盗賊
出発は2日後だ。
行先は王都ファンガム。
仕事はアイテムボックスを使って荷物を運ぶだけ。
最初はお試しで、少量の品物を運ぶことになった。
とはいっても歩くことはなく荷馬車に乗って旅をするだけ。
とても楽だと思う。
これで一日2万ネルとは…いい稼ぎになる。
アンには出発することを言っておかないと。
****
荷馬車だと順調にいって5日で王都に着くらしい。
オーランドさん(雇い主)と護衛の人3人(冒険者グループ)と俺。
他の普通の荷物運びも俺がすることになっているらしい。
俺とオーランドさん、冒険者は後ろの荷台に座っていた。
冒険者グループは何やらヒソヒソと話をしている。
仲良くなる必要はないんだけど、冷たい視線が気になるんだよな…。
「ぶっきらぼうだけど、彼らは毎回護衛してくれるんだよ。仕事はできる人達だから心配ないよ」
オーランドさんは俺に話すが、嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
魔法が使えたら心強いのにな。
魔法・・か。
防御魔法と攻撃魔法、簡単なものでいいから出来るようにならないかな?
考えていたら、知識が俺の頭の中に浮かんできた。
これ出来るってことか?
こっそり練習してみようっと。
俺は、深夜遅く、皆が寝静まった頃に少しずつ魔法の練習をしてみた。
ボッ!
火魔法が無詠唱で出来た。
小指ほどの小さな火。
何も起きないとは思うけど。
明日には王都に着くらしい。
いつもの様に野営をして休む俺たち。
今日も何事もなく過ぎるかな…。
俺は広いテントの隅でうつらうつらしていた。
「………。」
ん?
妙な胸騒ぎがして目が覚めた。
男達の声が聞こえる。
「大人しくしてれば命までは取らねえよ。」
「ひぃ」
オーランドさんの悲鳴が聞こえた。
薄暗くて見えないが商品はあらかた持っていかれたのかもしれない。
「目玉商品はどこにある?」
「な、何のことでしょう。」
オーランドさんの慌てた声が聞こえる。
あー俺のアイテムボックスの中の商品かも。
そういえば護衛の人たちはどうしたんだ?
盗賊?に易々と侵入されてるなんて。
「もしかして…この少年か?」
「この人はただの商人見習いです。何も知りません。」
俺は寝ていると思われているらしい。
少し離れた位置にいる俺の顔は見えていない。
そのうち近づいてくるかもしれない。
顔見えないかな…。
と思っていたら暗闇でも見える暗視が出来るようになっていた。
上から見下ろす俯瞰の視線。
え?どうなってんのこれ??って混乱しかけたけど、そんな場合ではない。
オーランドさんにナイフを突きつけてる人が見える…口元を覆っているけど護衛の人じゃないか。
あ~そういう事か。
他の人は…っと。
他の人も口元を覆っていたが護衛に付いていた人だった。
何だこれ。
どうしたものかな。
助けるだけならできそうだ。
俺は覚えたての火の魔法を盗賊の目の前に発動させた。
「うわっ。」
思わずオーランドを離す盗賊。
そのすきに俺は依頼主の元へ移動。
外へ連れ出した。
それでもすぐに追いつかれる。
それも予想していた。
「き、きみ、ま、魔法使えたのか?」
「最近覚えたばっかりですが」
俺は花火をイメージした。
脅しにはなるかな?
花火に火をつけて後ろの盗賊に投げつける。
バチバチバチ・・・。
火薬が爆発し大きな音がした。
色とりどりの発色した炎。
「「わーーーーっつ」」
混乱しているようだった。
盗賊が驚いているすきに、俺とオーランドさんは近くの山林に逃げ込む。
しばらくここに隠れていることにした。
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