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甘い罠

翌朝、俺とカモミールさんは旅に出た。


「どう?ちゃんと仲直りしてきた?」


「たぶん・・」


「たぶんって自信なさげだな・・」


カモミールさんに聞かれ、昨日の事を話した。

「それ、誤解されてるよ~。しょうがないな。帰ったらちゃんと話すんだね」


誤解?何を??

最初はすぐに仲直りした気がしたんだけど、旅に出るっていった後からアンが放心状態になっていたんだよね。

よくわからないけど。


カモミールさんの故郷は歩いて三日の距離だそうだ。

割と早く帰ってこれそうだ。

森の中をひたすら進んだ。

同じような木ばかりで方向感覚がなくなる。

カモミールさんが時々、杖で方向を確かめているようだった。


「あった、あった」


少し開けた場所に出る。

家が数件あって、村のようだった。

エルフの男性が見える。


「カモミール久しぶりだな、おやそこの人間は?」


「わたしがお世話になってる人だ。ミライという」


「恋人か?」


え?何言ってんだこの人。


「違う違う、何誤解してんだ。しょうがないな全く」


誤解?

あ~そういうことか。

やっと俺は理解した。

一緒に旅に行くだけなのに、恋人だと勘違いしたってことか。


「なんでだよ・・」

俺はつぶやいた。

俺が好きなのは・・・。


「こっち来てくれ、ミライ。一応両親にも会っとかないとな」


両親?

それこそ誤解されないか?

俺の心配をよそにカモミールは俺の手をつかんでぐいぐい引っ張っていく。

大丈夫かなぁ。

嬉しそうに走っていくカモミール。

この人こんな表情もできるんだな。


「おお、やっと結婚する気になってくれたか」

カモミールの両親の前でおれは目を泳がせていた。

結婚?何でそんな事になってるの??


俺は客間に通された。

今はカモミールと二人きりだ。


「フリでいいから、恋人としてふるまってくれ」

ああ、そういうことか。

親を安心させたいとかそういうことなのかもしれない。


「悪かったな、茶番に巻き込んで・・いつも帰ってくると結婚しろってうるさくて・・」

そのための防波堤か・・相手を見つけたほうが良いと思うけど。


カモミールの両親はなんていうか若すぎる気がした。

エルフは長寿というのは本当なのかも。

話にびっくりし過ぎて、どんな人だったかよく憶えてないけど。


「まあ、ミライでよければ本当に恋人になっても構わないんだけど」

カモミールさんが横目で俺を見る。


「えっ?」

色っぽい目つきを向けられて、どきどきしてしまう。

カモミールさんの顔が俺の唇に近づいてきた。

キスされる?

体がなぜか動かない。

どうしたんだ俺??


パン!


何かがはじけた音がした。

俺は正気に返る。

何なにがどうなってるんだ??


「もうちょっとだったのに・・ミライってさ魔法耐性強すぎない?」


魅惑魔法チャームかけてたのに、はじかれちゃったよ」



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