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俺の周りに超絶美少女が多すぎな件  作者: 向井 夢士
3章 1人1人の物語
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23話 立ち上がれ

 レンをどうにか説得しようとするがもちろん無理。絶体絶命というやつだ。


「うーん。クラちゃんが僕の彼女になれば生きて帰れるんだけどね」


「……くっ」

 俺は自分が情けなくなった。


「まぁそれだけクラちゃんに会いたいなら連れてくるよ」


「……」


「クラちゃんに交渉してみたら? はっはっは」

 そういってクラを連れてきたレン。手を縛られている。


「クラ!」

 つい叫んでしまう。


「テル……助けて」

 クラの声が俺の心に刺さる。


「はっはっは。無理無理」


そういってレンが油断している間に股間に蹴りを入れる。流石のレンもダウン。


「ぐっ……」


「べ~」

 そういって舌を出すクラ。


「はは。流石だな」

 強い幼馴染に自分の弱さを感じ、苦笑してしまう。


「昔、テルが男に襲われたときは股間蹴れって言ってたからね」


「もう許さないぞ……」


「ここで爆破したらお前も死ぬぞ」

 何とか俺は爆発しないようにするしかない。


「どうでもいいよそんなこと。好きな人と一緒に死ねば本望だしね」


「へっ卑怯な男だぜ」

 そういって挑発する。


「何?」


「爆弾とかに頼ってよ。男なら正々堂々奪ってみろや」


「言ってくれる!」


「ぐはぁっ……」

 腹に蹴りを入れられ、声が出る。


「はは。カッコつけてその程度か」


「テル!」


「この野郎!」


「もうあきらめなって。立っているのがやっとじゃん」


「頑張ってみんなで生きて帰ろうよ」

 クラが泣きながら……でも笑顔で言う。


「だな」

だから俺も笑顔で返す。


「⁉」

 シンと橘先輩が何とかレンの足をつかむ。


「ちっ、邪魔だ」


「そこだぁぁぁぁ!」

 そういって隙を見つけ、レンの顔に拳がようやくヒットする。


「ぐっ」


「私はテルのことが好きだからっ! いつでも大事に思ってかっこいいテルが好きだと気付いたから……だから勝ってぇっ!」


「……任せとけ」

 そう言ってレンにどんどん殴りを入れる。


「なんでなんでなんで」


「愛する人の力と言っておこう」

 たまにはかっこつけていいよな。


「ちっ!」


「これで終わりだっくたばれぇ‼」


「これが本当のちか……」

 そう言いかけてレンは気絶した。




 後日爆弾も取り除かれ、山田グループも逮捕された。病院で大事をとって入院させもらった。


「これが愛の力ね……くくく」


「シン笑いすぎ!」


「あの時のこと全部消去したい」

 カッコつけた俺が恥ずかしくなった。


「ま、山田グループも逮捕されたし、警察がうまくやって橘財閥の評価も上昇したし」


「橘先輩ありがとうございました」

 橘先輩のおかげで何とか勝てた。


「いやいや。こんなの罪滅ぼしにもならないよ」


「じゃ後は二人で話すがいい」

 優香会長がそう言って俺とクラだけになる。



「……もうすぐで凜先輩とかが見舞いにくるって」


「ね、テル……」


 俺と幼馴染の話は、もうちょっとだけ続くんじゃ。



今回は昼投稿です!

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