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11話 橘と凛先輩

今回は物語が動きます。

 橘に会って、俺はとりあえず橘の情報収集をする事にした。まずはクラに質問する事に。


「クラ、橘先輩って知ってるか?」


「あのイケメンの生徒会の人でしょ? でもあの人、腹黒いと思うんだよねぇ」


「というと?」


「一回言い寄られそうになった時があってさ。その時はシンが来たから何事もなく終わったんだけどあの目は怖かったかな」


「おけ。ありがと」

 そんな事があったのかと驚く。まぁでもクラは確かに美人だし、言い寄られてもおかしくないな。


「テル……なんかあったら言ってね」


「あぁ。その時は頼らせてもらう」

 こういう時に幼馴染は本当頼りになって助かると心から思う。


 次はウミに聞く事に。


「あーあの人は怖いよねぇ……私も襲われそうになったけど、周りに人もいるし、大声で叫ぶって言ったら逃げていったかな」


「なるほどね。やっぱりクズ男だな」

 俺は確信した。


「まぁそうだねぇ。旦那、いつでも駆けつけますね」


「誰が旦那だ。まぁでもセンキュ」

 そう言ってウミとハイタッチした。


 そして夜。橘は、用意周到かつ、証拠など残らないように逃げるところは逃げるし、詰め寄るところは詰め寄る。強敵だなぁと感じていた。すると見知らぬ番号からかかってきた電話だが、予想はつく。


「……もしもし?」


「俺だ、橘だ。明日の朝、体育館裏に凛を連れてきてくれ。拒否権はない。いけるな?」


「あなたが行った方がはやいんすけどね。仕方ないっすね」


「あっはっは。失恋した奴に行かせるのが面白いんだろうが。じゃよろしく頼むよ」


「何で電話番号知ってるんですか?」


「それぐらいはいくらでも方法があるだろう」


 そう言って電話は切れた。


 翌朝。俺は凛先輩の家の前にクラとシンと一緒に来ていた。家は、橘のメモがあったのでそれを参考にした。


「おやおやおはよう諸君」


「橘……」

 橘も家の近くなのだろうか。ゆっくりと歩いてきて、余裕の笑みというやつだ。


「お、仲間も連れてきて豪勢だねぇ。とりあえず先行っておくからよろしくね」



「何あいつ」

 クラが今にも爆発しそうなぐらい苛立っている。


「まぁあれで格闘強いし、生徒会入っててなおかつ顔がよかったら誰も反逆はしないよな」

 シンの言うことはもっともだ。あいつに向かっていっても勝てる気がしない。


「とりあえず凛先輩と会わないと行けないとは俺も思ってた。だから今日来たんだ」


 そしてインターフォンを押す。凛先輩は出てこなかったが窓が開いた。


「え、清輝君⁉︎」


「凛先輩。ちょっと話したいことがあるんでいいですか?」


 そして凛先輩は家から出てきた。


「橘先輩をご存知ですか?」


「橘……いや知らないけどどーして?」


「凛先輩の事を狙ってるんです。俺も振られた身ですけどこれは相談部として来ました」


「なるほど。それで私はどうしたらいいの?」


「橘先輩に連れてきてと言われてるので一緒についてきてください。それで襲いかかったところを俺とシンが助けに行くので。クラは動画を撮るって事で」


「その橘っていう人は本当に悪人なの?」

 まぁ初見ならそう聞くか。


「いや、俺が思うにはいろんな女子に手出してるみたいですし」


「それは本当なの?」


「前、クラにも言い寄ったんですよ」


「どんな感じで?」


「えーーとちょっと俺と2人、人気のないところで話さないかって」


「それじゃ違う話かもしれないじゃない。100%ではないでしょ」


「なら、会ったらわかります。朝、体育館裏で待ってるって事なので会いに行ってください」


「わかった」


「なぁこれでいいのか?」


「しょうがない。凛先輩は嘘とか噂とか1番嫌ってるからな」



 そう言って俺は、橘のところに凛先輩を連れて行った。


「それじゃ俺はここらで」

 そう言って立ち去ろうとすると、


「待て。ここで君もいていい」

 橘に止められた。


「それで橘君。何の用件?」


「分からないか……実は僕だよ。金田真司。名字が違うからわからなかったかな」


「もしかしてかねちゃん……⁉︎」


「そうだよ。君と仲良くしていたかねちゃんだ。単刀直入に言う。俺と付き合ってくれないか」


「え……」

 突然のことについていけない。は? 凛先輩と橘が幼馴染だったのか? 名字が違ったからわからなかっただけ?


「よろしくお願いします」


「ちょっと待ってくださいよ。凛先輩!」

 しかし言って、ハッと気づく。俺は何様だと。


「嘘つきな後輩はいらないかな。じゃぁね」

 そう言って凛先輩は消えていった。


「……」


「あはは。君は聞いてなかったか? 昔、仲良くしてた奴がいるって」


(そういや前、凛先輩からメッセージでそういう事を知った。俺は女子の友達かなと思っていたがそれは思い込みだったのか……)


「残念だったな。では君は用済みだよ」

 そう言って去っていった。


「テル!」

 クラが一目散に駆けつけてきてくれた。


「しょうがないな。橘が凛先輩の初恋相手っていうのもあるだろうし、お前が言う権利もねぇ。あいつはここまで計算してたって事だ」


「シン!」


「クラ」

 俺はそう言ってクラに怒るなという目線を送る。


「橘を倒す術はねぇ。失恋はよくある事だろ、気にすんな。また橘がなんかしたら対策すればいいじゃねぇか?」


「……だな。俺は振られただけだし、新しい恋を見つけるよ」

 シンの言う通りだ。橘がこれから変わるかもしれないし、所詮俺は振られたんだ。凛先輩は橘を選んだって事。


「ねぇテル。ちょっと2人で話したいんだけど」

 クラがそう言ってきた。


 ――物語はまだ続く。

感想など是非是非。


ツイッター たくたく@小説家になろう

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