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日本人剣士
清の港。
船から人々が降りてくる。
その中で黒い着物、袴姿の日本人がいた。
腰に刀を差し、また剣を背負っている。
男は街を歩いて行く。
「おい貴様」と呼ぶ声。
振り返ると男が二人。
「お前日本人だろ」
「お前?」
「俺の名は早川龍之助だ」
「呼ぶなら名前で呼んでくれ」
「ナニっ?日本人の癖に偉そうな事言うな」
二人の男は剣を抜き構える。
キーンという金属音がし、宙に剣が飛び地面に落ちた。
龍之助が刀を鞘に収める。
唖然とした表情の二人。
龍之助の抜刀に二人の剣は、弾かれたのだった。
龍之助は何もなかった様に歩き始めた。
この有り様を馬車に乗った神父が見ていた。