6話 月、怪物
食事を終えて、あとは家の細々としたことを(掃除だとか皿洗いとか)を手伝って。後はもう寝るだけなのだけれど。
緊急自体発生だ。
僕は、女性と同じ部屋で寝泊まりする。いや、なりそうになっている。
「い、いや!僕、シーツさえくれればっ。リビングで!」
「お客様を床で眠らせるわけないでしょ〜!? ワガママ言わないでお姉さんの隣で寝なさいっ!」
リサさんの部屋に引き摺り込まされそうになるのを、扉の縁を掴んででも阻止する。いや、力が強い!普通に押し負けそうなんだけど!
「いやっ、だめ!だめですって!」
「大丈夫大丈夫。ベッドはちゃんと2つあるから!」
「だとしてもじゃないですか!?」
不肖、この瀬尾戸 宗谷。生涯に於いて友達が居たこともなければ、お泊まりなどと言うイベントに接する機会なぞに恵まれなかった男。
そりゃ、僕だって女の子と仲良くしたいなって思うこともあるよ。リサさん優しいし、“別にいんじゃね?”って乗り気な自分が居ることも否定しない!
けど出会って間もない、己より幾らか年上の女の人と同じ部屋で寝泊まりなんてハードルが高すぎて大気圏突破してる。絶対緊張で一睡もできないと思う!
「あ、あの……僕が言うのもなんですけど! 会ってまだ1日未満の相手と同じ部屋で寝て良いんですか!?」
「ウチに部屋は2個しかないから仕方ないじゃない! なに、ソーヤはお母さんの居る部屋で寝たいの?」
「そういう話じゃないです!!」
どうなってるんだ中世の倫理観。幾ら優しいってのにも限度があるだろう。そも、なんか親子の中でも僕が部屋で寝るのは決定事項みたいな感じでダイアナさん何も言わずに部屋に行っちゃったし。なんだ、客人をベッドで寝させないと死罪みたいな法律でもあるのか。
「も〜。ソーヤが何を心配してるのか分からないよ」
「い、いや……コンプライアンス的に……」
「なにそれ?」
そして、リサさんはリサさんで全く意識してない。なんでだ。何もしないって信用されてるなら嬉しいけど、なんの心配もされてないのはそれはそれで複雑というか。いや、何かする気も度胸もこれっぽちないのだけども。
「…………わ、分かりました。リサさんが嫌じゃないのであれば、ベッドで寝ます」
「やっと寝る気になったね!」
「(こういうのって意識しないのが普通なのか……?)」
そんなやり取りを小一時間したところで、結局どう言っても聞かなそうなリサへなし崩しに折れる宗谷。縁から手を離し、とぼとぼと気まずそうにしながら部屋へと2人で入って行く。
どこか嬉しそうなリサさんの面持ちとは対照的に、宗谷は顔が熱くなるのを感じて。こんなに距離が近い相手も初めてだ。
「じゃあ、ソーヤはこっちのベッドで寝てね」
「分かり、ました」
内装に特筆するところはない。私室というには狭く、本当に寝るための場所って感じ。カーテンの無い窓に、2つ分のベッド。あるのはそれぐらいだ。
既に寝巻きへ着替えていたリサは、ふぁと欠伸をして背中を伸ばす。宗谷も、気後れはしながら近くはないが遠くもない距離の寝具2つを眺めながら。彼女が使わないもう片方へゆっくりと身を置いた。
横には髪を梳かし、もう寝に入ってしまいそうな雰囲気のリサ。その光景にちょっとだけドキドキしながら、薄い布を被って横になる。恩人への邪念は消すべし。
「(初めて他人の家で寝るな……)」
思うと、まだ1日すら経っていないことに驚く。昨日は、終業式と夏休みに思いを馳せて。自室で動画を観ていたっけ。
「…………」
「〜〜♪」
一筋の静寂が空間に割って入ると。このままお互い、眠ってしまいそうなので。目を瞑る前に、呟いた。
「……その。リサさん」
「ん?」
「ありがとうございます。見ず知らずの僕を助けてくれて」
「え〜?改まってどうしちゃったのよ。えへへ、どういたしまして!」
照れたように笑うリサは、髪の梳かし終わりに櫛を置いてピースをする。直球な天真爛漫さを真正面から喰らって、どうしてか。相手の方を見るのが途端に恥ずかしくなった。
身に余るほどの優しさ。深く事情を知らずとも、子供だからという理由だってこんな風に寝る場所もご飯も用意してくれる。溺れ死ぬ前に見てる都合の良い夢だって、そう言われても納得してしまいそう。
「……どうして助けてくれたんですか?」
「ん?困った時はお互い様じゃない」
「本当に、それだけで?」
別に、彼女の善意を疑ってるわけじゃない。ただ不思議だったのだ。
この世界、警察。言うなれば衛兵だろうか。そんな公的機関は街や前に聞いた王都にしか無さそうだから、そこへ届けるのが難しかったのだとは思う。とはいえ、簡単に数日の宿代わりになってくれるなんて。相当な理由が無いと不自然な気がした。
「…………うーん」
追求する宗谷の素振りに、リサはベッドに腰掛け唸る。はらり垂れた前髪を指で絡み取りながら、視線を動かして。
「ちょうど、貴方みたいな弟が居たの」
「……はい」
「今日、弟の命日でね。お墓参りをしてた時に貴方を見かけたの。強いて言うなら、これが理由」
「そ、うだったんですか」
ああ。そっか。
宗谷は己がなんて馬鹿だったと押し黙った。リサさんより身長の低い宗谷でピッタリの男物の服。そして、子供部屋に置かれた二つのベッド。確かテーブルは4人掛けで。全部、この家で自分以外の男の子が生活してた証拠だ。
薄々、察していたつもりだけど。亡くなっていたとまでは気が回らなくて。わざわざ辛いことを答えさせてしまった罪悪感が、宗谷の顔を暗くさせた。“ごめんなさい”、呟いた謝罪は消え入るようで。
「……あー!こうなっちゃうかもなって思って黙ってたのに!」
「ご、ごめんなさい」
「ソーヤ謝りすぎ! 言っとくけど、私は別にこの日じゃなくても、倒れてたのがお爺さんでも!ちゃーんと助けてましたからね!」
空気が重たくなったのを感じたのか、静けさを突き破るリサの声。元々、湿っぽい空気が嫌いみたいで宗谷の落ち込んだ顔色へツッコんでくる。
「ほらほら、気にしない気にしない。明日ニホンへどうやって帰るか考えなきゃでしょ?」
パンッと手を叩いて、強引に話を入れ替えられてしまった。宗谷としても、無駄に雰囲気を暗くさせたくはなかったので慌てて乗っかる。
「あ、ああ。そうですね。帰り方を探さないと。……あの、水に長く潜れる道具ってありますか」
「えっ、水遊びでもするの?」
目標は潜水5分間、と言うのは冗談として。実際現実的に思えるのは行った時と同じ事を繰り返す、ぐらいだ。正直、記憶があやふやで自分がどれぐらい湖の中で溺れてたか分からないが、体感としてはかなりの時間居たと思う。
「……帰るのに必要かもしれなくて」
「えー、変なの。思い当たるのは無いけど……近所の人に聞いてみるね」
「ありがとうございます」
これで一安心、ってな訳じゃないけれど。準備できそうなことは準備しといて損はないはず。リサさんには迷惑を掛けっぱなしになってしまうが、どんなお礼をしたらいいだろうか。
その後も、ポツリポツリと会話は続いた。取り留めないことだった。大体はリサが質問をし、宗谷がちょっと考えてから回答する。好きな食べ物だったり、ニホンはどんな場所かだったり。
日本とここは違う世界で、時代も常識も変わっているから答える時は少々噛み砕いて返答を。カツ丼とか言っても伝わらないだろうし。
「……早くお家に帰れるといいね」
「はい」
「……明日、友達紹介するよ。きっとすぐ仲良くなれるよ」
「あはは。寝ないんですか?……楽しみにしておきます」
こんな、寝る前のちょっとした会話。それがこんなにも楽しい。一回の問答が終わって静かになると、また質問が来ないか待っている自分が居た。リサさんがかなりフレンドリーな人だからだろうか。話題が尽きず。
でもそろそろ夜も更けて。お互い欠伸が出ると、“寝ようか”って雰囲気に。
「おやすみ、ソーヤ」
「……おやすみなさい」
誰かにおやすみと掛けられる暖かさを感じながら目を瞑る。どうかこの温もりが、続く事を祈りながら。
――――――――――――
「……やっぱり眠れない」
そんなエモーショナルなやり取りをしておいてなんだが。案の定、睡魔はやって来なかった。
原因は明白。隣で寝ているリサのせいだ。
「ん……」
隣で寝てる彼女が寝返りを打つ度に、その布擦れ音で目が冴えてしまう。そちらにこっそり目をやると、シーツを盛大に吹っ飛ばし、無防備な格好で寝てる赤毛の女の子。かなり寝相が悪いようで、服が若干はだけてたりと。青少年の目に毒な光景が。
別にリサさんは悪く無い。悪いのは健全な男子高校生である自分の方だ。眠る前のお喋りで、“あれ、なんだか普通に喋れるな”と余裕ぶっこいたが。寝息一つでドキドキしてしまっていた。
「ダメだ……!頭冷やしてこよう」
これじゃ悶々として眠れやしない。そっとリサのシーツを掛け直してから、起こさないように音を立てず部屋から出る。
夜風に当たって思考の整理だ。……最悪、枕とシーツを持ってきてリビングの椅子で寝よう。
「はぁー。……この世界でも、星は綺麗だ」
リビングを抜け、家から出れば夜風が迎えてくる。袖の短い肌着のままでは寒かったが、邪なる者にはこれぐらいが丁度いいだろう。寒さで煩悩退散だ。
空を見上げると、そこには満天の星空。爛々と輝く月は、元の世界と比べてかなり大きいように思えた。所謂、ビッグムーンだろうか。
カメラを持っていれば思わず写真に収めたくなってしまう光景。都会ではみられない素肌の空に、感慨深い気持ちが湧いてくる。汚れた心が浄化される気分。
「そうだ。あの子元気かな」
微かにかじかむ指先を息で温めながら、宗谷は手持ち無沙汰、鶏柵で撫でていたメッコに会うことにした。
動物はかなり好きな方だ。ぼっちだった学校生活を、飼育係って立ち位置が慰めてくれることも少なく無い。自分で言ってて悲しいけど。
とことこ、家横まで歩いて行く。メッコ達もすっかり寝静まってる頃だろうか。
「……あれ!?」
しかし、そんな宗谷の予想とは相反して。鶏柵の様子は前に見た時と一変していた。
━━━いないのだ。1匹も。
慌てて駆け寄り、様子を改めるが抜けた羽根や、穀物の殻が落ちているだけだった。まるでメッコだけが忽然と転移してしまったかのように。
「…………全部ご飯にしたって訳じゃ無いよね?」
宗谷は自分で呟いてから、それはあり得ないと首を振る。ダイアナさんが処理をしていたのは1匹だけだ。食卓に出た肉の量もそれぐらい。柵の中には他にはまだ7匹ぐらい居たはず。
もしや、逃げ出してしまったのか。聞いた感じ、肉は滅多に食べない物らしい。流石にこれは一大事だろう。
「リサさんかダイアナさんを起こして来ないと……」
「グルル」
「あ! 居たっ。ま、待って!」
家に戻ろうと鶏柵を離れた時、耳は前に聞いた独特な鳴き声を捉える。
周囲を見渡してみると舗装された畦道を歩くメッコの姿を発見し、宗谷は反射的に足を反転させて追いかけた。この感じだとやはりメッコ達は皆逃げ出したみたいだ。
「ググルン!」
「あー!逃げないで!」
宗谷が近づいてくるのを察知してか、そのメッコは走り出す。しかし、動物は本能的に追い掛けてくるものから逃げてしまう。
メッコの肥大化した健脚は目を見張るもので、対応を失敗してしまったと理解した。エンジン音のような鳴き声を響かせ爆速で走って行ってしまう。
「頑張れ、頑張れ僕っ!恩返しのチャンスだぞ!」
徒競走、校内マラソンはいつもビリッケツの成績では到底追いつけなさそう。でも、一宿一飯の恩義を抱えてる身が諦める事を自分自身が許さなかった。
「グルルー!!」
「待てー!!」
共に気合いの雄叫びを上げ、村を疾走する。そして夜に響く大声。
頭からは近所迷惑だって発想がすっぽりと抜け落ちていて、目の前の白い尻を追いかけることしかなかった。メッコもそんな宗谷の姿に感化されてか、この追いかけっこに真剣になっていき。
「グルゥ!!」
「はぁっ……!ま、待ってって……!お願い……!」
脇腹を抑えながらも必死に喰らいつく宗谷へ称賛するかのように鳴き声を上げた。
いや、それよりも足を止めて欲しいのが切実な気持ちだった。ここまで来たらもう意地でも捕まえようと、息を吸い直す。
これだけ走ればそろそろ、そんな思惑はすぐに的中する。往来を走り抜け、1人と1匹がやってきたのは村と外を仕切る柵。動物も人も門以外からじゃ通るのは難しい、言わば壁。
「さぁ、もう道はないぞ!観念して抱っこされなさい!」
「グル……!」
これは進退窮まった。そんな様子で壁の周辺をうろうろして、メッコは険しい顔をしている。宗谷と壁を交互に見つめながらじりじりとにじり寄る捕獲の手から逃れようとしていた。
「もう、どうしてそんなに外に行きたがるんだい? ……あー。きょ、今日お仲間を食べちゃったのは謝るからさ」
「グルゥ!!」
「ほーら、良い子だから……」
慎重に。横へと抜けて通り過ぎられないよう、宗谷は細心の注意を払いながらメッコを落ち着かせるために声を掛けた。
これでも反射神経には自信がある方だ。走るのは苦手だが、子供の頃はよくバッタやトンボを素手で掴みにいったもの。……1人で!
不意に来られるのは苦手だけど、こんな風にして身構えれば百発百中で捕まえられる。数少ない宗谷が自慢できる特技だ。
「おや。遅れてるみたいだから迎えに来てみたら、ここで遊んでいたんだね」
「わっ!?」
「グル!」
そう。不意に来られなければの話。
突然後ろから、優しげな男性の声がしてビクリと肩を震わせた拍子にメッコは宗谷の脇をすり抜け背後へと。“あー!!”という無念の叫びを上げて追い縋ろうとするけれど、足をもつれさせて無様にも転んでしまう。
まさか、他にも人が居ただなんて。宗谷はやっと自分達の先ほどまでの逃走劇が、村の中じゃ騒ぎになるって事を思い出した。
まさか来て一日で悪目立ちする事をしてしまうなんて、きっとリサさん達にも迷惑だろうに。
「━━━え?」
取り敢えず、不恰好に転んだ姿勢から立ち上がり。謝罪しようとした宗谷の口から出たのは、“ごめんなさい”ではない。
謝罪をしなかったのではない。できなかった。
目の前に出現した“それ”に対して、常人ならば妥当な反応が。口から漏れてしまったから。
「こんばんは、ボク」
そこに居たのは決して人間などではなかった。変装、特殊メイク。そんなモノとして形容していい範疇を悠に越している質感が、確かにある。
そう、化け物。目測2mを超えた、怪異。黄色いフードを身に纏い、そこから垣間見える玉虫色の鱗を蠢かすナニカ。詳細な体付きは見て取れないが、枝を5本束ねたようにうねりを作る腕は人間の頭など容易に握り潰せるほどに大きかった。
それは老人のように腰をおり、“顔”をこちらへと差し出している。
「な、に」
表情はない。無表情などでは断じてない。怪物の大凡、頭と呼べる部位には顔がない。頭が自体がない。そこには何もないのだ。
断頭されているわけではなかった。フードの皺が、確かな物体がある事を如実に示しているのに、宇宙のような暗闇だけが広がっていて。そこだけがリアリティという概念から切り取られ、孤立してるように感じる。
恐怖。それは理解できない恐怖の体現。現実に存在して良いわけがない容姿。全ての思考が吹き飛んだ衝撃の後、容赦なくソイツは宗谷の意識を占領していく。
「こんな月の日に会えて嬉しいよ」
笑う?そんな概念が虚空にあるだろうか。深淵は震えるだけであり、そこに変化はない。唇も喉もなく、声がどこに響いているのかすら見当がつかない。
だが、確かにソイツは微笑んだ。宗谷はそう感じた。温和な男性の声質に違わぬ態度が、むしろ脳への負担を増やしていく。
「グルルッ」
横を通り抜けていったメッコは、逃げ出していたわけじゃなかった。その怪物が姿を現すと、一目散にその元へと駆け寄っていき。まるで終生の飼い主でも現れたかのような態度で甘えた鳴き声を出す。
異質だった。生物ならば警戒すべき相手じゃないのか。宗谷の本能は訴える。これからは、逃げるべきだと。
「君も、人間を連れて来てくれてありがとう。お疲れ様」
「……あ。ま、待っ」
怪物が、自身の足元へ頭を擦り付けてくるメッコへしゃはみ、指先を向ける。指の腹で毛を撫で、メッコが顔を細めて。
行動だけ抜くのならば、それは微笑ましいことだろう。宗谷自身も同じ事をやっていた。でもその子がリサさん達の飼育していたものであると思い出すと、思わず声を上げてしまった。
そのせい、だろうか。
「え」
ポトリ。そんな擬音と共に。いきなりメッコの小さな首が、体と別れる。
先程まではしゃぎ、鳴き声を上げていた生き物は呆気なく倒れた。ピクピクと足を痙攣させる様は、ダイアナさんがメッコを捌いていた時にも見れた光景だなと、頭が呆然と呟く。
綺麗に両断された首元から血が広がる。バケツで溢したみたいに、ゆっくりと。丁度良くこちらを向いている断面からは、頸椎も筋肉も、良く見えた。
だらりと降ろした怪物の手先、爪に血が滴っている。そうか、あれで首を。たった、撫でるようにするだけで、首を。
「あ、あ」
そして。
怪物の顔は、こちらへと向いた。
逃げ出そうとは思っていた。ずっと前から。眼前で起きていることが全く理解不能であり、今や相手は一つの命を花を手折るかのように奪って見せたのだから。叫び声でもなんでも上げて、尻尾巻いて逃げるべきだ。
なのに。足は動かない。面白いぐらい震えてる。予想外の邂逅に、頭が追いついてない。
「どうぞ、怖がらないで」
「こんなに月が輝いてるじゃないか」
怪物はそう呟いて、上を見上げる。彼は紳士的な振る舞いをしたまま、ずっと。笑っている。
はらりと、力が抜けて。座り込むと。自然に、顔は空を向く。家を出た時に眺めた星空は、まだ悠然と輝いていて。
ああ、確かに。
今夜はとても、月が綺麗だ。