表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/43

花屋(終話)

王都に来てから数年が立った。

お金が思っていたよりも早く貯まってきたので、お店を出すことにした。


「城の仕事辞めたほうが良いよな」


思っていたより居心地が良かったので、やめる決心がつかない。


「ミライは辞めなくていいよ?他に人雇えばいいんだし」

思わぬアンからの提案。

そういう手もあったか。


「ごめん。最初は一緒にやる約束だったのに」

「いいよ。私は食堂のお仕事で接客とか勉強になったし」


お店の出店場所をアンといくつか見てまわった。

「やっぱり表通りは値段が高いな」

「裏でも大丈夫だよ。人気が出れば隠れた名店になるし」

アンはがぜんやる気に満ちているみたいだ。


最初から上手くいかないかもしれないけど、俺が仕事をやめなければ共倒れしなくても済む。

これはこれで有りなのかな?


細かいところはアンと一緒に相談して決めて、最初の通り薬草と生花を売るお店という事で決まった。

以前お店として使っていたテナントを、改装して店にする。

新しくお店を作るよりも安くなるからだ。


「名前はどうする?」

「そうだね~」


やっぱりすぐには決まらない。

まぁ、改装して出来上がるまでに考えておけばいいかな。

「ん~」

アンはうんうん悩んでいる。


「赤い・・少女」

俺は思いついたことを言ってみた。


「それ私じゃない?」

「じゃぁ黒髪のミライ」

「まんまじゃないか」


何かうまい名前はないだろうか。

結構難しいな。


分かりやすくて、憶えやすいのが良いな。

花屋と名前とか。


「花屋赤い少女」

「花と薬草のお店」

「花と薬草のアン」


「何で、私の名前を入れるのよ・・恥ずかしい・・」


「でも俺のいた世界では普通だよ?アンの働いていたところもそうだったんじゃない?」


「あ~そういえばそうかも」

「じゃあ、『花と薬草のお店アン』で決まりね」

「もう、ミライったら強引なんだから・・」


顔を真っ赤にしているアンは、とても嬉しそうだった。


****


お店は少し裏に入った通りにオープンした。

最初なので花はそんなに多く仕入れていない。

どちらかというと、薬草を集める方が大変だった。


「お客さん、来るかな・・」

緑のエプロンを付けたアンが、不安げに外を見ている。

俺は3日休みをもらって、お店を手伝う事にした。


「きっと来てくれるよ」

目新しいものを見る人はいるはずだ。

ここは王都なんだから。

通りかかる人に声をかける。

「いらっしゃいませ。今日オープンしました。良かったら見ていってください」

満面の笑顔でアンが声をかけた。


一人、お店の中に入ってくれた。

最初は売上とか、気にしないほうが良いかもしれないな。

認知してもらう方が大事だから。

「ここ、薬草もあるんだね」

冒険者の男性は声をかけてくれる。

「リクエストがあれば、出来るだけ揃えるようにします」

「へえ~そうなんだ」


男性はするっとお店から出て行った。


「行っちゃった・・」

「まあ、最初はそんなもんだろ」

俺はアンの肩を叩いて励ました。


お店の話が持ち上がった時、ひそかに思っていた事があった。

あの花を売ってみたらどうなのだろう?

いや、止めておいた方がいいかもしれない。

要らぬ心配事を増やしてしまいそうだ。


まあ想像するだけなら自由だし、面白そうだけどね。


通る人を眺めながら、妄想する。

「「いらっしゃいませ」」

アンが声を張り上げている。


「ミライも手伝ってよ」

「ごめん。ごめん」


「「いらっしゃいませ。『花と薬草のお店アン』本日オープンしました。良かったら見て言ってください」」


俺は大声を張り上げた。

俺はアンと並んで緑のエプロンを身に着けている。

一瞬ぎょっとしたような目線が俺に向けられた。

あ~俺見た目怖いからなぁ。

お店向けじゃないのかもしれない。


でも目立って宣伝になるかもしれない。

頑張るぞ。


俺は懲りずに声を通行人にかけ続けた。




面白かった


続きが気になる!


と思ったら


下の☆☆☆☆☆から作品の応援お願いいたします。


面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ正直な感想で構いません。


ブックマークもいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ