表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/81

【ここまでのあらすじ】間話:傭兵が皇女と出会った

 総人口5億にもなるマークレスト帝国は大国、それも超大国だ。


 その超大国は現在、国を真っ二つに割る内乱の最中だ。


 皇帝が病気で倒れ、宰相クーゼンが第3皇子ベルトを擁して実権を握った。

 それに第1皇子ジークフリードが反旗を翻し反乱軍の旗頭となった形だ。


 第1皇子が反乱軍側なのは、正妃の子が第3皇子であることと、宰相クーゼンが政府を掌握しているためだ。


 勢力差はおおよそ政府軍3:反乱軍1、おまけで南郡が0.2といったところか。

 南郡は自治区なので表向きは政府軍だけどな。


 政府軍は東側、反乱軍は西側、自治区として港湾を管理している南郡が名前の通り南東部という感じだ。

 両軍は大雑把に北部、中部、南部の3箇所で主に対峙している。


 外国勢力が干渉するようなら、内乱中ながら一致団結して事に当たる条約は結ばれている。

 条約通りに一致団結できるかはともかく、外国勢力も介入を行うことなく帝国の自滅を待つ方針のようだ。


 さてそんな国事情の中、俺はかつて傭兵をしていた。

 正確には傭兵をしていたようだ、だな。


 帝国のとある研究所でアルテイア計画により、この内戦の未来をゲームシナリオとして頭にぶち込まれたせいで過去の記憶の大半を失っている。


 その研究所を爆破して脱出する際にデータバンクから、俺自身のことやマークレスト帝国内の様々な情報をぶち抜いたことで記憶の補填をしたのだ。


 さて、脱出する際に退職金代わりに分取った漆黒の魔導機ハーバルトと共に南方に移動中。

 俺はゲーム主人公にあたる3人娘を拾った。

 直感力が鋭いアリス、3人の中で1番魔導機の技量が高いクララ、遠距離における精密射撃が得意なセラの3人だ。


 反乱軍の一般兵士で魔導機乗りで、政府軍への強行偵察のおりに直属の上司であるガーンズ大尉が戦死。


 3人娘は敵地に取り残されることになる。

 ゲームではそこから3人娘の物語が始まる。

 そのゲームでいえば、俺は本来主人公娘に立ちはだかるライバルキャラ。


 今回の遭遇もゲームでいうチュートリアルで主人公3人で俺1人を囲んでぶちのめすシナリオだった。


 んで、俺は逆に3人娘をボコボコに叩きのめした。

 そして泣かれた。


 仕方がないので、魔導機の乗り方などをレクチャーしつつ、反乱軍勢力下に帰る手伝いをしてやったら何故か懐かれて師匠呼ばわれるされることになったというわけだ。


 わけがわからねぇ……。


 色々と世話を焼いてやったが、それはあくまでも俺の都合によるもの。

 俺は傭兵として金以上に戦うことに価値を見出している。

 戦闘狂ってわけでもないが……いや、やっぱり戦闘狂か?


 ま、妙なゲーム記憶をぶち込まれたせいで俺も何かが狂ってしまったのだろう。


 そんなわけで主人公3人娘を美味しく鍛えて、絶対エースとなった主人公3人娘を俺の手で叩き潰すマッチポンプを計画している。


 ゲームの記憶の中では3人娘のうち、シナリオにより2人が死亡。

 残る1人がオカルト魔導機マークレストに乗り込み、3人分の魂を宿して内戦を戦い抜く。


 それが結局、内戦を反乱軍の勝利に導くのだが、残った1人も自身の願いが叶うことなく失意の中、表舞台から姿を消すことになる。


 なので、俺はより美味しく最強となった主人公をぶちのめすために、3人娘が全員生き残れるように画策しているわけだが、はてさてどうなることやら。


 そんな中、反乱軍勢力下に帰還のために、南郡の海運業を牛耳るソン家の嫡男ハクヒと渡りをつけることができた俺たち。


 しかしそこで偶然、南郡にある人口600万を擁する海運都市コカの街で、官吏から逃げ回っていたグレイルと遭遇。


 アリスたちが俺の奴隷になっているとグレイルは動揺し、官吏に捕まってしまう。


 そのときグレイルが口走った姫という言葉がきっかけで、アリスがマークレスト帝国第1皇女アリスレア・マークレストだったことを自白。


 つまり反乱軍の名目上の旗頭でゲームの中では明らかにされなかった秘密だ。

 なお、反乱軍の旗頭であるはずの皇子はゲームでも表には出てきていない。


 政治的な理由で反乱軍の旗頭は第1皇子であると言われていたが、実際には皇女だったというわけだ。


 初日で3人娘の会話を盗聴していた俺は知ってたけどよ。


 そんな3人娘がグレイルが捕まったことに責任を感じて、あまりにガックリへこんでいたので面倒になった俺はグレイルを救出してやることにした。


 そんなわけで、ちょっとコカの街で暴れる許可を得るためにハクヒと交渉。


 ゲームでの未来予測と俺が研究所のデータバンクから得た情報、それらを組み合わせて得られる情報を元にハクヒの暗殺に関わる筋道を話した。


 その話が思った以上に効果があり、ソン家でグレイル救出を受け持ってくれることになった。


 コカの街でちょっと大暴れして、グレイルを救出して船に放り込んで、そこで3人娘とおさらばでも良かったんだけどな。


 さぁて、3人娘にいつまで付き合うべきかねぇ〜。

 だがまあ成り行きではあるが、もう少しだけ3人娘と一緒にいることになりそうだ。


 ここからゲームでも反乱軍勢力下に戻るなり、魔導機同士の戦闘に本格的に突入することになる。


 どこまで楽しい戦いを味わえるか。

 ……実に楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カクヨムサイト版は完結してます。 続きが気になる方はこちらを
お師匠様はライバルキャラ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ