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住の江の 岸による波
住の江の 岸による波 よるさへや 夢のかよひ路 人めよくらむ
第18首 藤原敏行朝臣
真っ暗な闇の中にいる。明かり一つ無い。何も無い、ただ真っ暗な空間。
これは夢だ。そんなことはわかっているのにどうしようもなく悲しくなった。
どうしてあの人は夢の中でも自分に会ってくれないのだろう。
現実ではずっと自分の片思いで、同じクラスだったのに相手は自分に見向きもしなくて。
自分から話しかけてもあまり特別な興味を示してはくれなかった。
自分もそれ以上行動できなかった。そしてあっというまに卒業式で。結局何もできなくて。
それから全く会ってない。
だったら夢の中だけでも二人っきりで会いたいと願うのに一度も出てきてはくれない。
僕たちは夢の中でも結ばれないのか。
歌の意味・・・住の江の岸に寄る波のように昼も夜もあなたに会いたいのにどうして昼だけではなく夜の夢の中でもあなたは人目を避けてわたしに会ってくれないのですか。