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プロローグ
時々、夢を見る。
見た事もない景色。
御伽噺でしか聞いた事がない特徴をした生き物。
そして、楽しそうに旅をしている仲間達。
顔も声もすべて鮮明に聞こえて見える光景を見ながら、これが夢であると自覚が出来る。
『■■■■』
隣に並んで歩く仲間が何か言っている。
先に歩く仲間達には聞かれたくない事なのか、小さい声だった為上手く聞き取れない。
「すまない。 もう一度言ってくれないか?」
聞き返すと、彼女は何処か不貞腐れた表情を浮かべた。
再度、先に歩く仲間達の方へ視線を向けてこちらの声が聞こえていない事を確認すると、彼女は顔を近づけて耳元で呟く。
『約束、忘れないでね』