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「煽った甲斐がありました、あ、言っておきますけど前回のあれは全部嘘とかじゃないですからね?」
「うん、いまも煽っているわよね」
「見て感じたことをぶつけただけです、一青さんも同意見ですよね? なんでも合わせていたら駄目ですよ」
「俺としては理央を選んでくれるのが一番だったんだけどな」
「うーん、だけど理央さんには全くそうやって行動していませんでしたからね、それに一青さんだってそれを避けたかったんじゃないですか」
だから何度も言っているように俺に変わることを求めたときのことであって、変わることを求めていなければ俺的にも一番よかったのだ。
友達としては普通にいられるし、理央とか諸永は気になる相手に集中できる、どちらにとっても損はないことでよかったはずなのに何故かこんなことになって微妙だ。
彼女に不満があるということでもなく――いいか、どうせもう変わらないから考えも意味はない。
「それで仲直りできたのは分かりましたけど関係はどうなっているんですか?」
これは俺が聞きたいぐらいだった、今回は余計なことを言わずに受け入れた形になるが別に告白をした、受け入れたというわけではない。
あんたがいいというのはそりゃまあちょっとぐらいは俺を気に入っているのもあるだろうが、実際のところは一度そうやって動いたから意地になっているだけだ。
完璧とまではいかなくても理想に近い感じにならないと満足できなさそうだしな、もちろん怒られるだけだから言わないが。
「私が求めて涼成が受け入れてくれたというところかしら」
「なるほど、つまり一青さんがその気になればもう抱きしめたりできてしまう関係ということですね?」
「そうね、ま、全然してこないんだけどね」
「諸永さんが積極的になるしかないですね、待っていたら日が暮れてしまいます」
「それどころか高校生活が終わりそうよ」
大丈夫そうだからこの後してみるか、曖昧な状態なのが一番落ちつかないからはっきりした方がいい。
で、意外と早くどこかに行ってしまったからそのまま外でしてみたら石みたいに固まってしまったという……。
「大丈夫なんだよな?」
「……外でやるとは思っていなかっただけよ」
「一応人がいないかを確認してからやったから大丈夫――のはずだったんだけど何故か理央がいるな」
最近はこういうことが増えた、部活の時間が減っているよりも彼がさぼっているようにしか見えない。
「これが所謂脳破壊というやつなんだね……」
「なんか変なことを言っているから帰るか」
「まあまあ、僕も付いて行っていいかな? 別に自由にいちゃいちゃしてくれていいからさ」
「友達が壊れてしまった」
「壊したのは涼成と詩舞だよ、はは、ははは」
隠しているだけかもしれないが傷ついているようにも見えなかったので、彼も家に連れて行くことにしたのだった。




