26話 ババ抜き
今回も朝投稿
俺、クラ、シン、ウミ、凜先輩、ヒナ、優香会長、橘先輩にカズを加えた9人で今回はシンの家で遊ぶことに。
「じゃ、トランプでもしますか」
シンが提案する。
「トランプ?」
カズが問いかける。
「昔3人でよくやってたんだよ。とりあえずババ抜きでもしますか」
昔やってたなぁ。それでシンにスイカ奪われたっけ。
「普通にやるのも面白くないからさー罰ゲームとか」
ウミが言う。
「罰ゲーム?」
え? やめようよウミちゃん。これは俺ら3人だけでよかったのだ。
「そうだな~じゃ負けた人はいま好きな人のいいことを言うとか」
ウミが提案すると
「「え」」
俺とクラがお互いを見てやべぇよやべぇよとなる。
「やべぇよやべぇよ」
カズも顔が青ざめている。
「ひぇぇぇ~」
ヒナも焦りを見せている。まぁ俺なわけなんだけど……
「……」
凜先輩そんな顔しないで! なんか怖い。
それに橘先輩とシンはバチバチしているし……言っておくけどこれ取り合いじゃないからね?
「よし、じゃあやろう!」
ウミがスタートを宣言する。
絶対に負けられない戦いが今始まる……
「ぐっ!」
「あっ!」
皆さんわかりやすすぎじゃないですかね……いろんな声が聞こえてくるんだけど。
「はい! テル!」
そういってクラが言う。俺はクラからカードを引くのだが……
「うん?」
引こうとするとクラの顔が曇った。
「うん?」
隣のカードを引こうとすると笑みがこぼれている。
「(いや絶対これやん……めっちゃ可愛いけど、うーんしょうがない)」
そういってとると、うんジョーカーだね。知ってた。
「ありがと」
俺にしか聞こえない声でクラは言う。思わずドキッとしてしまう。
「ハイ次シン!」
何とかごまかす。
「おけ、よいしょっと」
「⁉」
「お前はそうやって1枚だけ飛び出して引かすとき、左端にババを置くんだぜ。残念だったな、のろけ」
「くっ」
流石に親友は厄介だぜ。
そういってゲームが進んでいくうちに残り3人になった。残ったのは俺、橘先輩、カズ。
「ここだっ!」
「ぎゃぁぁぁ」
橘先輩が抜け、俺とカズの二人になる。あれ? シンがなんか耳打ちしてね。
「ふんっ!」
カズが引いたのはジョーカーではなかった……
「あぁぁぁぁてめぇぇぇぇぇぇぇ‼」
シンの野郎、またなんか弱点言いやがったな。
「じゃぁ言ってもらおうか」
うっ、シンが悪魔に見えてきた。
「えっとクラの好きな理由は……面倒見がよくて、可愛くて、やさしくて……そういう感じかな、あはは」
「こののろけが~負けないからね」
「同じく」
なんで俺が損してるんだろうか。めっちゃ恥ずかしいのだが。あとウミと凜先輩もなんか怖いんだ、うん。
たまには日常回もいいよね?




