帰郷
俺たちは夕刻に王都に入った。
門に入る前に、自転車をアイテムボックスに収納する。
疲れた体に鞭を打ち、冒険者ギルドへ向かった。
盗賊を通報するためだ。
冒険者ギルドは閉店近くだったようで、人がまばらだった。
盗賊は有名なCランク冒険者達だったらしい。
「信じられませんが、本当のようですね…。おそらく登録抹消の後、逮捕されることになるでしょう」
銀髪の眼鏡をかけたギルド職員の女性。
金色の瞳が鋭い。
仕事が出来そうなタイプに見えた。
王都のギルドも町のギルドと似た作りだった。
どこも同じなのかな?
俺はあたりを見回していた。
「それにしても、よくご無事でしたね。まだEランクなのでしょう?」
「そうですね・・たまたま運が良かったのですよ」
「なんてこった!この方は…モゴモゴ…。」
オーランドさんが口をはさんだ。
余分なことを言いそうだったので、俺はオーランドさんの口を手でふさぐ。
「では。失礼します」
俺は慌ててオーランドさんと外に出た。
「すみません。口をふさいでしまって。大げさにしたくないので」
「変わったお人だ。謙虚なのはいいことですが、もっと誇っていいんですよ?・・まあ、いいでしょう。今夜はご馳走しますよ。それと報酬は倍に引き上げます」
・・俺はオーランドさんに夕飯をごちそうになり、高級宿まで手配してもらった。もちろん代金もおごりである。
帰りは馬車を用意してもらった。
「王都ファンガム、今度ゆっくり観光してみたいな」
昼間見る景色は夕刻と違い、華やかな街並みだった。
アンと来れれば楽しいかもしれない。
****
「本当に倍の金額だ…。」
4万ネル×5日=20万ネルを冒険者ギルドで受け取った。
そもそも本来の仕事自体、商品はほとんど納品できなかったわけで…。
俺が持ってきた高級品だけ納品出来たのだ。
納品先の店の人は最初は驚いていたが、盗賊自体珍しくないようなので、よく無事で…と心配されて終わった。
オーランドさんからは次も是非お願いしますと頼まれた。
今度からもうちょっと上手く逃げれるように?ならないと。
強くなったほうが良いのかな?
魔法も使えるようになったほうがいいのだろうし。
「冒険者のランク上げたいな」
冒険者ギルドで言われたことが引っ掛かっていた。
悪気は無いっていうのは分かってはいるんだけど。
****
「「ええ―――っつ 」」
「盗賊に襲われただって??」
アンとファーレンさんに驚かれる。
帰ってきたので挨拶ついでにアンの家に寄った。
「怪我してないかい?というかよく無事で帰って来れたな」
ファーレンさんに体をぺたぺた触られ心配される。
アンは驚きすぎて放心状態だ。
おーい戻ってこい~。顔の前で手を動かしてみる。
しばらくだめかも。
「外は結構危ないな・・無事で良かったが・・」
ファーレンさんもアンが放心状態で、気になってちらちらと見ている。
「商人相手でしたので、狙われたのかもしれないですけどね」
今思うと、前々から計画していたのかもしれない。
「仕事を請け負うときは気を付けないとだな。何が起こるかわからんし」
「それは、冒険者ならみんな同じですよ」
俺は苦笑した。
他の冒険者だったらどうなっていただろう。
俺よりうまく立ち回っていたのではないか。
それとも・・・。
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