薬草採取2
俺はベッドで寝ていた。
ゆさゆさ体が揺れている。
あれ?地震か?
「ん?」
「おはよう。会いたくなったから、来ちゃった」
アンが俺の顔をのぞきこんでいた。
「・・・!」
一気に目が覚める。
心臓がどきどきしている。
アンが不思議そうに首をかしげてる。
少し時間が経って気持ちが落ちついてきた。
「今日は薬草を取りに行くからね。構ってあげられないけど」
アンには背中を向いていてもらって、俺は着替えながら話す。
「一緒に行く!教えてあげる」
ま、まあ薬草取るだけだから、危険じゃないけど…。
俺はアンの勢いに押されてしまった。
****
俺とアンはミカゲの森に来ていた。
「えっと、ユーリ草はと、丸っこい葉っぱかな?」
「その葉は多分こっちかな?」
大きい岩は森の奥にあるらしい。
しばらく二人で歩く。
人の手が入っていない森はうっそうとしていた。
うかつに入ったら迷いそうだ。
ひらけた場所に大きい岩があった。
直径3メートルはあるだろうか、予想していたより大きい。
「ちょっと取りずらいけど、ここにあるよ。」
確かに取りずらいな。
岩を退かせればいいんだけど、ショベルカーとかじゃないと。
人力じゃ無理そう。
何か無いかな…。
目の前に、コロンと金属の鉄パイプが転がった。
無意識でイメージしたのだろうか。
俺は、岩の下に鉄パイプを差し込んだ。
テコの原理で動かないかな?
おもいっきり体重をかける。
「せーの!」
ゴゴゴ・・・・。
「動いた。」
「うわぁ。凄い!」
素早く、アンにユーリ草を採ってもらう。
そっと、岩を元の位置に戻した。
慌てて採ったから数はかぞえてないけど‥まあいいか。
俺は鉄パイプを持ちながら歩いていた。
俺ってこんなに力あったっけ?
「ずいぶん遠くに来ちゃったね」
「本当、早く帰らないと日が暮れちゃう」
ザザ・・・
茂みで音がする。
「やば…何かいるかも…。」
何かキラリと光った。
シルバーウルフかもしれない。
てっきり犬かと思っていたが、オオカミらしかった。
ウウウ・・・
俺は鉄パイプを持って、構える。
あまり動物を殴りたくないんだけど‥仕方ない。
3匹のシルバーウルフが目の前にいた。
「アン、岩の後ろに隠れていて」
俺は襲ってくるシルバーウルフをかわす。
実は喧嘩なんてしたことない。
だが、何とかなりそうな気がする。
「ごめん、手加減できない。」
無我夢中で、シルバーウルフを殴った。
人生で一番動き回ったかもしれない。
どこをどうやったのか自分でも憶えていないが、倒したみたいだった。
****
俺はアンの家に来ていた。
大丈夫だと思っていた割に、腕を怪我してしまったからだ。
傷薬があるから、寄って行ってほしいといわれた。
「そりゃ凄いな。3匹のシルバーウルフを倒すとは。」
ファーレンさんが驚いていた。
「それでも、だいぶ腕に傷が付きましたが」
「・・・薬持ってきたよ」
アンが薬を持ってきてくれた。
丸い容器に入った軟膏だった。
「ありがとう」
「傷口を水で流して拭いてからの方がいいかも」
アンは桶に水をいれて、タオルで腕を拭いてくれた。
「・・・っつ!」
傷がしみる。
「ごめん・・痛かった?もう終わりだからね」
アンはやさしく傷口に薬を塗ってくれた。
****
ファーレンさんが聞いてきた。
「それで?薬草はすべて集まったのかな?」
「いえ、まだ1種類残ってます。マリー花という花なんですが」
「‥‥」
ファーレンさんが依頼書をじっと見る。
「その依頼書見せてくれ。」
ファーレンさんは丹念にマリー花の依頼書を見つめていた。
「やはりな‥。この依頼はあきらめた方が良いな。」
「え?どうしてですか?」
「そうだな。はっきり言うと見つけるのが困難だからだ。多分この花は《《しばらく見つかっていない》》はずだ」
ファーレンさんは依頼書のすみを指さした。
依頼発注の日付。
「この依頼書を見る限り、マリー花はおそらく2年は見つかっていないだろうな」
面白かった
続きが気になる!
と思ったら
下の☆☆☆☆☆から作品の応援お願いいたします。
面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ正直な感想で構いません。
ブックマークもいただけると嬉しいです。




