魔物が住む街
朝日。
李英風は浜辺を馬に乗り走っていた。
行く手に人影が見えた。
忍者軍団だ。
李は忍者達と間合いを取り、馬を止めた。
忍者が紙を広げ言った。
「この男を知らぬか」
紙には、早川の似顔絵が書いてあった。
「知らぬ」李は答えた。
「そうか」そう言うと忍者達は煙を立て消えた。
李は再び馬を走らせる。
すると、人気の無い街に着いた。
馬から降り街を歩いて行くと老婆がいた。
老婆を恨めしそうな表情で李に言った。
「この街は呪われた街じゃ。早く去るが良い」
「何故、呪われているのかな?」
李は老婆に聞く。
「生きてこの街を出る事は出来ない。皆、死んでいく。魔物が住んでいるのだ」
そこに巨漢が現れた。
「その通り。今なら生きて逃がしてやる。街の中に入るな」
李が言う。
「街に用がある」
「では、俺を倒してから行け」
そう言うと巨漢は李がに蹴りを出した。
李が蹴りを捌く。
「やるな」
巨漢は連続して左右の突きを出して来た。
それも李が捌く。
「俺を怒らせたな」
巨漢は刀を手に取った。
李は馬の鞍に差した白樫の棒を手に取り構えた。
巨漢は刀を振り回し、李に襲いかかる。
だが李の棒が巨漢の手を叩き、刀は地面に落ちた。
「畜生」そう言って巨漢は去って行った。
「奴が魔物ですか?」李は老婆に聞く。
「違う。奴は魔物の手下じゃ」




