少林寺再興、新たな誓い
「私は見ていました。相手の男、二人、剣抜きました。その後、この人、相手の剣を刀で叩き落としました。当然ですね。セルフディフェンスです。
だから、この人、全然悪くありません。私の言う事、間違ってますか?神に誓います。アーメン」
神父の言葉に戸惑いの表情を見せ隊員は去って行った。
早川は神父に近ずき、「かたじけない」と礼を言った。
神父は「神様が見てた通り言っただけです。では」と言い店を出て行った。
店の主人は「ここでは、誰も神父様には逆らえない。あなたは幸運ですよ」と早川に言った。
安寧武館
「李英風は、まだ見つからないのか」
将軍は酒を飲み、苛立っていた。
隊員は「お訊ね者の紙を張っていますが、今の所、手掛かりはありません」と弁解する。
「馬鹿者。徹底的に探し出せ。奴が一番の要注意人物だ。何としても、即刻探し出せ」と将軍は隊長に激を飛ばす。
隊長は隊員を引き連れ、夜の街の探索に出かけた。
「李英風は少林拳のマスターで人望もある。何としても、捕らえるべき男だ」と将軍が語る。
一方、李は焼け跡になった少林寺にいた。
燈籠の明かり漏れる境内で拳脚攻防術の型を練習した後、座禅を組む。
少林寺で大師に指導され稽古に励んだ日々が走馬灯の様に脳裏に浮かぶ。
「何としても少林寺を再興する」。李は改めて、そう決意した。