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温泉の町

ホトス町の宿屋は一軒しかなかった。

幸いにも空いていたので、借りられたけど。


「えっと、話したいことって?」

部屋に入ったところで、俺はアンに聞いてみる。

「えっとね。私の着替えが全然ないの。慌てて、追っかけてきたからそれと・・」

どうやら、何も持ってきていなかったらしい。

よっぽど慌てていたのだろう。

「じゃあ、後で買いに行こうか」

「いいの?」

「この町だとあまり売ってなさそうだけど、それでもよければ」


****


「温泉っていうのがあるんだって」

アンが俺の所へ来て、楽しそうに言ってきた。

宿屋の人から情報を色々聞いてきたらしい。

「服が売っているお店を聞いたりしてたんだけどね」

「へえ~」

この世界でも温泉あるんだ。

「温泉って何だろう」

「えっと、自然と湧き出るお湯みたいな?」


適当に答えてしまっているが、俺の理解なんてそんなものだ。

火山がどうとか、あるんだろうけど説明が上手く出来ない。

「肌がつるつるになったりするんだよ」

「へええ~」

アンは瞳を輝かせている。

興味津々みたいだ。


地元の人しか知らない所に温泉は会った。

「見た感じ普通の川だけどな」

手で触ってみた。

「おお、温かい」


普通の川の隣に、石で円形にせき止められている。

「服って、どうするんだろ。石の上に置いとけばいいのかな」

俺はここで重要なことに気が付く。

一緒に入ったら混浴になるのでは・・。

俺は顔が真っ赤になる。


「アン先に入っていいよ。俺は後にするから・・」

「・・え。別にいいよ。ミライだし」


宿屋の人に温泉に入るって言ったらタオルを貸してくれた。

銀貨3枚で。

俺達は背中合わせで、服を脱いだ。


月明かりが辺りを照らして、水面をきらきらと反射させている。

「一緒に入るなんて初めてだね」

アンは顔を真っ赤にして笑っていた。

温泉は熱めの温度、外だからちょうどいいのかもしれない。

俺にはちょっと刺激が強すぎるな。

温泉は透き通っていて、アンの肢体が見える。

大事なところは、タオルで隠していたりするのだけど。

顔が熱い。

変な気を起こす前に、俺は温泉から上がることにした。


温泉から出た俺たちは、宿屋へ向かっていた。

アンは俺の腕にくっついていて、小さな胸の感触が腕に伝わる。


「アンあのさ・・あの胸があたってるんだけど・・」

俺はたまらず言った。

「そっか、別にいいじゃない?くっついてると安心するんだよね」

「・・変なことするかもしれないよ?」

「いいよ。別にミライなら」

俺とアンは肩を寄せ合いながら、町を歩いていった。


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