、その塊がマメダに向かってその名の通り弾丸のごとく飛んでいく。そして、その氷の塊はマメダの横顔にヒット!


「うきゅっ!?!?!?」


 突然攻撃され驚いた声を上げたマメダは、衝撃で横に一回転がる。すぐに起き上がり辺りをキョロキョロと見渡した。自分を攻撃した犯人を探しているようだ。(ちょっとその姿が可愛かった)

 まだ《アイスバレット》はクールタイム中なので、マメダがこちらに気付く前に追撃をする。即座に弓を構え、矢を放つ。

 ちなみにクールタイム中のスキルや魔法は。視界の隅に対象スキルや魔法の名前とその横に、時計のアイコンと秒数が表示されるようになっている。


「……はっ!!!」


 狙いを定めて、放つ。私が放った矢はマメダの後ろ足に突き刺さった。この攻撃でマメダは私に気がついたようだ。なお、敵に矢が刺さると数秒後、自動的に矢は消える仕様となっているので、突き刺さった矢で敵の体がいっぱいになる…という事はないらしい。確かにそんな光景は、エグいから見たくないもんね、うん。


「ぎゅいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」


 怒ったマメダが威嚇の声を上げ、こちらに向かって突進してくる。確かにそんなに素早くはない、これなら簡単に避けるな。もしかしたらハーブラビットの方が素早いかもしれない。

 ちなみにマメダは結構ぽっちゃりしている。こちらに突進してくる姿が、太ったウェルシュコーギーが頑張って走ってくる姿っぽくて……いや、マメダはタヌキだけど。その姿が、ちょっと可愛い。戦闘中でなければ、即スクショを撮りたいが、今は戦闘中だ。集中、集中。


 突進してきたマメダをサイドステップで避ける。マメダは「うきゅっ!?」と驚いた声を上げ、急に止まれないのか少し先まで走りきった。ぐいっと前足に力を入れ止まってから、くるりと振り返る。………マメダって、もしかして運動神経悪いの……?? 

 でも、これなら隙が大きいので攻撃がしやすい。振り返り終わった瞬間にもう一度、頭を狙って矢を放つ。マメダと向き合った状態だったためか、その攻撃は避けられてしまった。

 当たりはしなかったが、矢はマメダの顔を掠ったので少しはダメージが入ったみたいだけど。やっぱり、レベルが低いためか、不意を付かないと弓矢は狙ったところに当てにくい。視界の隅で《アイスバレット》の時計のアイコンが消える。どうやらクールタイムが終わったようだ。


「それなら、こっち!《アイスバレット》!!」


 続けて《アイスバレット》を放つ。狙う部分はもちろんマメダの頭。矢に気を取られていたマメダはその攻撃をもろに受けた。するとマメダは、動きを止めその場でふらふらする。

 あれ? もしかして、なにかしらの状態異常でも起きたのかな。でも、これは好機だ。これなら、弓矢も当てやすい。すぐに構えて、攻撃! 


「うぎゅぅぅ!!………うゅ……ぅ……ぎゅぃぃぃ!!!」


 今回も頭を狙ってみたが、放った矢はマメダの左前足に突き刺さる。痛そうな悲鳴を上げ、動きが鈍くなったが、まだ倒れない。聞いていた通り、体力が多いみたいだ。さらに追加で素早く3本矢を放つ。矢は3本中1本命中した。うーん、早打ちをしてみたけどレベルが低い為かすこぶる命中率が悪い。やっぱりレベルが低いうちは狙いを定めて、丁寧に矢を撃たないと当たらないなぁ。


「あと少しだとは、思うけど……!!」


 今度は慎重に狙いを定めて、放つ! その矢は狙ったマメダのちょうど眉間に突き刺さった。


「ぎゃぁぁぁっうぅぅ!!!!」


 さらに悲痛な声を上げ、マメダが悶える。………少し動物虐待をしてる気分になってきたけど、気にしたら負けかな、うん。可哀想になってきたからさっさと終わらせよう。

 心を鬼にしてさらに追加で2本矢を放った。2本とも全てマメダの体に命中。「ぎゃぅ……!!」と声を上げたマメダは光の粒子となり消える。ふぅ、やっと倒せたみたい。



【《鷹の目:Lv2》→ 《鷹の目:Lv3》になりました】

【《弓術:Lv1》→ 《弓術:Lv2》になりました】

【弓技『ヘッドショット』を習得しました】

【『紺色の毛皮・小』を手に入れました】



弓技『ヘッドショット』

説明:頭部を狙った狙撃攻撃。この技を使用し頭部に攻撃が当たれば威力がクリティカル、それ以外に当たると威力は半減する。命中率は器用の値により変動。消費MP:10、クールタイム:1min


『紺色の毛皮・小』

品質:C(コモン)

説明:マメダの毛皮。傷ついていた部分が多い為、使える部分が少なくなっている。装備品やアクセサリーの材料になる。売却価格:200G


 

 弓技は頭をよく狙ってたから覚えたみたいだ。ただ、今のステータスとスキルレベルだと命中率が良くないので、もう少し上げてからじゃないと実用的ではないかなぁ。

 マメダの毛皮に関しては……思いっきりマメダの体に矢を射ってたから使える部分が少なくなったんだろう。だから品質も低い。素材目当ての場合は攻撃方法も考えないとダメっぽいなぁ。



「とりあえず、問題なく倒せる事は分かったから、あと残り4匹……よし、頑張ろう」



 そう、気合を入れてから私は夜の草原をまた歩き出したのだった。

しばらくは探索&狩りが続くかなぁ……予定は未定だけど。

ちなみに今のユズリハのステータスは以下の感じ。


名前:ユズリハ Lv.4

種族:人間×幻影種・吸血鬼 種族Lv.1

職業:ノービス 職業Lv.1


HP:125/125

MP:375/375


腕力:15

体力:15

敏捷:26

器用:30

知力:45

精神:36

幸運:23

BP:100


[装備項目]

武器:刀・初心 or 初級弓

頭:白小花の藍色ケープ

胴:初心者の胸当て

脚:初心者のスカート

足:初心者のブーツ

装飾品①:なし

装飾品②:なし


防御力:20(+11)


*スキル*

《剣術・刀:Lv3》

《居合・攻:Lv2》《居合・護:Lv1》

《弓術:Lv2》

 ∟『ヘッドショット』

《氷魔法:Lv2》

 ∟『マジックアイス』『アイスバレット』

《魅了の瞳:Lv1》《吸血・人間:Lv1》

《日光脆弱性・小:Lv1》《月光回復・小:Lv1》

《暗視:Lv1》《警戒:Lv1》《忍び足:Lv1》《鷹の目:Lv3》

《鑑定:Lv3》《採取:Lv1》《調合:Lv1》《料理:Lv1》

《洗浄:Lv1》

 ∟『クリーニング』



8/24修正:技の消費MPを追記

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