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魔法収納

「もう、持ってきてくれたんだね」

俺は、ユリウス研究室長の部屋に来ていた。

本当は一週間後くらいと思っていたのだが、3日後に花を持ってきた。

革袋に入れて、それっぽくしてみた。


「それにしても随分新鮮だね。今採ってきたみたいだ」

魔法収納マジックボックスで収納してましたから・・」


言ってからしまった!と思った。

俺が保管していたことが、バレてしまうじゃないか。

っていうかそもそも俺、魔法収納マジックボックス持ちって言ったっけ?


「君が保管していたのかな?おかしいね。確か友人から譲り受けたと聞いた気がするけど・・その言い方だと、君魔法収納(マジックボックス)持ってるのかな?」


「あ~すみません。俺魔法収納(マジックボックス)持ってます」

気まずい、俺は目を反らした。


「花は?」

「以前採ってあったのがあって、それと少し友人に譲ってもらいました」

「ふうん。まあいいけど。本物みたいだし。有難う。あ、それと他の人に『魔法収納マジックボックス』持ちって言わないほうが良いよ。色々な人がいるからね」


「わかりました」

「お金は直ぐに用意するから、今日は戻ってお仕事していていいよ」

「はい。失礼しました」


ドアを閉めて、廊下に出た。

俺は素直すぎるというか、思ったことを直ぐ口に出てしまう所がある。

嘘が付けない。

気を付けよう、そう思ってはいるのだけど。


****


研究室に戻っても緊張感が拭えない。

悩んでいても今更だけど・・。

仕事に集中しないと。

俺は指示された、薬草を乳鉢ですり潰していた。

「ミライ君、もういいから」

「え?」

どうやら、やり過ぎてしまったようだ。


「どうしたの?今日体調悪いとか?」

同僚のルイジさんに心配された。

「大丈夫です。すみません」

「ならばいいけど。無理しないでね」

茶色の髪、黒い目が不思議と懐かしさを覚える。

研究室で安心できる色合いだ。


「ミライ君ちょっといいかな」

仕事が終わり、帰ろうとしていた頃室長に呼び止められた。

今朝の事はすっかり忘れていた頃に。

「何でしょうか?」


俺はまた、研究室長の部屋に行くものだと思っていた。

だが、ユリウスは違う道へと歩き始める。

「いったいどこへ行くのでしょうか?」


ユリウスは後ろを振り返り

「ちょっと今朝の事を話ししたら、殿下が興味を持ってな。遅くなって済まないが少し付き合ってくれないか」

以前、研究室に来られた方だ。

一体なんだろう?


日が沈みかけて廊下は暗くなりつつあった。

急いで、殿下のいる部屋へと向かう。

こっちの塔は来たことが無い場所だな。

広すぎて、案内が無ければ迷いそうだ。



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