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秘密

「君、魔法収納マジックボックス持っているんだってね!」

殿下が嬉しそうに話す。

「はい・・・」


言わないほうが良い、って言った本人が言ってるじゃないか。

ちらりとユリウスを見る。

もしかして報告の義務とかあるのだろうか。

ユリウス室長は隣で神妙な面持ちでいる。


「ユリウスは帰っていいから」


俺一人と、リスタ殿下、護衛の三人きりになった。

「こいつ、エリルは口固いから大丈夫」

「それで君、何か隠してないかな?」

「何をですか?」


「魔法収納以外にも何か出来ること無い?」

「少し魔法が使えますが、火とか出したり」

「ふうん。普通だねぇ」


リスタ殿下は、呪文を短く唱えると手から火を出した。

「この位なら誰でも出来るよ。じゃなくてさ、特別な能力とか持ってるでしょ」


俺、嘘付けないんだよな・・。

誤魔化しても悪い方に行きそうだ。

諦めて正直に話した。

「女神さまから頂いた力ですか・・」


「そうそう、そういうの!って君ラシーネ様にお会いしたのかい?」

「はぁ、俺は異世界転移者ですからね」

前もこんな会話したなぁ。

そうそう、カモミールさんとだ。

この能力ばらすとさすがに不味いよな。

どうしたらいいだろうか。


『ミライさんどうしましたか?』

頭の中にラシーネの声が聞こえてきた。

(いま、困ってるんです。殿下に能力の事を聞かれてどうしようかと・・)

届いたかな?

『わかりました。では私から力を授かったと言ってください。このことは他言無用で、言ったら天罰が下るとも』


「えええ?」

思わず声が出てしまった。

「どうした?」

殿下に変な目で見られてる。

ええい!もうどうなってもいいや!


「実はラシーネ様からお力を頂いたのですが、他言無用でお願いします。言ったら天罰が下ると仰ってます」


「・・天罰とか。本当か?」


「俺にしか聞こえない声で話しかけてきているので、本当だと思います。これでも俺の能力聞きますか?」


「・・・要は言わなければいいだけだろう。私とエリルしかおらんからな」


「実は・・・」

俺は再現能力を説明した。

実際にやってみて、実演して見せた。

見たことが無いものは再現できないので、あまり使えないとは思うけど。


「秘密にしよう。《《絶対》》約束は守るぞ。天罰があったら怖いからな」

こういうのって有ると、使いたくなるものなんだよな。

利用されたりしないだろうか?

俺は一抹いちまつの不安を覚えた。


****


「ミライ?大丈夫?」


アンに声をかけられ、俺は苦笑いをした。

心配をかけてはいけない。

能力を見られて、不安にならない方がおかしい。

口外しないと約束したとはいえ、国家権力に利用されるかもしれない。

不安は俺の中で、だんだん大きくなっていった。



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