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はじめての鍛冶(ではない)


「自分の武器造ってから冒険者の活動したいっす、師匠」


「あら、それなら私たちの工房を貸すわ。素材も…今回はオマケしてあげる。次回からはちゃんと自分で持ってくるように」


「了解です」


というわけで必要な器具と素材ももらえた。やったぜ、言ってみるもんだな。


「スキルの使い方は分かる?」


「分かります。親に教わったんで」


「なら大丈夫ね。スキルさえ使えればなんとかなるし」


「マジで前世の鍛冶を知ってるとこんなんで良いのか?ってなるよな」


「ナメてんのかって感じよね」


この世界では大概スキルさえ使えば何とかなる。現代知識で技術チート!とかやってる暇あったらジョブレベルをあげた方が良い。


「金物も叩いてたらいつの間にかできてるのよねぇ…」


「鋳造しねぇんだってビックリしたよな」


「詳しいそうですけど、もしかして前世でその筋の人でした?」


「イヤ?趣味でラノベ書いてるときにちょろっと調べただけよ。実際にやれと言われたら無理」


「オレはあに…姉貴のラノベ読んでたから少し分かるくらいだ」


まさかの創作家さんだった。後で読ませてほしい。


「ちなみに、どこまで適当にできるか試してみたことがあるのだけど、お茶とお菓子でティータイムしながらまでならできたわ。オセロでよそ見しながらはダメだったけれどね」


ナメてんなぁ…


「オマエもやって良いんだぜ?マ、危ねぇけどな」


「やるなら自己責任よ~。私たちは一切庇わないわ」


「了解です」


興味はあるが、最初くらいはマジメにやるか。


「…………………………………」


トンテンカンとしばらく無心で叩いていたが…これ時間掛かるんだよなぁ。Lv.1の頃よか完成までのスピードは短くなってるんだが。暇だし、何か造りながらクッキーつまんでる師匠たちに話し掛けよう。雑談くらいならマジメの範疇だ。


「…そういえば思ったんですけど、スキルさえ使えればなんとかなるなら、何で徒弟制度なんてあるんですかね?」


「あぁ、そりゃアレだよ。他人にスキルについてアドバイスしても、レベルが上がるんだよ。つまり親方側の都合だ」


「教えると身に付くって言うじゃない?」


「そこは現実的なんすね…」


そこに現実味足すくらいならガキンカキン音を鳴らして鉱石叩いてる横で、クッキーに蜂蜜掛けて食い始めた師匠たちも何とかしてほしかった。ウワ、ブルーベリージャムも足してる…


「姉貴、その上に砂糖まぶすのは止めておけよ。ルルが引いてんぞ」


「ピーナッツバター狂のあなたに言われたくないわ」


「ヤ、どっちもどっちなんすけど…」


二人にドン引いてたらいつの間にか完成してた。あれ、ガッツリよそ見してたんだけどな。何で成功してんだろ。マァいっか。


「鉄のハンマーできたんで冒険者ギルドの方行ってきま~す」


鍛冶は家で何度もやってたから初めてじゃないが、冒険は初めてだ。ワクワクするな!野宿とかもしてみようかな。


「はーい。晩御飯には帰ってくるのよ~?」


「今日はオムライスだぞ~」


「わーい!!ルル、オムライスだいすき!!!」


絶対早めに帰ってこよう。

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