桜
「ちょっと聞きたいんですけど・・」
俺は冒険者ギルドに来ていた。
シャーリンさんに声をかける。
「何でしょうか?」
「マリー花って幾らで取引されてるんですか?」
「!」
シャーリンさんは目を見開いた。
俺に耳打ちする。
「また、採ってきたのですか?」
「そうじゃないんだけど」
「はぁ~驚かせないで下さいよ。そうですね、ギルドなら一束8000ネルと言ったところでしょうか」
「わかりました。有難うございます」
「採ってきたなら喜んで買取しますからね」
8000ネルか高額だな。
ギルドの価格だから良心的なのかもしれないけど。
他の店ならもっと高額でもおかしくないかもな。
****
研究室でユリウスさんに聞いてみた。
「マリー花、幾つくらい必要でしょうか?」
「10束くらい・・出来たらもっと欲しいところだが」
「一束1万ネルって言ってましたが、大丈夫ですか?」
「ああ、それくらいなら大丈夫だ。出回っていないからな」
そういえばあの花、何に使うのだろう。
確か魔力回復のポーションを作れるって言ってたっけ。
やっぱり、研究用かな。
たまに作って持っていけば、臨時収入になるかもしれない。
あまり頻繁にやりすぎると、疑われそうだけど。
****
その夜、俺は家のリビングでマリー花をイメージして再現した。
白い花が手の中に現れる。
「わぁ、キレイなお花」
隣で見ていたアンが歓声を上げた。
俺は直ぐにアイテムボックスに収納する。
「あれ、仕舞っちゃうの?」
「うん。これはお仕事で使うものだからね。因みにこの前、家の前に植えていたのはこの花の木だよ」
「そうなんだ」
「いっぱい咲くとキレイなんだよね。桜みたいで」
「さくら?」
「俺の故郷で沢山咲いていた花だよ」
「へえええ。咲くといいね」
春になると咲く桜。
桜もすぐに散ってしまう儚い花。
庭のマリー花が咲いたら日本を思い出しそうだ。
「そうだ!」
俺は慌てて、庭に出た。
マリー花は希少で、実物を知っている冒険者がいたら採ってしまうかもしれない。
結界魔法・・マリー花の木を包むように。
透明な結界を木の外側に張ってみた。
「たまに張りなおさないと駄目かな」
結界は時間が経つと消えてしまうらしい。
一週間くらい持ちそうなので、その都度張っておけばいいか。
「何してるの?」
外にいたらアンが聞いてきた。
「ああ、この木に悪戯されないように魔法を使ってみたんだよ。この花はお金になるからね。冒険者が採らないようにね」
「へえ~。ミライって何でもできるんだね。魔法使いにもなれそうだよね」
アンは感心していたみたいだった。
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