14話 正面衝突
vs橘編 いよいよ終わりです!
橘を倒す。しかし橘はやっかいな人物で生徒会長も手を焼いていた。
「橘を倒すには今の彼女、小倉凛に悪いところを見せ、倒すしかない。ただあいつはそんな事しない」
「だから私達が頑張るのね」
会長が言った言葉に反応してクラが言う。
「あぁ。一応いろいろ準備はした。あとは君らに任せたからな」
「会長。わかりました」
「そういや野口はいないのか?」
「いえ、必ず野口は"シン"として帰ってきます」
「?」
クラはぽかんとしていたが
「そうか。なら安心だな」
会長はなるほどな、という顔で笑みを浮かべた。
会長は全て何かあったら私を殺してもいいという条件でまず全生徒からの情報を集める。ただそれでは証拠がないので、橘が手をつけそうな生徒に、スマホを持っておいて録音をしとくということを頼んだ。
ただ橘にバレる恐れがあるので、会長が常に追っていたり、他の人をキャスティングしたりした。そのような会長の努力もあり、いよいよ追い詰められるところまで来た。
会長は
「まぁ私がやってもいいんだがな。これはお前が決着すべき問題だ。思いっきりやってこい」
会長は俺が解決すべきと思って背中を押してくれた。
こうして、いよいよ橘と俺は再びあいまみえる。
「君、しつこくない?」
「清輝君。かねちゃんはいい人だよ。もうやめてくれないかな」
凛先輩も来ていた。
「それは無理っすね。会長が頑張って証拠を手に入れましたからね」
「な⁉︎ 確かになんか最近怪しいとは思っていたが……」
「まぁちょっと緩みでも出たんでしょうね。なんなら凛先輩がいるここで流してもいいんですよ?」
会長のおかげでここまではいける。ここからだ。
「凛、お前はどこか行っていろ」
「いーや。私はここでちゃんと見る」
「ちっここで終わってたまるかぁぁっ!」
「実力行使か……くそっ」
流石に諦めたのか、橘は実力で抑えようとしてきた。凛先輩もいるのに暴走し始めたか。
「かねちゃん! やめてっ!」
「もういいんだよ何もかもっ! ただ今の地位だけは譲れないんだ!」
そう言って蹴りを入れてくる橘。けど俺も負けてられない
「…………あなたが過去になんかあって今こうなってるのは知らないですけどね。俺らだってここらで負けるわけにはいかないんですよっ!」
そういってなんとか体を動かし、俺はしゃがんでズボンを脱がした。凛先輩申し訳ない。だけどこれで決まる。
「ふん、時間稼ぎか」
「今だやれぇぇぇぇ」
そう言って俺は合図を送る。
「⁉︎」
そう言って橘の顔面にテニスボールが直撃する。
「はぁ……時間稼ぎは辛いんだぜ」
「いやでもよくこらえてくれたぜ。じゃないと俺が目立たないからな」
そういってきたのはシン。
「言ってろ、シン」
「ほらほらお怒りの橘先輩を倒すよ、テル」
「もういっちょ」
そう言って橘はシンが打ったテニスボールをかわすが、
「人数の差は相当辛いんだぜえっ!」
そういって右ストレートをお見舞いする。
「くっ」
橘にも流石にきいたみたいだ。
「俺の初恋を奪ってくれてありがとさん」
「いいか、くそ男キャラは俺1人でいいんだよっ!」
そういって2人で言いたいことを言いながら、パンチをお見舞いし、
「わかった。もう何もしないっ! この学校からもいなくなる! だから許してくれ……」
「あ? それは違う話だ」
俺は圧をかける。
「本当くそキャラだな。俺だけでいいんだよ」
「シン、そのセリフ気に入ってるな」
「助けにきたら言おうと思ってたんだよね」
「橘先輩。人間いろいろあります。けど俺らは立ち直れる」
だって……
「俺らが証明したからな」
シンが言う通り、俺らが証明したから。
そして隠れていたクラも来る。
「お、クラ。なんとかなったわ」
一応危ないときに通報してもらう為に隠れてもらっていた。
「私達は何があろうとも」
「「「親友だからっ!」」」
「はははは……俺も立ち直れるかな」
橘が泣き顔で言う。
「その為に生徒会で全校朝礼で謝罪をするからな。
大丈夫。私がいる」
「会長……」
「皆ごめんね……私も悪かった」
凛先輩が小さな声で言う。
「だって俺ら人間ですもん。気にしなくていいっすよ」
そう言って俺は、初恋の人に笑顔でこう言ったのであった。
それから橘は会長と、謝罪してこの件はひと段落した。
「はぁぁ〜あ。会長はまさか橘が好きだったのかよ」
「好きっていうより、後輩の面倒見がいいんだよ。あの人は凄いんだよな」
「でもなんか最後いい雰囲気で終わってたじゃん」
「シンも負けてねぇよ。頑張れよな」
「あぁ。頑張ってみるよ」
「ねーね〜 なんのお話してるの?」
クラが入ってきた。
「クラ。ごめんな」
「いいんだよシン。それに私だってせこいし」
「ありがとうな」
「それよりテルは?」
「まだいねぇなぁ」
なんかそれどころじゃなかったっていうのもあるんだけど。
「そうなんだ……」
「凛先輩は謝ってきたけど一応振られてるしなぁ」
「なんか冷めたのか?」
「冷めた……のかもな」
何かもやっとした気持ちがあるような、ないような。
「私も冷めちゃったしねー」
「うっ」
シンが痛いところを突かれた。
「冗談冗談」
そう言ってクラは言葉を続ける。
「でも今は気になってる人あるかも」
「はやくね?」
「はは、そうだよね。まぁこれから頑張る」
こんな何気ない話をしていただけなのに、俺らは3人いてこそだなと感じた。ウミやヒナ、凛先輩に優香会長……でもやっぱり3人もいいなぁとふと感じた。
評価ありがとうございます!作者のモチベになります!
ツイッター たくたく@小説家になろう
感想など気軽にどうぞ




