16話 ウミの物語
今回は視点が変わります。
ウミの告白から1日が過ぎた。俺はこういう時頼りになるクラに相談していた。
「ウミに告白されたの?」
「あぁ。今好きな人がいないからいいじゃんってね。
でも俺はそれで付き合うのは失礼だと思ってる」
「難しいよね……まぁでもいいんじゃない? ウミもわかってくれるよ」
「そうか? まぁ一回また話してみないとな」
「それがやっぱり1番だね。まぁまたなんかあったら言って」
「おぉ」
ウミを探してると、今日シンに言われた事を思い出す。
「お前、いつもクラとかに相談してるけど好きなのか?」
「いいや。てか言われてみると意識したことなかったな」
「そうか、ならいいんだ」
シンの件でもあったけど、クラは可愛いと思う。けど友達として見た事しかなかったから意識したことはない。でも言われてるとクラによく相談してるのかな……
◇◇◇◇◇◇◇◇ウミ視点◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私って本当ダメな女子。そんなんだから、主人公になれないんじゃん。でも我慢できなかった。どうやったら私は1番になれるのか? 私は思いついた人に会う事にした。
「会長さんちょっといいですか?」
生徒会の1番として君臨する会長に質問すればわかると思い、優香会長に私は会いに行った。
「なんだ?」
「私は1番になりたいんですけどどうしたらいいですか?」
「……ざっくりしすぎてるがまぁだいたいはわかった。1番になりたいのか、君は」
「はい。私はサブキャラじゃなくて主要キャラになりたい」
「馬鹿者が。自分のこともわからないのに1番になれると思うな」
「え」
私は意味がわからなかった。
「主要キャラになりたい? なら自分を磨け。他人が認めてくれるぐらい努力しろ」
「でも私だって努力してます」
私だって努力してるのに……
「そんなものを努力と言うな、もっと自分を磨け、他人に負けるな。私はそうやってここまで来た」
「会長、終わりました。あ、取り込み中だった? すまない」
そう言って現れたのは橘先輩。あの1件があってから別人のようになったとか。
「お前は仕事が遅いな。お前はあれだけのことをしたんだ。もっと努力しないと私の後は務まらないぞ」
「はい」
「え? 橘先輩、会長目指してるんですか?」
「はは……まぁあれだけの事をしたからそう思うのも無理はないよね。でも頑張ってやってみようと思ってさ。だって不可能じゃないから」
「まぁ努力しすぎるのもおすすめしないけどな。それで私は一回倒れたことがあるしな……はは」
「倒れた?」
私は気になって質問する。
「昔、どうしても勝てない奴がいたんだ。そいつはテストでいつも1番だった。私はいつも2番だったが、勝つために全てを勉強の時間に使った」
「相手が7時間勉強するなら21時間ぐらいやってやるみたいにな。まぁ睡眠とかしなかったから倒れたんだが」
「まぁ倒れてからも病院とかで勉強したけどな。なんとかテストでは1番を取れたけど、もう無理だと思って諦めたな」
「それからは自分を磨く事にした。いろんな事に触れた。どうやれば1番になれるのかを考えて計画を立てて……そのような努力で今私はいる」
「お前も自分の事を一回見つめ直してみろ」
会長の話をきいて私は自分が情けなくなった。努力をせずに一流になる人は1人もいないんだ。だから私だって負けたくないからさ、まずは自分から勇気を持って行動するんだ。
「あ、テル」
「ウミ……」
そりゃそんな困惑した顔するよね。
「もう私は大丈夫だよ。この前はごめんね」
「いや……それで」
「私はまだ1番にはなれないけどいつかさ、1番になってみせる」
そう言って私は不意をついてキスをする。
「な⁉︎」
「じゃまたね!」
そう言って私はまた走り出す。誰も追いつけないぐらい独走してゴールしてやるんだ。
ウミは吹っ切れた……て感じですね。それに橘も、今はいいキャラになりましたね、はは。
生徒会長はえげつないほどのモンスターだなぁと感じたり。
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