出発
朝、俺は歩いていた。
朝もやの中、ミカゲの森にいる。
「アンに最初にあったのはここだったな」
小屋にあった荷物はアイテムボックスにすべて収納してある。
こういう時、便利な能力だな。
他の町に行っても冒険者として、そこそこやっていけるだろう。
そんな事を考えながら歩いていると・・・
「どこ行くの?」
いまここにいるはずの無い、赤い髪の少女が立っていた。
「ちょっとギルドへ」
「まだ、開いてないよ」
何でいるんだろう。
何でバレてるの?
こっそり出て行こうと思ったのに。
「お礼くらい言わせてよ。お父さんがすまない、ありがとうって言ってた。」
「んじゃ!」
「こら!私も一緒に行く!」
「え?」
「親には言ってあるから心配しないで。どこ行くか決めてあるの?」
アンにはすべてお見通しだったようだ。
「・・・決めてないよ」
「そっか」
****
アンが出て行ってしまった。
ミライについていくと言っていたから、もう戻ってこないだろう。
「自業自得か・・・」
今回はミライ君のお陰で、税の支払いは何とかなったが・・今まで何もしてこなかったツケが今、目の前にきたってことか。
「もう遅いが、反省しないといけないな・・」
娘はもう戻ってこない・・・私は一人きりになった部屋を眺めた。
****
「ねぇ、行先決まっていないなら、あそこいかない?」
「王都ファンガム?」
アンが王都へ一度行ってみたいと、言っていたことがある。
「行ってみたかったんだよね~。もちろん冒険者ギルドもあるだろうし」
確かに前に来たときは観光どころじゃなかったからな。
行ってみるのもいいかもしれない。
「結構遠いよ?馬車で5日くらいかかるよ?」
まだ時間が早くて、馬車を借りるにも待つ感じだな。
「レイト町で朝食たべてから行こう?」
アンは俺の腕を引っ張った。
「食べてなかったの?」
「だって、ミライがつかまえられないと・・困るから」
アンが眉を寄せて言った。
「ごめん、心配かけたね。もういなくならないから」
俺はアンを優しく抱きしめた。
****
ガタガタ・・
結局馬車は借りなかった。
この先を考えたら安く済ませることにした方が良いと思ったからだ。
乗合馬車は街道を進んでいく。
馬車がタクシーだとしたら、乗合馬車はバスといったところだろうか。
見慣れた風景は次第にみえなくなり、来たことのない町へ停まる。
「お客さん、ホトス町に着きましたよ」
御者がつげると、料金を払い俺とアンは降りた。
乗客は二人しかいなかったので、貸し切り状態だったけどね。
「今日の宿探さないとね」
「そうね、それとミライに色々相談しないといけないかな」
相談?何だろう?
俺、アンに何かしたっけ?
一抹の不安を抱えつつ、俺は町の宿屋を探す事にした。
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