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メンヘラちゃんとヤンデレちゃん  作者: 黒髪ボブ製造機


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1

「2年B組の赤羽(あかばね)めぐと佐藤美唯(さとうみゆ)です。数学のノート持ってきました」

職員室をノックをしてからそう言って、数学教諭の田畑(たはた)に集めたクラスメイト分のノートを手渡す。

「お疲れ様。ありがとうな」

ペコリとお辞儀をして、美唯と一緒に職員室を後にしようとしたそのとき、「あ、そういえば」と呼び止められた。

「みんなに言い忘れてたんだが、来週は授業中に小テストをやるから、伝えておいてくれ!」




「はぁ?テスト多すぎんだろ」

教室への帰り道。イライラと毒を吐くと、美唯に(なだ)められる。

「まあまあ……。でも田畑先生のテストって簡単だしさ!めぐは頭いいし大丈夫だよ」

「全然よくないから。でもありがと……」

照れくさそうに言うと、「もーめぐは可愛いなぁ!」と頭を撫でられた。身長が低い私は、こうして友達によく頭を撫でられる。恥ずかしいけど、幼少期にこういうことをされてこなかった私にとっては嬉しい。

美唯が手を離すと、ボブカットの黒髪がふわりと揺れる。

「ほんとに髪サラサラすぎー、いいなあ」

そう言ってくれる綺麗なロングヘアの美唯に「美唯だってサラサラじゃん。綺麗だよ」と返すと、「えー?マジ?」頬を赤く染めた笑顔を向けられた。

髪を褒められるのは嬉しい、だって、頑張ってるから。好きな人が褒めてくれた髪の毛。綺麗に保てるように頑張ってるの。



「!」

そんな話をしていると、教室のドアの前で泣きじゃくっている(もえ)を見つけた。同じくクラスメイトの佳苗(かなえ)に背中をさすられている。

「萌」

声が届いたらしい萌は、こちらを振り返り「めぐぅ〜」と涙を浮かべる。チャームポイントであるツインテールも、心なしかしょげているように見える。

「どうしたの?」美唯と一緒に駆け寄ると、「多田(ただ)先輩に振られちゃったんだって。重いって言われて…。ひどいよね」と佳苗が状況説明してくれた。

「……へぇ…」



「うぇ〜ん」

溢れる涙が止まらない萌は私に抱きついてくる。

そのとき、3年生が移動教室のためか2年生の階へ降りてきた。




()()()()〜。女の子泣かせちゃダメじゃないっすか」

そう言って3年生の男が聞こえよがしに軽い口調で話す。対し、多田とやらは「お前やめろって」と笑っている。

……ムカつく。

「っ……」

萌は、涙を堪えるように唇をきゅっと結ぶ。

「萌……」

強く抱きしめるけど、萌の身体は小刻みに震えている。


笑い声を残して去っていくあいつらを睨みながら、より一層萌を抱きしめる。

多田先輩、かあ……。萌と……












別れてくれてありがと〜♡

ねぇ、ずっと待ってたんだよ。私の萌、私のなのに。この子はあんなヤリチンチャラ男に夢中でさ、どれだけ苦しかったか分かる?すぐ別れると思ってたけど長かったね

ねえねえどんなセックスしたの?多田先輩にどんな顔見せたの?ねえねえ!

萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌萌



「めぐ……?くるし……」

「あ、ごめん!痛かった?」

「そんなことない。えへへ、いっぱい慰めてくれてありがとう」

涙を拭いながらヘラっと笑う萌は本当に可愛い。



「よしよし、大丈夫だよ。私がついてるからね」

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