アンの本心
ミライを追いかけては来たけれど・・・。
どこに行っているのかはわからない。
私はとぼとぼと町を歩き始めた。
冒険者ギルドに行って聞いてみようかな?
聞いたところで・・教えてくれないかもしれないけれど。
「何やってんだろ私・・・」
思いが空回りしている。
ぼんやりと町のベンチに腰を下ろす。
目の前には噴水があって、憩いの場所になっている。
私は、ぼーっと噴水をながめていた。
透き通った白い肌の女性が目の前を歩いている。
銀髪で、耳の長い・・エルフの人かぁ。
そういえば聞いたことある。
この町に一人エルフが住んでいるって。
名前は何だっけ?
え~とたしか・・。
「今日もありがとうね。カモミール」
野菜をお店の人から受け取っていた。
あれ?確かミライが言っていた人も同じ名前だったのでは・・・。
私は慌てて彼女を追いかけた。
****
「ただいま、野菜買ってきたよ」
カモミールさんは買ってきた野菜を木箱に入れた。
彼女は野菜しか食べないらしいので、時々町に野菜を買いに行っているらしい。
「床が見える!こんな色してたんだ~!」
「本当ですよ。床が見えないくらいゴミが・・って?えっ?」
「あ~彼女?知り合いなんだって?」
カモミールさんの後から赤い髪の少女アンの姿が見えた。
何でアンがカモミールさんと一緒なんだ?
アンが遠慮がちに話す。
「ごめんお仕事中に・・見学させてもらっていいかな」
「?ああ、別に構わないけど・・・」
何を考えているのかわからない。
こんな突拍子もない事をする子だっけ?
「お昼の支度しますね」
俺は野菜を水で洗って、包丁で切っていく。
葉野菜と、赤いトマト、それとお惣菜の煮豆だ。
採れたて野菜なのだろう。
色彩が鮮やかでみずみずしい。
「あったものを出しただけですけど。これでいいですか?」
「十分よ。ありがとう」
カモミールさんは笑顔で野菜を口に運ぶ。
「調味料は無いのですか?これ使いますか?」
俺は岩塩を取り出した。
「それ!使うの?」
アンが口をだしてきた。
「・・・・」
見学するだけって言っていたはずなんだけどな。
俺はアンをチラリと見た。
意識してしまうと、仕事がやりづらい。
どうして来たのだろう?
「それ塩かな?めずらしいの持ってるね。ここの人は使わないものだよ。ちょっと高いからね・・」
やっぱりそうなんだ。
「かけて~」
なぜかカモミールさんが甘えた声を出す・・まぁいいけど。
俺はサラダに塩をふりかけた。
「えええ?それ使うの??」
なぜかアンが抗議の声をあげた。
だめだ、アンには悪いけど、仕事に集中出来ない。
「ごめん、悪いけど帰ってくれないか」
俺はアンを家から追い出した。
抵抗されたけど。
中からカギをかける。
「追い出してよかったの?」
カモミールさんがにやにやしている。
何の事だ?
「いても気になるだけですし、仕事の邪魔ですから」
「わたしはべつに構わなかったけど?」
カモミールさんがニヤニヤと笑っていたのが妙に気になった。
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