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白い花

俺が王都に来てから半年が過ぎた。

アンも食堂のバイトが慣れてきたようで、毎日楽しそうにしている。

ようやく少しお金が貯まってきたので、家を借りようと契約したところだ。

城での仕事も少しずつ慣れてきて、このままがいいかなと思い始めていた。


「結局、最初見た所に決まったな」

森の中にある家。

暖炉が付いていて、比較的新しい。

「色々見たけど、気になってたんだよね」

他は普通の家だと思うけど、森の中の家は少し作りが凝っていてお洒落な家だった。

不動産屋の男性は苦手だったけど。


「このまま王都に住むんでもいいかな」

「え?お花屋さんするんじゃないの?」


ぎくっ

俺は横のアンの顔を見た。

何だか怒っている。

もちろん俺の言ったことに対してだ。


「お花屋さんだよね?最初にそういってたもんね?」

「・・そうだね。うん」


何て言うか最近の生活に慣れてきて、このままでもいいって思い始めていたのだ。

安定した生活。このままでいいのではないかと。

アンは違ったみたいだけど。


****


「マリー花って知ってるか?」

研究室でビーカーを洗っていると、上司のユリウス研究室長が訊いてきた。


「白くてキレイな花ですよね」

俺は答える。


「実物を見たことがあるのか?」


少し驚いた様子のユリウス、そういえば希少なんだっけ。

でも隠す事でもないしな。


「見たことありますよ。ギルドに持って行きましたし」

「そうか、君は冒険者だったな」

腕を組んで、何故か納得したようだ。


そういえば、前の家を出る時アイテムボックスの中に、マリー花の木を入れてそのままだった事を思い出す。

アイテムボックスの中は、時間が止まっているので木を入れておいても枯れることはない。

家も決まったことだし、庭に植えておくかな。


「もしかして、手に入るかな?」

「はい?」

また山に行って取ってこいと?

前回はカモミールの案内があったから行けたわけで・・前採ってきてからそんなに経っていない。

さすがに不味いだろう。

それに行くだけでかなりの日数がかかる。


ん?まてよ?

再現できるな。

というか、この能力バレたら不味いだろさすがに。

知り合いに譲ってもらったということにして、こっそり出せばいいか。


「知り合いに頼めば何とかなるかもしれません・・が今回だけですよ?」

「今回だけ?」

「希少な物なのであまり無いらしく・・」

「そうか、よろしく頼んだぞ」

「はい」


さて、知り合いに頼んだことにして、一週間後くらいに渡せばいいかな。

「譲ってもらいました」という風に。

お金も払ったって言ったほうがいいよな。

っていうかあれ値段いくら位なんだろ。

久しぶりに冒険者ギルドへ行って、調べたほうが良いかもしれない。

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