広東少林寺の地図
仁王の言葉に英風は戸惑いを覚えた。
阿空の話しでは、ここの仏像に広東少林寺の地図が印されているはずだった。しかし、仏像の裏には何も印されてない。
「何人もの奴が仏像を奪いに来た。お前もその1人だろう」
そこに老婆が現れ叫んだ。
「本物の仏像は、その仁王が持っておる」
「そうだ。本物は俺が持っている」「ワシが仏像を守って来たのた」
そう言うと仁王は仏像を取り出した。
「欲しければ奪ってみろ」
「その仏像は少林寺の物だ。返してくれ」
李が言った。
しかし、仁王は頑なに拒む。
力ずくで取ってみろ」
「やむを得ん」そう言って李は鞍から棒を抜き、仁王の腕を叩いた。
「おっと」
仁王は李の棒をかわし、蹴りを出してきた。
李は仁王の蹴り脚を肘で叩く。
「イテ」
李はさらに仁王の腹を棒で突いた。
「ウグッ」仁王が悶絶する。
「わかった。仏像を渡そう。間違いなく少林寺の達人のようだ」
「この仏像を割れるか」
「それは出来ない」
李は答えた。
「では」
と言い仁王は仏像を割った。
すると中には一回り小さな仏像が入っていた。
仏像の台座に彫り物がしてある。
仁王は台座に墨を塗り、紙に押し付けた。
紙には、地図の様な模様が着いた。
「これが広東少林寺の地図だ」




