はじめての依頼
「ッシャ、死ねオラァッッ!!」
ドゴン!と大きな音を立て、魔物が吹っ飛ぶ。いやー、今回は気持ち良く飛ばせた!たまんねぇなぁ!!
「一応僕らは魔物の素材収集の依頼をこなしに来たってのは覚えてるよね?」
「当たり前だろ」
「じゃあその、もう少し手心って物を…」
ゾミの視線の先には、さっき俺が飛ばした魔物の無惨な死体があった。
「ぐっちゃぐちゃで取れる素材がどこにもないよ」
「すまん、初めての戦闘でテンション上がってた。気を付けるわ」
「うん、ありがとう。…待って、今初めてって言った??」
「おう」
「初めてでそんな動けるって…前世で何かやってた?」
「スポーツは特にやってねぇぞ。体力には自信あるけどな」
「へぇ、なら才能かな」
俺は天才だったのか…マァ、両親からも「ルルは本当に天才だなぁ♡天に愛されすぎて拐われちゃったらどうしよう!!」「そしたらママとパパで守り通すまでよ♡」「それもそうだね♡」とか言われまくってたし。
「自己肯定感が爆上がりしそうな家庭だね…」
「だろ?その結果がこれだ」
飛び掛かってきた猪っぽいのを頭だけ狙って潰す。良し、できた!!やっぱ俺天才だわ。
「ウワ、脳みそ飛び散ってる。でも、これなら毛皮も肉も取れそうだね!」
「そっちも順調そうだな」
ゾミは光魔法の《浄化》で俺が狩った魔物を綺麗にしていた。
「大量に狩らないでも、ちょっと手間掛けるだけで査定額は結構変わるよ。これ、ソロ活動してた先輩からのアドバイス」
「流石っす先輩」
「どーも。じゃ、暗くなる前に帰ろっか」
「そういや、お前どこ住み?俺は鍛冶師のとので世話んなってる」
「僕は宿屋に泊まってるけど…あー、確かに。パーティー組んだのに居場所が分からないのは不便か…」
ナンパしたら謎に納得されて草。
「良し、なら明日僕が泊まってるとこに遊びに来なよ。今日たくさん働いたし、菓子パでもして休も!」
それってつまり…お家デートじゃん!?!!?