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第2話 口をきけない女

黒いマントを被った男は、街道を歩いていた。

たまに、馬車とすれ違うこともあった。


男「…すれ違う奴らの数が多くなってきたな そろそろ街か…」

男はなおも進んでいった。


ひととき歩いていくと、遠くに城門が見えてきた。

男「あれは… 城があるな… 山のほうに迂回するか…」

男は街道を外れた。


森は深かった…。


深い森を進んでいくと、川があった。

男「水を飲むか…」

男がのどを潤していると、川の上流で人影を見た。


男は思わずそちらを見たが、裸の女が逃げて行っていた。

女の足は速かった。

男は別に追いかける理由もなかったので、そのまま見なかったことにした。


休憩していると、日が暮れてきたので、今日休める木陰を探していた。

男「暗くなると 足回りが悪くなるからな… ん?あれは…」

男が見つめる先に、焚火が見えた。


男は迂回しようとした。

しかし、既に皮で作った服の薄着の女が抱きついてきた。

女「…………!!」


男は驚いて、女を振り解いた。

男「なんなんだ貴様!」


女は男の手を引っ張る。

女「…………!!」


男「??? 貴様… 喋れないのか…!?」

男は思わず後ずさった…。


女は頷く。

女の首にはつぎはぎの跡があった。


男は、女の手を両手で包み込んだ。

男「ああ おまえは 孤独なんだな 俺もだ

頼む!一晩!一緒に過ごさせてくれ…」


女はこくこくと頷く。

男は女と手をつないで焚火のほうに歩いて行った。


焚火には焼けた魚が刺してあった。

女が指さす。

男が頷く。

ふたりで食べた。

腹が膨れた。


男は少し語った。

男「俺は呪われている ある泉にいる奴からだ

俺は疲れた… だがそいつを殺さなければ 気が済まない

なにがあってもそこまで行き そいつを殺す!」

男が怖い目をしていた。


女は怖かった。

男は自分を連れて行ってくれないのか?ここに居てくれないのか?


女はせめてと思い、肌を見せた。


男「おまえ……」


男は服を脱ぎ、女の気持ちを考えた。男にも、久しぶりの女だった…。

二人はお互いに生きていることを確認し合った。


そして、夜は深まっていった。


翌朝、男はマントを女に被せていた。

女が目を覚ます。

男「起きたか 抱いた女に別れも言わないのはどうかと思ってな…

では 俺は行く お前はここで生きろ」


女は何とかしなければと思い、まだ裸のまま自分の短剣を拾い首に突き付けた。


だが男は気づかない。

女は出せない声を振り絞った。


女「……ぁあぁぁああああああああ!!!!!!!」

女のうめき声が男の耳に入ってしまった!


男「あああああああああああああ!!!!!!!!!

恨むぞ!!サイレンス!!!!!」


男はすぐに女に駆け寄り、女は喜んだ。が、

女の胴体は、真っ二つになっていた。

男の持っている剣からは血が流れている。


男は、女の目をそっと閉じて、その場を後にした。


男に安寧の日は来るのだろうか?

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