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13.冒険者ギルド

日曜日(29日)に更新できなかったので。

本日2回目の更新〜

 

「ねぇ、この魂抜けてるソーン、ちょっと、ジンに預けてってもいい?」


「こいつが再起不能になったのはお前のせいだが……まぁ、構わんぞ。で、お前はどうすんだ?」


「とりあえず冒険者ギルド行って、登録だけしてきちゃおうかなって」


「それがいいな、復活したら本人に連絡させるか、俺から連絡するから、気にせず行ってこい」


「うん、ありがとう。よろしく」


 そう言ってまだ唸って蹲ってるソーンをジンに押し付け…じゃない、任せて、私は冒険者ギルドへ向かったのだった


 いくらジンが破格価格で装備を作ってくれるといっても、金策はしないと。

 今の私の所持金はたった2000Gだ。最低は5万Gぐらい持っておきたい。



 マップを見ながら、冒険者ギルドまで向かう。

 ジンの店から少し出た大通りを噴水広場と逆の方角に進んで、大きめの建物が冒険者ギルドだ。

 その道をぶらぶらと大通りのお店を眺めつつ、歩いていくと、特に何の問題もなく目的地に到着。

 ギルドの重そうな扉を開けて、中に入る。サービス開始時刻からそれなりに時間が経っていたので、ギルド内は比較的空いていた。


 キョロキョロと辺りを見渡して、受付カウンターを探していると、声をかけられる。


「ギルド受付ならこちらですよー!」


 とっても元気な明るい声。そちらに視線を向ければ、ふわふわとしたストロベリーブロンドの髪に髪と同じ色の三角耳、獣人の子なのかな? そして大きなクリクリとしたアメジスト色の瞳の超絶可愛い女の子がこちらに向かって手を振っていた。え、なにあの子、めちゃくちゃ可愛い。

 とりあえず呼ばれたので、彼女の元へ向かう。


「冒険者登録をお願いしたいんですけど……」


「冒険者登録ですね!はい、こちらで承りますよ♪ あ、私はギルド受付担当のアリーチェと申します!御用の際は遠慮なくお声掛けください♪」


「わかりました。じゃあ、登録をお願いします」


「はい、かしこまりました! ではまず、お名前お聞きしてもよろしいですか?」


「ユズリハです」


「ユズリハ様ですね。では冒険者登録を行いましょう」


 ニッコニコと嬉しそうにアリーチェが言った後、彼女はカウンターの下から1つの水晶玉を取り出した。大きさはバレーボールぐらいで、その中がキラキラと星のような煌めきに満ちていて綺麗だ。


「ユズリハ様、こちらの水晶玉に両手で触れて頂けますか?」


 そう言われたので、、そっとその水晶玉に触れてみる。触れた瞬間、ふわりと水晶玉が輝き、中の煌めきがグルグルと周りだした。そして、1つにその煌めきが集まると、ふわりと浮き上がり水晶玉の中から出てくる。アリーチェが出てきたその光に触れると、それは姿を変えて、一枚のカードに。

 初めて見るその光景に、思わず見入ってしまった。そんな私を見てアリーチェが微笑む。皆さん、同じように驚いてくれるので嬉しいです、と。


「さて、お手を離して頂いて大丈夫ですよ!ご協力ありがとうございます♪では、こちらが、ユズリハ様のギルドカードとなります。あと、こちらもお持ちください!」


 まず最初に手渡されたのが、先ほどの光が変化して出てきた名刺サイズの半透明なカード。カードに書かれている内容は、自分の名前とスキルを含むステータスそして冒険者ランクだ。ステータス画面を開かなくても、このカードで確認できると、アリーチェが説明してくれた。

 そして、次に渡されたのが、銀のドッグタグのついたシンプルなネックレスだった。


「これは?」


「このギルドカードを収納する為のアイテムとなります!カードをドッグタグに近づければその中に吸い込まれていき、取り出す時はドッグタグを握って出したいと念じて頂ければ、出てくる仕様です」


 そうアリーチェが言うと、ドッグタグにギルドカードを近づける。するとカードがふわりと光ると粒子状になりドッグタグに吸い込まれていく。そして、アリーチェがドッグタグを握れば、ふわりとその手の中にギルドカードが現れた。

 おお、手品みたいで面白い。


「こんな感じですね。ちなみに、ギルド職員なので、この様にユズリハ様のギルドカードを出し入れできますが、基本的にはご本人様以外でこの方法は使えませんし、ドッグタグから他人のものを取り出すのも不可能です。ちなみに、ドッグタグにはお名前と冒険者ランクだけ表示されます」


「ドッグタグにギルドカードをしまっておく利点は?」


「常に身につけられるので、すぐ取り出せることと、クエストを自動受理できたり身分確認などはそのタグを提示するだけで、簡単なことなら受付まで来なくても自動で省略できます。また、詳しいステータスを公にしたくない場合には、ドッグタグで管理した方がいいです!」


 ちなみに、ドッグタグは身につけてても特殊装備扱いなので、装備のアクセサリー枠を消費することはないそうだ。

 ギルドカードのは実体化させている時の内容は誰でも見れるものなので、種族とか隠したい場合はドッグタグで管理を、とのこと。ユズリハ様は、種族的にドッグタグの方が良いでしょうともアドバイスを頂いた。


「なら、そうしようかな……もしギルドカードを無くした場合は、何かしらペナルティとかは?」


「頻繁にあれば何かしらの対処はさせて頂きますが、特にペナルティはありません。ギルドカードの紛失には5万G、ドッグタグには20万Gの再発行代となっているので、失くさないよう注意してくださいね」


 まさかのドッグタグの方が高いっていう……これは無くさないよう気をつけないと…怖っ。


「次は、冒険者ランクについてご説明致しますね!冒険者ランクはクエストを多くこなして、特定の依頼を受けるとアップさせることができます。ランクはFからSSまでで、ランクが上がればまた上がるほどクエストの難易度は上がりますので、気をつけてくださいね!」


 ちなみにランク上がると、ドッグタグの部分に小さな石が付き、その石の色でランクがわかるようになるとのことだ。Fランクは石無しとのこと。

 最初は皆さん、Fランクからスタートですよ。そう言ってアリーチェはにっこりと微笑んだ。ほんと可愛いわ、この子。頭撫でたくなるぅ。

 アリーチェにお礼を言ってドッグタグのネックレスを首からかける。ドッグタグは簡単に取り外しができるようだ。ちなみに、ドッグタグさえついていれば、ネックレスのチェーンを変更したり飾りを追加したり好きにしていいとのこと。何か良い感じのものが売っていったら、いろいろカスタマイズしてみようかなぁ。


「あと、ユズリハ様は種族的にあのアイテムがご入用ですよね?」


 そうアリーチェが確認してきたので頷く。

 周りに聞かれないよう、あえて詳しく言わないでくれるのは助かるなと思わず呟いたら、アリーチェが皆様の個人情報は最重要機密なので守秘はバッチリですよ!お任せください!とウィンクされた。(可愛い)



「そちらのアイテムは…えっとあちらにあるギルド内の酒場が見えますか? そこのカウンターにいる強面のマスターが販売してくれます。 購入の際にドッグタグを提示していただければ、提供してくれますよ」


「見せるだけでいいの?」


「はい、マスターもギルド職員なので皆様のカードの詳細を確認することが出来ます。それだけで大丈夫です。また元SSランクの冒険者だったので、博識な方です。冒険者として何か困ったことがあれば聞くといいですよ! 強面なのが、あれですが」


「ありがとう。困ったらいろいろ聞いてみます」


 そう答えれば、アリーチェは頑張ってくださいね!と言ってにっこり笑った。ほんと可愛い。

 ちなみ、クエストを受注できる掲示板は酒場の中にあるとのこと。酒場にはプレイヤー以外にNPCの冒険者も利用してるので、いろいろ話を聞いてみるのも良いかもしれない。


 アリーチェにお礼を言ってから、酒場に向かう。とりあえずマスターからアイテムを買わないと。

 あと私が考えてることが可能かどうかも、早く確認したいなって思った。


 まだ時間帯的に昼なので、酒場の中は数人の冒険者が寛いでる程度だった。その近くを通れば「嬢ちゃん新人か?、頑張れよー!」とみんなそれぞれ声を掛けてくれたので、微笑みつつ「ありがとうござます、頑張りますね」と会釈をしておいた。挨拶と交流は大事だよね。うん。


 カウンターに着くと、たしかに強面の男性がコップを磨いていた。この人がマスターだろう。間違えない、かなり強面なおじさまだ。

 その人は私に気がついて意外な顔をした。


「ん? 嬢ちゃん、ここに何か用事か?」


「アリーチェが、ここでアイテム買えるって教えてくれたので」


 そう言ってから、ドッグタグを取り出して渡す。それを受け取ると、なるほどなと男性は納得した顔をした後、ニヤリと笑った。ちょっとその顔は、ちびっこは泣きそうな気がする。


「あぁ、なるほど、嬢ちゃんは《魂の旅人(エピヴァティス)》か。いや、しかし、それを選んだってことは、なかなか嬢ちゃん面白いなぁ。おっと、自己紹介が遅れた、俺はリッカルド。今はしがない酒場のマスターだ」


「ユズリハです。えっと…面白い?」


「ああ、俺相手に敬語はなしでいい。堅苦しいのは苦手なんでな。面白いって思ったのは、変わったのを選ぶやつは少ないからなぁ、それはデメリットもあるだろ? いろいろ会ったが皆、ほぼ定番だったら、嬢ちゃんがサービス開始1人目のお客って感じだな」


 えっと…と反応に困っていたら、教えてくれた。

 どうやらマスターことリッカルドさんは、チェシャと同じ扱いのAIらしい。現実のこともゲーム内のことも両方の知識があるそうで、メタい発言もわかるって。

 本人の感覚としてはゲーム内の住人だが、何かあった時は率先してNPCとプレイヤーの仲裁やらするために居るとのことだ。リッカルドさんでもどうしようもなくなった場合はリッカルドさんもGMコールが出来るらしい。


「まぁ、そんな感じなんで、何か困ったら遠慮なくこいよ、嬢ちゃん」


「うん、わかった。で、アイテム買うにはどうしたらいい?」


 そう問えば、笑ってリッカルド…めんどくさいからマスターで、が何かを操作する。すると私の目の前に『購入可能アイテム一覧』という名前の半透明のパネルが現れた。


「それが、嬢ちゃんに売れるアイテム一覧だ。特殊アイテムは嬢ちゃんだと一種類だけ、あとは冒険者ランク基準で買えるアイテムだ。ランクが上がれば種類も増えるぞ」


 その説明を聞きながら、パネルをスクロールさせていく。初心者HPポーション、初心者MPポーション……お決まりの初心者用アイテムから、あとはこの辺で狩れる初心者向けの魔物のドロップ品など、一番低い冒険者ランクでも品揃えは多い感じだ。

 パネルの上の方にはタグが付いていて、品目ごとに簡単に選べるようだ。『特殊』と書かれたタグをタップして開けば、中に書いてあるのは一種類のみ、『人間の血』だけだった。


 字面がやばいわ、このアイテム……。


書き忘れてましたがお金は100G=100円って感じです。

そろそろキャラとか増えてきたので、把握のためにまとめをあげようかな…


8/5修正:いろいろ追加したり修正。

8/11修正:「初心者ポーション」→「初心者HPポーション」に変更

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