14/20
仏像
李は馬を牽き街の中を歩いて行った。一体魔物とは何なのか、よく解らなかったが、強大な支配者が街にいるように思えた。
しばらく歩くと仏像があった。
「これだ」
李は仏像を動かそうとした。
「仏像に触るな」
突然、仁王像が現れ叫んだ。
「貴様も盗人か?」
「違う。私は少林寺の李英風だ。この仏像は少林寺の物だ」
「なに、出鱈目を言うな」
「出鱈目ではない」
「では証拠を見せてみろ」
「この仏像の底には広東少林寺への地図が印されている」
「ほう。では底を見せてみろ」
李は仏像を手に取り、裏返し底を仁王に見せた。
「ハハハハハ」「何も書いてないでは、ないか」
李は言った「おかしい」
仁王が言う「さあ、どうする」




