プロローグ
「ふぁーあ、そろそろ出るか」
男は無精髭を撫でながら、呑気そうに呟いた。
看守の冷たい笑い声が鉄格子を通して反響する。
「何言ってるんだ?この部屋からどうやって出るってんだよ」
牢屋の中は実に質素だ。
あるものと言えば、排便用の穴と寝床用の藁が敷かれているばかり。
しかし、その質素さが返って脱出の取っ掛かりを与えないのだ。
「ふん、捕まったのはわざとさ。野宿続きで寝床が欲しかっただけさ。よく寝たし、そろそろ行くぜ。」
男は藁布団から飛び起きると、拳を固めて壁の前に突っ立つ。
「はっ!!殴って壁を壊そうってのか!?無理無理……」
「フン!」
爆発音。
凄い勢いで放たれたパンチは、壁を突き破った!
「えー!!壁をパンチで突き破ったああ!!!」
「さて、行くか。」
男は粉々になった瓦礫を踏みしだいて外に出る。
そこに、看守が立ちはだかった!
「待て、ここを通れると思うなよ!お前は丸腰で、俺は武器を持っている。お前は終わりだ!」
「ククッ、そういうのフラグっていうんだぜ。おい、エルフ」
男の衣嚢から、エルフと呼ばれる小さい少年が顔を出した。
その大きさはおよそ人差し指程度に見える。
「ふええ、僕の力を借りたいの?」
男は看守の顔に指を突き刺し、命令する。
「あいつ、やれよ」
少年はその指示を聞くと、コクリと顎を落とした。
「わかったよぉ」
そして、少年は男の手のひらから光となって消えた。
突如看守の尿道から異物感が発生する。
「うぐっ!」
魔法テレポートによって尿道に侵入したエルフは、陰茎を破壊する。
「うげああっ」
看守は死んだ。
「さて、行くか」
男は看守の死体にも目を向けず、歩みを進めた。
看守の陰茎があった部分から、エルフが飛んでくる。
「ちょっと置いてかないでよおお」
「俺の家族の仇はどこだ!奴は許せん!奴を必ず殺す!!」
男の名はロイド。
これはロイドの復讐の物語である。




